前回、TEATの臨床研究についてご紹介しました。

今回は、内科疾患に対するTEATの治効メカニズムの1つとして、「体性内臓反射」を紹介します。

 

TEATによる生体反応は、

  1. 刺激局所に起きる反応と
  2. 知覚神経から中枢神経を介し自律神経系、内分泌系、免疫系に起きる反応

の2つに分けられます。

 

整形外科疾患と内科疾患を相対的に比較すると、

整形外科疾患のように病態が体表組織に存在し、鍼による直接刺激が可能な場合には、局所反応が中心です。

 

これに対し、内科疾患においては、鍼による内臓器の直接刺激は不適切であり、TEATの治療効果の根拠は、中枢神経を介する反射の機転においています。
 

まず、体性感覚刺激の受容は皮膚(皮膚分節)、骨格筋(筋節)、関節(骨分節)で行なわれます。
※(ここで、TEATの刺激の質を生理学的にとらえると、非侵害刺激と低周波刺激の混合であると考えらえます。)


次に、(受容された)体性感覚刺激は中枢神経において情報処理されます。

 

つまり、

体性感覚神経に発生したインパルスは感覚情報として大脳皮質に伝達され、その後さまざまに応答するという側面と、神経インパルスが反射の入力として利用されるという側面があります。後者の場合の反射中枢は、脊髄、大脳辺縁系、視床下部です。


次に、反射の出力系としては、自律神経系、ホルモン系、免疫系が考えられます。

 

これらの反射を総称して体性内臓反射と呼びます。
 

その2へ続く https://ameblo.jp/japanesedrhiroki/entry-12671268295.html