こんにちは!

本日の北ドイツは晴れ太陽ですが、気温は相変わらず低めの16℃。でも、日差しがあるので大きなガラス窓のリビングなどはちょっと暑いぐらいです。寒いのか暑いのかよくわからないですねアセアセ

 

さて、このところよく報道されている秋篠宮家のご長男の進路問題。現在の皇室については色々と他にも問題視されていることも多く、そうした文脈でこの進路問題も語られますが、私はそこまで諸々のことについて詳しくないですのでシンプルな視点から少し書いてみたいと思います。そもそも問題となっているご本人については謎な部分が多すぎて「事実」として判断する材料が多くないのですが、実際にトンボが大好きでトンボの研究をしてみたいという強い熱意を持っていること前提でお話を進めていこうと思います。

 

私自身、(曲がりなりにも😅)博士学位を取得しており研究生活や学会活動、学術書の出版などとそう遠くないところに身を置いていた経験から、この一連の報道についても一般報道や世論より少し研究者側の視点で観察してきました。まず、これはよく書かれていることですが「なぜ東大でなければならないのか?」という点が引っ掛かります。東大は日本の学術界の最高峰ですし研究環境も素晴らしいと思いますが、専門分野によっては東大よりも素晴らしい(相応しい)環境をもつ大学も他にあると思うのです。それに我々一般人でも大学は東大ではなかったけれど大学院から東大に入る人はいます。専門分野に注力できるのは大学4年間でも後半だけだと思いますし、学士レベルではまだまだ「研究」とまではいかないでしょうから、学士レベルで育んだ興味を大学院(修士、博士)でさらに進めていくというのが普通です。ですからまず学士レベルから「東大ありき」でなくても全然良いと思うんですよ。逆に学士レベルの間に研究対象や興味が変わってしまうこともありえますから、その辺りは柔軟に対応すれば良いのではないかと思うのです。まぁ実際に東大に行こうとされているかどうかも謎なわけですが、世間で騒がれていることが真実なのであれば「別に今東大じゃなくても」と私は思うんです。変な言い方になるかもしれませんが、皇族なのだったら将来の就職を考える必要もないわけですから、好きな分野だけ「聴講」するという形でも良いのでは?とも思います。きっと我々とは違ってお住まいに専門家を呼んで話を聞くということも可能でしょうから、極端な話、大学生になる必要もないかもしれない・・・ 

 

先日、京都で昆虫の学会があってそこにご両親と共にお出ましされたわけですが日帰りだったのが気になりました。本当にトンボをはじめとする昆虫に興味があって研究をしたいと思っているのであれば、国際学会というせっかくの機会を「日帰り参加」するかな?と違和感を覚えました。研究者というのはわかりやすく言えばその分野の「オタク」みたいなものなので、学会ってすごく楽しいものなんですよね。まして海外の研究者と直接話ができる良い機会でもあります。そんな機会をみすみす逃すのはどうしてなのかな?と研究者目線では違和感を覚えました。せっかく来たのだから全日程参加すれば良いのに、と思いました。それこそ普通の学生さんとは違い、学会参加費とか滞在費とかそういう金銭的な苦労もないはずですし、ましてご自分の研究がどのような形であれ発表されるのであれば他者からどのように評価されるかも気になるはずです。それが日帰りだったということで何か「あら?」と思ったのは私だけではないはずです。

 

さて、進学問題に話を戻しますが、研究をしたいと思うことと実際に研究をすることは全く別の次元の話だという点も挙げられるかと思います。正直、研究というのはヒジョーに厳しく大変な活動です。激しい競争もありますしそんなのんびりとしたものではないです。イメージ的には「鶴の恩返し」という話で鶴が自分の羽を抜いて織物を織っていてそれを覗き見られるというシーンがありますが、まさに自分の羽を抜いてそこから成果物を出すという心身ともにとても過酷な作業の連続です。それを日本の最高峰学府である東大で行うとなるとその過酷さもなおさらだと思います。彼のご両親も学位はお持ちのようですが、そうであればなおさら研究者の良い面と同時に大変な面も合わせてご存じなはずで軽々と「東大で研究者になりなさい」とは言えないと思うんですよ。まして将来それで身を立てていく必要がないのであればなおさらです。今のところ皇位継承権もお持ちなのだし、研究よりも大事なことは多々あるはずです。別に大学に行くなとか勉強をするなということではないのですが、躍起になって「東大、東大」ってなっているのは不自然と思えるんですよ。

 

仮に進学されるのが東大ではないにしても、研究者としての活動はそんなに容易いものではないと思いますし、ご本人に強い興味と覚悟がないと絶対に成しえないものだと私は思います。一般人とは違う世界に生まれて好きなことができるお立場なのだから、「研究」ということに縛られずに生きていかれるのが一番ではないのかな、と思うんですけどね。何も学歴だけが全てじゃないですし東大に行かなくても研究は続けられる環境におられるのではないかと思います。ま、そういう意味では今通われている高校を選ばれた理由も分かりかねますが、過去には戻れないのでそれはそれとして。ただ、この一連のことが全て親のコンプレックスみたいなものから来ているのだとしたら、これは親に問題があるように思えます・・・

 

ともあれ、遅からずどうなるのかはわかるかと思いますが、下手に「研究」に手を出すのはオススメしかねるという元研究者の戯言でした。