1980年代の日本の経済は、米国を席巻していた時代。米国に大量の企業が進出し、不動産や企業を買いあさり、ジャパン アズ ナンバーワンという本が注目されました。
その当時のレーガン政権が日本のパワーの根底にあるものは何かと、研究に研究を重ねた。その結果、若年層の教育に原因があると結論が出されます。
当時の米国の中学高校は暴力と麻薬が蔓延していて、荒れ果てていました。
その理由として、当時の最高裁判所が「生徒規則や学校規則で生徒の自由を束縛してはならない」と決めたことでした。
自由奔放で、やりたい放題で、規律や道徳教育不在では、まともな人物は育ちませんし、学校教育は成り立ちません。
学級崩壊という問題にも悩まされていました。
このままで行ったら米国は崩壊してしまう、とレーガン大統領以下政府高官は真剣に悩みました。
米国を崩壊させてしまう要因は、外国からの侵略ではありません。
米国内部の青少年教育の荒廃によるのです。
いかに強力な軍事力を維持していたとしても、国内の青少年教育が荒廃してしまうと、その国は滅びてしまうのです。
そこで、平成5年(1993年)、日本にある'ある本'をモデルにして英語版の道徳本(The Book of Virtues)を発行。
830ページもある本が、発行部数3000万本という第二に聖書と言われるほどのベストセラーになった。
そのある本とは一体何でしょうか?
「これが修身だ」という本が昭和45年5月(1970年)に小池松次著により出版されました。
内容は、明治37年から昭和20年までの国定小学校修身教科書と、国語教科書の中から現代でも立派に通用する92編を選び出して編集したものになります。
有力な全国紙が、芥川賞作家と直木賞作家の2人を使い、「古い道徳を集めた悪書だ」「保守反動だ」などと大々的に批判されてしまいましたので、売れ行きは散々でした。
しかし、日本のマスメディアに散々叩かれてしまった「これが修身だ」を、なんと米国のレーガン政権下の教育長長官 W.ベネットが注目しました。
東京のアメリカ大使館が、ワシントンのアメリカ国立図書館に「これが修身だ」の本を送付しました。
捨てる神あれば拾う神あり、です。
そして、この「これが修身だ」をモデルとして、教育改革の切り札として、英語版のThe Book of Vertuisを出版。
3、000万部という驚異的なベストセラーになったのです。
それ以来、米国の家庭では道徳教育の副読本として、低学年児童に対して広く普及しています。
今現在の日本の教育現場はどうでしょうか?
教育勅語や修身といった道徳教育をないがしろにしているような国は、いずれ滅びでしまうことでしょう。
(参考図書:「マッカーサーの呪いから目覚めよ日本人」目良浩一等著)