国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)が、群馬県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」を世界文化遺産に登録するよう勧告したと発表した

6月15~25日にカタールで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に決まる見通しだ


昨年の「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」に続く形だ


富岡製糸場については養蚕と生糸産業の革新に決定的な役割を果たし、日本の近代化の礎となった


明治政府は産業の近代化を急ぎ、西欧から最新技術を導入し、1872年に設立された富岡製糸場

日本初の本格的な機械製糸工場として、養蚕技術を独自に改良して大量生産を実現しするとともに、技術指導者の育成にも努めた

さらに関連施設と連携した技術革新により、全国に波及し、各地で高品質な生糸の大量生産に成功

日本の生糸産業は飛躍的に進歩し、世界市場の8割を占めるまでになったことにより、絹製品の大衆化に繋がった


イコモスは富岡製糸場について、「富岡製糸場と関連資産は、日本が近代工業化された世界に仲間入りする鍵となった」と勧告で評価した



日本の文化遺産が世界に認められた意味は大きい

今回の登録は今までの世界文化遺産と異なり、日本の近代産業が認められたものであり、来年以降に登録を目指す、「明治日本の産業革命遺産」(福岡県など)にいい流れを持ち込みそうだ