それでは、前回の記事の続き。
 最初に、電影(映画)博物館のサイトを紹介しておく。
 
 中国語と英語で見ることができるようになっている。
 
 
 ここの情報を見ると、入場は無料だが、『予約制が基本』と書いてある。
 実際は、予約だけでは人が集まらず、現場で入場券を配布しているようだが、いつこの現状が変わるかもしれないので、このサイトをチェックしてからいったほうがいいかもしれない。(なお、月曜日は休館である。それから、閉館は5時?だが、その1時間前から入場できなくなるので、ご注意を。)
 
 前の記事で、ここがうらやましい、日本になぜないのかと書いたが、全く同じような規模のものは、日本では無理かもしれない。
 何しろ、やたらに広い(これは、北京と言えども、かなりの辺鄙な立地であるが故に可能なのだろう。もちろん、これが2008年のオリンピックに向けての、いわば付属設備的な意味合いが生じたこともあろうが)。
 それから、やたらに、職員(一種の監視役みたいな人達。設備が破壊?されないか、見ているのだろう)が多い。これも、人件費が(まだ、現時点では)安い中国だからこそ、可能なことであろう。
 
 今回は、この博物館の弱点のようなことを中心に書いてみる(ので、そのつもりで)。
 
 まず、ここの展示内容が、中国のものであるから、『革命優先』になっていることである。
 
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  これは、中国の国歌が、ある映画の主題歌(主題曲?)であったということを説明する展示。
 中国国歌が常時、この展示の周りでは聞こえていることはいうまでもない。
 
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  これは延安を根拠地とした中国共産党が、いかに映画を宣伝の手段として重視したかを説明している絵。
 
 このように、映画と革命を結びつけた展示が非常に多い。
 普通の日本人なら、おそらく途中で、少しうんざりしてくることだろう。
 
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 その中で興味深い展示もあった。これは、日本人が中国映画振興のためにいかに協力をしたかを示す写真。
 戦時中に、長春に満洲映画協会(満映)の撮影所があったが、ここでは大勢の日本人が中国人と共に働いていた。戦後、中国にとどまった日本人も多い。
 あるいは、戦後(または、終戦まぎわに)日本から中国に来て、映画技術について指導をした日本人もいた。
 
 この関連の一種のミニ展示コーナーになった所があり、数枚の写真が展示されていた。
 
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  これは、展示が一時中止になっている場所。
 だいたい、文化大革命から現代の改革開放の間の期間の展示だったような気がする。
 
 なぜ、中止になっているか、説明はまったくないが、どのように展示したらいいのか、迷っているのではないかと思われる。
 
 なぜなら、ある時期までは、すべてを『革命』のために、という統一した視点で映画の歴史が説明されているが、それが、文革から現代に至るあたりから、いわば中心のない展示になっていまっていることに気が付いたからだ。
 
 ただ、素材ごと(何を対象とした映画か)ということで、区分して展示がされているだけという気がする。
 
 結局、映画の歴史を語るためには、少なくとも複数の思想の対立ないし共存を描かなければならないが、それが認められていないのか、かなり浅いレベルに展示をとどめているような気がする。
 日本であれば、映画の巨匠たちの説明があろうが、そういうものもほとんどない。
 あるいは、人気スターの展示も、これまたほとんどない。
 
 いろんな映画が、どれが中心になることもないように、並べられているという印象だ。
 
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 その代わりと言っては何だが、香港映画、台湾映画についての展示が非常に多い。
 ここは、『中国電影博物館』という名称なのだが、この中国と言うのは、当然にも香港、マカオ、台湾を含んだ意味での中国のようである。
 日本人のイメージからすると、『中華電影博物館』だと思った方がいい。
 
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 さっきのは、ブルース・リーの展示。こちらは、『英雄本色(日本での題名、男たちの挽歌)』のチョウ・ユンファ(周潤発)。
 
 下のは、台湾映画の名作、『非情城市(都市)』である。
 本当に、香港映画と台湾映画に驚くほどのスペースを費やしている。
 
 
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 もちろん、その分、中国大陸の映画についての説明が少ない。
 いじわるをいうと、どう説明したらいい(どこからも苦情が来ない?)か分からないので、そのせいもあって、香港映画や台湾映画で、おちゃを濁しているのではないかとも思われるくらいだ。
 
 でも、私の好きだったり、非常に印象に残っている中国(大陸の)映画の展示もあった。
 
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 このほか、ここの展示でスペースの大きさが目立ったのは、映画の技術的なこと(撮影の仕方、編集など)、あるいは撮影所のさまざまな仕事(メーキャップ、大道具など)というように、映画産業というか、映画の裾野部分と言うか、そこと関連した展示である。
 
 こういうものは、実際に映画に携わりたいという人には大いに参考になる展示が多いのではなかろうか…
 
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  ここの展示は、映画に関心のある人、映画が好きな人には、十分面白い展示ばかりだと思う。
 また、『なぜ、○○に関する展示がされていないのだろうか?』という視点で、見るのも興味深い。
 
 多少、不便な場所にあることは事実だが、北京に来た時には、ぜひ、一度訪問されることをお薦めしたい。
 
 なお、レストランみたいなのはあるが、12時から1時半までしか営業していない。
 そのほか、飲み物、スナック菓子、カップヌードルなどを販売しているところもあるが、やたらに高いのでスナック菓子など自分で持参したほうが、良いかもしれない。
 ただし、飲料などは持ち物検査で持ち込めないかもしれない(どこでも、X線による持ち物検査をやっているので)。
 
 
 
 
 
 

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