昨日(3日)は、東京・有明防災公園で開かれた(いわゆる『護憲派』の)憲法集会に参加していた。
(そのことは、また別の記事にでも書こう。)

私は、『9条守れ』とひたすら言っているだけ(のように見える)運動のあり方については、疑問を感じている。
また、『戦争になるぞ』と何年も、言い続けるのもむしろ、『反作用(逆効果)の心配』があるような気がしていて、懐疑的になってきている。

そういう人間なので、いろいろ『違和感』も感じながらの有明集会参加であったが、それにしても驚いた。



安倍首相の発言は、『護憲派』の集会と同時並行で開会されていたらしい、『改憲派』の集会に向けてのビデオ・メッセージという形で発信されている。

(テレビ報道などでは、『市民団体』主催の集会などと、ソフトな表現にとどめている。だから、中には勘違いをして、安倍首相が『ビデオ・メッセージ』を発したのは、参加者の反発を恐れてではないかと、コメントを書かれているのをネットで見かけもした。

ところが、とんでもない。
安倍自身が、生であの発言をあの集会で行ったら、歓喜の熱狂に包まれたであろう。
もちろん、『これまでの主張と異なる』と冷静に反発を感じた人もいたかもしれないが…。)


まだ、今朝(4日)の新聞各紙を『紙』で確認していないので、ややアバウトな感想になってしまうが、安倍首相の発言は、トンデモナイものであるし、しかも実に巧妙なものである。
そのポイントは、幾つかあると思う。

<改憲の日程を、2020年に改憲憲法施行とスケジュールを明確化したこと>

<憲法9条1項と2項を残すと、今までの『自民党改憲草案』を見かけ上、チャラにしたこと>

<そのうえで、憲法9条3項で『自衛隊の明文化』を主張していること>

<その理由として、自衛隊『違憲の疑い』を提起されることは耐え難いと、『護憲派』の『弱点』をストレートに突いてきたこと>

<また、予備的な主張として、『高等教育の無償化』など、より国民受けしそうな改憲内容も盛り込んでいること>

まあ、これらが中心なのではないかと思う。
これは、一見すると、公明党の『加憲』の主張、そして、『維新』の『教育の無償化』のための改憲というそれぞれの主張を取り込んだもので、極めて『巧妙』である。


また、共産党や憲法学者(全部ではない)などは、いろいろ反論するだろうが、結局、『自衛隊は違憲の存在』と言いながら、日本の安全保障上、自衛隊が『武装自衛のための<軍隊>』として現に存在していることに対しては、『解釈改憲』を認めるという、『二重構造』的な主張(私は、これは彼らの『弱点』だと思う)に対する、安倍首相による『反撃』でもある。

だから、前から私は主張してきたが、安倍首相は『単なるバカ』ではないし、『安倍ちゃん』などと呼んで彼のことを、『軽くみた表現』を多用して、『安心しようとする』のは実に危険な行為でもあった。


ところが、彼は、(習近平との会談で、デザートの時間に、『シリア空爆』の話を持ち出した)トランプ大統領のマネをしたのか、それとも、(トルコで『改憲』を国民投票における、ぎりぎりの差で実現してしまった)盟友=エルドアン大統領のやり方に『学んだ』のかどうか、知らないが、今回のような行為を敢えて行った。
しかし、彼が言っていることは、これまでの主張と大きく異なっている。


彼の言っていることをそのまま、受け取ると、実は安倍内閣は、『違憲の自衛隊』を『違憲ではない』としてきたと(半分)自白しているようなものである。
(もちろん、彼は『違憲の攻撃にさらされている』としか言っていないのであるが…。)

それだけでなく、『平和安全法制』による『集団的自衛権の(一部)解禁』も実は、『憲法違反だった』のだと自ら、告白しているようなものである。

さらに、9条1項と2項を残して、つまり、『前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』という条文(2項)も残したままで3項で、『自衛隊』を明文化した場合、一体、この自衛隊はいかなる存在になるのか?

これまでの『自民党改憲草案』における彼らの(9条に関する)主張や、『国防軍』の規定との間の齟齬をどのように調整するのか、その辺は全く不明である。


だが、トランプやエルドアンの例に戻れば、彼らは『細かな?矛盾』など一切、気にしない。
彼らが『正しい』というものだけが、『正しい』でのあり、それ以外は『フェイクニュース』である。
また、『フェイクニュース』を流すメディアは、弾圧の対象でしかない。

このような論法でいうと、安倍首相は、自らの『言論』の矛盾は、一切、気にする必要はない、ということになる。


しかし、もしも、冷静な(大手)メディアが現在の日本に存在しているものならば、安倍首相の言っていることは、トンデモナイ主張である(ということを報道する、あるいは匂わせるようなことを書くであろう)。


本来、『憲法を順守』しながら、国民に奉仕すべき総理大臣が、『憲法を好き勝手に駆使』し、しかも(飼い犬であったはずの存在が)突然、飼い主である『国民』に対して、牙をむき、国民を脅迫して、『憲法改正』を要求し始めたのである。

そもそも、現在、北朝鮮の『危機』に直面しているはずの微妙な時期に、こんなことを言いだした『ご都合主義』についても指摘しておかなければならない。

このような『改憲のタイムスケジュール』を安倍首相が、今、持ち出したのは、要するに『北朝鮮の危機』など自身が騒ぎ立てているほど、ご本人は感じていないということであろう。


今回の、安倍発言でさまざまな『矛盾』が一挙に噴き出した。
これに対して、どう『反撃』していくのか、それが問われている。
ただ、『反発』するだけでは、『挑発』にのる恐れすらある。

彼が『護憲派』の(一部にある)矛盾を、突こうとしていることだけは、『たしか』なことである。
(つづく)






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