「パンダのエサを食べられる店」
店名:上野動物園食堂
業種:バラエティー
住所:東京都台東区上野公園9-83
営業時間: 9:30~17:00
定休日:月曜日(月曜が祝日の場合は、翌日に休園)
席数:100席以上(野外テーブル含む)


064  


●動物のエサを食べる
 キャットフードやドックフードは、
人間が食べても美味しいといわれている。
ペットフード業界でも、人間が食べて美味しくないものは
動物も美味しくないというのが通説のようだ。
私は子供の頃に、冗談でキャットフードを食べたことがあるが
美味しいとまではいかないまでも、食べれないものではなかった
ちょっとしたバーベキュー味のスナック菓子という感じである。


 そのようなペットフードの事情を知っていたので、
上野動物園の食堂にて
パンダやゴリラのエサを
食べることができる
と知っても、さほど驚きはなかった。
しかし動物のエサを人間の食事として提供するという食堂である以上、
『世にも微妙なグルメガイド』で紹介せねばなるまい。
まあ、精神的ショックを受けることになったのだが……。


066  


●そのまんまじゃん!!
 上野動物園食堂はその名の通り、上野動物園の中に建っている。
よって、600円を払って入場券を購入し、入園しなくてはならない。
つまり、
680円のパンダかゆセットを食べるためには
1280円必要
ということになる。それだけの金額を出してまで
エサを食べたいというエサマニアじゃない限り、
払うのがキツイ金額である。


「上野動物園に行く機会があったら、ついでに食べておこうか」程度の
気持ちで試食してみるのがベストだ。まあ私の場合は
エサを食べるついでに上野動物園でも見学するか」なのだが……。


 エサを食べに行くにあたって、ひとつ注意点がある。
食堂の在庫がなくなっている場合があり、
せっかく入園しても食べれない場合があるのだ。
そんなことがないように、チケット売り場で案内係の人に
在庫があるかどうか調べてもらうことができる。
600円を支払って入園したはいいが、
エサが食べれないのでは入園した意味がないしね(?)。


067  


●非常に著しく危険
 上野動物園の中心付近に、エサを食べることができる食堂がある。
他にもいくつか食堂はあるのだが、
中心にある食堂でしか食べることができないので注意が必要だ。
食堂に到着した私は、さっそくパンダかゆセットを注文。
店員の目が厳しい……。子供が注文するのならいいが、
大人の男が一人で現れてパンダのエサを食うのだから、
そりゃあ変に思われても仕方がない。


 冷たい視線に絶えきれず、私はパンダかゆセットを持って、
野外テーブルに移動。



セットの内容は、リンリン用おかゆとシュアンシュアン用おかゆ、
パンダ団子、熊笹エキス入り抹茶ゼリー、
ニンジン&リンゴピューレの5点
だ。


 見た目は精進料理のようで、
「これを毎日食べていたら健康に過ごせるナァ」と思ってしまうほどに
シンプル。それぞれのエサの感想は次の通りだ。


<パンダ団子>
 モッサリとしていて、口の中でベタつく。
決して美味しいものではないが、これでも人間向けに
アレンジされたエサだという。パンダは朝夕1個づつ食べている
団子らしいが、私は一生に1個だけ食べれれば十分だ
 レシピは、とうもろこし粉200g、脱脂大豆粉100g、きび砂糖15g、
パンダミルク50g、水200cc弱。パ、パンダミルクっていったい……。


<熊笹エキス入り抹茶ゼリー>
 本来はパンダに食べさせていないエサだが、
このセットのためだけに作られたゼリーである。
まずくはないが、決して美味しいものではない。
子供が好きな味ではなく、年配者向けの味といえばわかるだろうか。
ヨウカンに似た食感が好きな人であれば、
美味しく食べることができるかもしれない。
このゼリーを食べることによって、疲労回復や不眠症、口臭予防、
そして高血圧に良い効果があるというが、私はもういらない


<ニンジン&リンゴピューレ>
 シュアンシュアン用のおかゆに入れて食べるためのオプション料理だ。
試しにおかゆには入れず、このままで食べてみたが、
とても美味しかった。自然に近い味なので、
余計な味付けがされていないのが特徴だ。


<リンリン用おかゆ>
 最悪である。非常に言いたくない表現方法だが、
まるで食感がゲロなのだ。トロトロッとしていて粘りがあり、
ニオイがとてもミルク臭い。吐きたてのゲロなのである。
飲みこむごとに、まるでタンを飲み込んでいるかのごとく、
気持ち悪さが込み上げてくるのだ。
食べずにそのままカウンターに返そうと思ったが、
何ともいえない敗北感を感じてしまい、
「負けるわけにはいかない」と意味不明の感情に押され、
完食をしてしまった……。
こういう料理は、もう勘弁してほしい
 レシピは、馬肉スープ250g、パンダミルク50g、麦ご飯1合、
きび砂糖30g、塩1g、整腸剤。
パンダ団子に引き続き、またもやパンダミルクが……
コイツが諸悪の根源なのではなかろうか。


<シュアンシュアン用おかゆ>
 エサとはいえ、普通に食べれるおかゆの味だ。
リンリン用おかゆよりも5億倍は美味しい
材料にミルクを使用していないからだろうか、とてもあっさりしている。
このパンダかゆセットの中で、一番まともな料理だろう。
 パンダかゆセットの説明書きによれば、
このシュアンシュアン用おかゆに、ニンジン&リンゴピューレを入れると
美味しいらしい。私はさっそく入れてみたのだが……、
信じられないことに、最悪の味に大変身。この世のものとは思えない、
口にするのもツライ、涙が自然と流れ落ちる味になってしまった。
説明書きには混ぜろと書いてあるが、決して混ぜてはいけない
漂白剤と洗濯洗剤を混ぜて使うとダメなのと同じくらい、
この二つも混ぜてはダメだ。死んでしまうかもしれない。
気をつけろ……。
 レシピは、米250g、ニンジン300g、芯のないリンゴ4個、
鶏か牛のスープ鍋1杯、ビタミン剤。
どんなビタミン剤が入っているかは不明である。


065  


●ゴリラっていうかそのまま!!
 パンダのエサの次は、ゴリラのエサに挑戦をすることにした。
精神的なショックを受けた後だけに、
今度は廃人になってしまうのではないかと、心底不安である。
パンダかゆセットに引き続き、大人の男一人がゴリラの食事を注文。
店員の私に向ける視線は、まさに変人扱いである。
もういい。生きて帰れればそれでいい



 偏見の目に耐えつつ、ゴリラの食事を受け取り、
その内容を見て私の頭の中は真っ白になった。
バナナに煮干しに落花生に……って、そのまんまじゃん!! 
料理というより、普通に商店で売っているモノを
集めて出しているだけじゃん!! これは本当にゴリラの食事なのか!?
 いろいろな釈然としない気持ちはあったが、バナナを剥いて食べ、
煮干と落花生をポリポリ噛み、上野動物園を後にした。


あぁ、パンダかゆセットよりハードなモノじゃなくて良かった……


●おすすめメニュー
パンダかゆセット 680円
パンダミルクをふんだんに使って調理された料理。
ハッキリ言って、凄まじくカルチャーショックを受ける。


ゴリラの食事 680円
エサというよりも、果物や煮干がそのまま手渡されるだけ。
ちょっとガッカリ。


パンダ団子 250円
モッサリとした食感が好きな人にオススメ。
味や食感は、キビ団子に近いものがある。


メキシカンサボテンカレー 680円
なぜ上野動物園にあるメニューなのか理解できないが、
食用サボテン入りのマトモなカレーである。


みそ汁 100円
まったくもって普通の味噌汁だが、
パンダかゆセットの後に飲むと幸せを感じる。





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[NASA開発の神秘水を使用したラーメン]
店名:海新山

業種:古代中国料理
住所:東京都目黒区五本木2‐53‐8
営業時間: 12:00~15:00/18:30~22:00
定休日:水曜
席数:13席(カウンター3席、テーブル10席)





063



 『海新山』は、東急東横線の学芸大学駅と祐天寺駅の
ほぼ中間地点にあり、なかなか行きにくい場所にある。
店舗の入り口がまるでカラオケパブのようで、
入るのに躊躇してしまうのも事実だ。ラーメン屋としてみた場合、
あまり美味しそうには見えない店構えである。

よって、ここに来店するお客さんは、好奇心が旺盛な人か、
怖いもの見たさという人が大半を占めると思われる。
それと、実はこの『海新山』はラーメン屋ではない。
古代中国料理である


筆者  どの料理が人気ありますか?
店主  超コラーゲンラーメンと餃子なんてどうですか?
筆者  ち、超……。それがオススメ料理なんですか?
店主  そうです。餃子はいかがですか?
筆者  今回は普通のコラーゲンラーメンだけでいいかなー。
店主  餃子もどうでしょう?
筆者  まずは普通のコラーゲンラーメンでいいです。
店主  そうですか。餃子もどうでしょう?
筆者  ……じ、じゃあ餃子もください。
店主  あいよ。
筆者  ……(店主、プルプル震えてるけど大丈夫かなー)。





061



●プルプルした物体
 「」という部分と「コラーゲン」という部分が
一体何を示すのか不安にかられながら、店主が調理をするのを
眺めていると、なにやら店主が不気味なプルプルした
ゲル状の物体を持ってきた。


 店主曰く「これがコラーゲン。健康のモト」なのだそうだ。
あまりに不気味な物体なので、むしろコラーゲンを
入れないで欲しいと心から思ったが、コラーゲンラーメンから
コラーゲンを取ったら、ただのラーメンになりかねない。
自分の身を削ってプルプルした物体にチャレンジすることを決めた。


店主  本当は超コラーゲンを注文しないと、プルプルは見せないんだよ。
筆者  あー、そうなんですか。それはなぜですか?
店主  次にまた来店したくなるでしょ? 今回見れなかったら。
筆者  あははは……。





062



●NASAが開発した神秘の水を使用!!
 ラーメンはもとより、お冷まですべてがNASAで開発された
水を使用している。明確に説明すれば、NASAが開発した
浄水システムを採用している浄水器で水道水を濾過し、
その水をスープやお冷に利用している。
 つまり、もともとは水道水なわけで、ミネラルや水の硬度は
水道水と同じということだ。ミネラルウォーターや湧き水を
利用しているラーメン屋とは別と考えておいたほうがよいだろう。


 ちなみに、「古代中国料理なのにどうしてアメリカNASAの水?
という店主への突っ込みは暗黙の了解で禁句とされている。
しかし正直なところ、
水道水とNASAの水の味の違いがわからなかった
もしかして私は味盲なのだろうか!?






060



●医者いらずの健康素材を使用!!
 店主によると、『海新山』のラーメンは健康の源なのだという。
いつも食べていれば、医者いらずで生活できるらしい。
店主自身も、一度も医者に行ったことがないという。
健康過ぎて、年が寄ってからも歯医者にも
目医者にも行かないらしい。


 しかし、店主に歯がないことは禁句である。
一度も医者に行かないというのは、病気になっても病院に行かず、
気合と根性で痛みを乗り切ったという感じもしなくもないが、
禁句なので突っ込めない。


●そこらで買ってきた麺を使用!!
 さっそくコラーゲンラーメンを食べてみた。
スープが酸っぱい!! なんじゃこりゃあああああ!! でもまあ、
慣れてくれば、そんなに悪くはないかな……。
 麺は……、普通としかいいようのない味だった。
コシもさほどなく、なんとなくこのスープには合ってない気がした。
それもそのはず、その原因は次の店主の発言で理解することができた。


今日は麺がなかったからそこらで買ってきたんだ


 ……って、そこら辺で買ってきた麺を使ってたのか!!
しかも麺がなかったって、ここラーメン屋なのに!!
プロのラーメン屋であれば、納得のいくスープ、麺、
具材が揃っていなければ、納得のいくラーメンを作ることは
できないはず。「そこらへんの麺」ってそんなのアリなのかーッ!?
「そこら」が「どこら」なのか聞くのが怖かったので、
それ以上は聞かなかった。


 まあ、結論から言えば、ラーメン美味しくはある。

また、超コラーゲンラーメンを食べてからというもの、
肌がツヤツヤしてきた気がする
気のせいかもしれないが、健康ではある。
不気味さはあるものの、渡辺満理奈も常連の店らしいし、
一度は訪れたい店であることは間違いない。


追伸
 後日、色々とインターネットなどでこの店を調べたところ、
私のほかにも「そこらで買ってきた麺」を使用されて
嘆いている人がいた。……いいのか?




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[ブチ込むだけブチ込んだカレー]
店名:まんてん

業種:カレー
住所:東京都千代田区神田神保町1-54
営業時間: 11:00~20:00
定休日:日曜・祝日
席数:約13~15席(カウンターのみ)




041  


●でかけりゃいい

とにかくデカけりゃいいっていう理論は、
はるか昔からあるもの。
しかし童話『したきりすずめ』で
欲張って大きな箱を選んだおじいさんは
悲惨なめに遭ってしまった。


飲食店もしかり、
安くて美味しくてボリュームもあるというお店は少ない。
安くてボリュームはあるがまずい店は星の数ほどある。


しかし、安くて美味しくてボリュームもある
すばらしいカレー屋が、出版社がひしめく神保町の飲食店街にあるという。
その店名は『まんてん』。
B級グルメファンの間で、知らない人はいないというくらい
ごく一部に有名な店
だという。


043  



情報によると普通の並サイズのカレーが400円で、
大盛りが450円、ジャンボカレーが500円だという。
なるほど。チェーン店でもないのに
大盛りやジャンボが500円以内というのは安い。
しかし、メニューにも載っていない最強のカレーがあるらしい。
その名も、全部乗せカレー


……なるほど、何かが全部乗ってるカレーなのですね。
ということでさっそく行ってみた。


お店は、白山通り沿いにある路地を曲がったところにあるが、
黄色い看板が目立っていたのですぐにわかった。


お店の前には、ガラスケースにレプリカのカレーが
ディスプレイとして入っていた。
ふむふむ、ちゃんとしたカレーじゃないか。
難クセつけるつもりはないが、
別に大盛りもたいした量じゃない。


055  



こういうディスプレイとなっているレプリカは、
実際の料理よりもボリュームを増して表現していることが多い。
……ちょっと『世にも微妙なグルメガイド』に
紹介するお店としては、ちょっと期待はずれか?


 とりあえず、店内に入ってみると、
カウンター席は9割ほど埋まり、
サラリーマンでごったがえしていた。
って、今もう夜の8時ですよ!?
ランチタイムでもないのになんでこんなにサラリーマンが!!


そんな疑問を持ちつつ席に座ると、
スプーンとお冷、そしてなんか小さな小さなカップに茶褐色の
水が入ったものをテーブルに出された。


047  



ニオイをかいでみると……
……コ、コーヒーか!?
確かにそれはコーヒーだった。
まるでエスプレッソコーヒーのように小さなカップに
まったくもってアメリカンっぽいコーヒーが入っている
サ、サービスなのかな……。


 そんなことに気をとられていると、
店主が注文を聞いてきた。
しかし、店内のメニューには、やはり全部乗せカレーはない。
だが、あるはずなのだ!! ということで注文してみた。


筆者 全部乗せってありますか?
店主 あるよ。全部ね。
筆者 あ、はい全部でお願いします。
店主 あいよ。
筆者 あのー。全部乗せのさらにご飯大盛りってありますか?
店主 いいけど……
筆者 おいくらくらい金額の上乗せになりますか?
店主 大盛りにしても値段同じだけどいいかな?
筆者 えっ!? あ、はい……い、いいです。


 ど、どういうことだ!?
大盛りにしても値段が変わらないなら
「さらに大盛りでも値段はそのままだよ」と言えばいいはずなのに
「値段同じだけどいいですか?」と私に聞いてくるのはなぜ!?
き、聞き違いだといいのだが……。


051  

↑なぜか応援団風の男性の写真がメニューの横に……



 注文したとたん、周囲のサラリーマンたちが
「ククククク……」と、うつむいて笑ったりしてる!!
なんで!? 
なんか頼んじゃいけないよーなモンを注文しちまったか!?
……しかしここは挑まなくてはならない!!


050  



 調理をずっと観察したところ、『まんてん』の
「調理」といえる調理方法はたったひとつしかないようだ。
トッピングはいろいろあれど、
シュウマイカレーのシュウマイを蒸すこともなく
ウインナーカレーのウインナーを焼くこともなく



全部、油鍋にブチ込んで調理完了!!




あとは保温してある鍋に入ったカレールーをかけるだけ。
コロッケやトンカツを揚げるのは当たり前だが
ここ『まんてん』ではウインナーもシュウマイも揚げるのである。
しかも、シュウマイには衣をつけて揚げるが
ウインナーはそのまま素揚げである……。


048  



 で、ひとつすごい調理法を目撃してしまった。
カツカレー用のトンカツを揚げ終わり、
まな板の上で食べやすいように切断するのだが、
まだ生の部分があったようで、赤身がまだ残っていた。
そこで店主、どうするのかと思って観察していると、
その切断したトンカツをもう一度油鍋にブチ込んだ
……ワ、ワイルドすぎる。


しかし不思議な事に、とても美味しそうなのだッ!!
こんなにもワイルドな調理法にもかかわらず、
すっごく食欲をそそられる!!
匂いといい、見た目といい、すっごく美味しそう!!


054  



……いや、やっぱり見た目は……人によっては……だね。



053  



大男がカンシャクを起こして
暴れながら「どうにでもなれこの野郎!!」ってな感じで
ご飯にカレールーとトッピングをブチ込んだ感じだ


052  



その全部乗せカレーの内容は以下のとおり。


ご飯:ジャンボサイズ(大盛りのさらにワンランク上)のさらに大盛り
カレールー:ご飯と具にダブルがけ
コロッケ:じゃがいもコロッケ2枚
カツ:中サイズのそこそこぶ厚いトンカツ1枚
シュウマイ:衣のついた大きめの肉シュウマイ3個
ウインナー:小学生のお弁当に入っているような赤いウインナー3本


 っていうか、これ全部食べるの無理じゃない?


 しかし、そのお味は……美味しいッ!!
その味はお世辞にも高級感あるものとはいえない。
しかし、庶民的なその味は、むしろ有名店のカレーよりも
感動を与えてくれた。
なんだかなつかしいものを感じる。


……給食のカレーというか。


 なんとか頑張って完全に食べきったときには、
すでに入店から40分が経過していた……。
すみません、ホント、閉店時間過ぎてるのに。
しかもこれだけ食べて950円って安い
い、いい経験しました。


筆者 ごちそうさまですー。
店主 
も、申し訳ない!!
筆者 えっ!?
店主 950円になります。申し訳ない……
筆者 あ、はい。じゃあ1000円札で。
店主 というと50円ね。申し訳ない……申し訳ないです
筆者 ……!? またきますねー。
店主 申し訳ない!! ありがとうございました。申し訳ない
筆者 !?!?


 なぜ謝るのかと思っていたら、
それが店主の感謝の気持ちのようだ。
「いつもありがとう」「いつもご贔屓にありがとう」
という意味なのだろう。
……多分


057  

↑オマケで応援団の写真……まさか店主!?



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[殺すつもりで辛くしているカレー]
店名:大沢食堂

業種:カレー
住所:東京都文京区本駒込2-1-5
営業時間: 11:00~14:00/18:00~23:00
定休日:日曜・祝日
席数:19席(カウンター5席、テーブル席14)


皆さんにここの極辛カレーを試して欲しくて
今日はこの店を紹介しています!




039  



●極辛カレーライスを食べてください
 とにかく辛いカレーを食べたいというのならモチのロン、
『大沢食堂』をイチオシする。ここのカレーは、
日本のどこのカレー屋よりも辛い
それどころか、インドのカレーも敵わない辛さを体験できる
つまりここは世界最強の辛さを体験できるカレー屋なのだ。
日本中のカレー屋、インド中のカレー屋で様々なカレーを
体験してきた私がそう思うのだから、あながち間違いではないと自負する。


しかし、人によっては最強ではなく、最凶になるかもしれない。
色々と問題があるのだ……。まあ、ここで極辛カレーを食べずして、
カレー通を名乗るのは1000年早いといえるだろう。
カレー通にとって体験しておく価値はあるので、
ブログを読んで行きたいと思ったのなら、是非行って頂きたい。
翌日のトイレ事情に不安がなければだが


 『大沢食堂』に辛さを求めて来店したのであれば、
極辛カレーライスを食べないわけにいくまい。
語弊を覚悟して大変失礼な表現をさせてもらうと、
美味しさを求めて行くのであれば、他店のカレー屋に行くべきである。
カレールーの濃厚な風味、肉から染み出たコクのある味わい、
それらを『大沢食堂』の極辛カレーライスで求めてはいけない。
極辛カレーライスを、腹を満たすためや風味を
楽しむために食べるのは大間違いである


 ここ『大沢食堂』は、キックボクシング全日本バンタム級

初代王者の大沢昇氏が店主をしている、
ある意味最強のカレー屋だ。
店主は大変気さくなものの、奥に秘める恐ろしさ……
いや、強さを感じるので、どんなに辛くて食べれなくても、
残すわけにはいかない。
まだ食べる前からそのような恐怖感に駆られる。
店主から無言の圧力が醸し出されているのだ。
「ゴゴゴゴゴゴ……」という擬音が聞こえてくる勢いである。


 つまり、私が言いたいことはただひとつ。
あなたが『大沢食堂』に入るとき、
「極辛カレーライスを食べる」という考えではなく、
「極辛カレーライスに挑戦する」という気持ちで
入って頂きたいということだ。
そうでなければ、あらゆる意味でノックアウトを食らうのはあなた。
辛くても逃げ場なし。覚悟を決めてほしい


●とりあえず騙される
 『大沢食堂』には、とても常連客が多い。
極辛カレーライスの辛さの虜になった人達だ。
彼らならば、容易に極辛カレーライスを注文することができるだろう。
しかしあなたが初めての来店であったり、
まだ店主や店員に顔を覚えられていない状態の場合、
最初から極辛カレーライスを食べることは難しい
これは、完食できないという意味ではない。
いくらお願いしても、極辛カレーライスを注文させてくれないのだ。


筆者  極辛カレーライスひとつお願いします。
店員  え、辛いですよ。
筆者  辛くていいですよ。
店員  でも、本当に辛いですよ。
筆者  辛いの好きなんです。極辛カレーライスでお願いします。
店員  お客さん、本当に大丈夫?
筆者  いや、大丈夫です。
店員  ホントに辛いよ!!
筆者  ……。


 ……といった感じである。つまり店としても、
極辛カレーライスの辛さを知らないヒヨッコに最初から
極辛カレーライスを食べさせたくない
のである。
それは店としての良心か、はたまた「お前に食べれるはずがない!!」
という気持ちなのかわからない。とにかく食べさせたがらないのである。


 ほとんどの一見さんは、店員の「やめといたほうがいいよ」攻撃で
大辛や中辛にレベルを引き下げて注文するのだが、
何度も引き下がらずに極辛カレーライスを食べたいという意思を伝えると、
なんとか注文を受け付けてくれる場合がある。
そんな場合でも「ラッキー♪」と思うのはまだ早い
本当の極辛カレーライスが出ない場合が多いからだ。
多分、本当の極辛カレーライスは食べれないだろうという気持ちから、
辛さを抑えた極辛カレーライスを作るのだろう。
なので、いくら注文できても本物の極辛カレーライスである保障はない


 しかし、私の知人によれば、
コワモテの連中を集めて店員に「空手部なんです」と言って注文をすると、
最初から本物の極辛カレーライスを出してくれるらしい

格闘家ならば極辛カレーライスの辛さに耐えれると
店主が判断するからだろうか。



040  



●暴力的な辛さ
 辛いカレーは、一緒に飲むドリンクの種類によって、
その辛さの度合いを変化させる。
まず、いちばん一般的なのは水(お冷)だ。
とりあえず舌を癒すのに無難なドリンクであろう。
特に良いのは濃いラッシーだろう。甘めのヨーグルトドリンクが、
舌が感じている辛さを拭ってくれるのだ。
辛さを消す力は科学的にも証明されている。
辛いカレーには乳飲料が最適なのだ。




 では、辛いカレーと相性の悪いドリンクとは何だろうか? 
私の経験による自論でしかないが、コーヒーやコンソメスープ、
コーラは、舌の感じている辛さを何倍にも増す。
しかし私が最もカレーと最悪の組み合わせと考える飲み物は……


味噌汁である。


 アツアツの味噌汁ほど、舌で感じている辛味を倍増させるものはない。
牛丼チェーンの松屋は、カレーに味噌汁が無料でつく。
無料だからこそ飲むが(もちろん美味しいから飲むが)、味噌汁はカレーに絶対に合わない
味噌汁は辛さを倍増させるだけでなく、舌の感覚を麻痺させてしまうため、
料理の味を堪能することができなくなってしまうからだ。


 まあ、私が言いたいことは、もうおわかりだろう。
『大沢食堂』はカレーライスに熱い味噌汁がついてくる……。
極辛カレーライスの辛さで舌がダメージを受け、
その辛さから逃れるために味噌汁を口に含んだが最後、
信じられない辛さが舌と喉を襲う。どんなに辛くともお冷で舌を癒し、
味噌汁は最後に落ち着いてから飲むのがいちばん良い。
それが極辛カレーライスからの逃走経路だ。


 最初に味噌汁を飲み干すという手もあるが、
なかなかカレーに手をつけないあなたを、店員の注目が襲うので覚悟を。
まあ、
キックボクシング全日本バンタム級初代王者の
大沢昇氏があなたをいちばん熱く睨んでいるわけだが
……。


●食べ残しは……
 極辛カレーライスは、辛ければ辛いほどオレンジ色をしている。
その色、本物の極辛カレーライスかどうか判断するというのも手だ。
しかし、見た目はオーソドックスなカレーライスと変わった点はない。
美味しそうな香りが漂ってくる。


 さて、極辛カレーライスの辛さは……


ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ぢっ、ぢぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ど、どどどどどどどどんな文章で表現したらよいだろうか!?
目薬と間違えてタバスコを眼球にさした痛みに近いかもしれない。
もしくは、麻酔なしで虫歯の治療をドリルする感じだろうか!?!?!?!?!?!?!?!?
とにかく、すさまじく刺激的である!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
まさしく、インド人もショック死である!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 しかし、どんなに辛くても残してはいけない。
店主は、キックボクシング全日本バンタム級初代王者の大沢昇氏である。
残してからどうなっても、私は関知しないない。


 筆者は『大沢食堂』の中辛カレーライスも頂いたことがある。
有名なだけでたいして深みのないカレー屋が
多数ある中、素材の風味が活きた、味わい深いのカレーだと感じた。
確かに『大沢食堂』のウリは極辛カレーライスだが、
中辛カレーライスも堪能するに値する味であると保障しよう。
まあ、
いちばんのウリはキックボクシング全日本バンタム級
初代王者(しつこい?)の大沢昇氏の無言の恐怖感だろうが
……。



え? それでこのカレー、全部食べれたのかって?

食べましたよ。「もう、10万円払ってでもここから逃げ出したい」と思いました。

カッコつけて楽勝ムードで注文したからには、

食べないで残して帰ることほど、カッコ悪い事はありません

でも、帰り道、フラフラして何度も何度も倒れそうになりました。

多分、もう食べない……というより食べれない



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「生クリームたっぷりもんじゃ」の店
店名:ムーの子孫

業種:もんじゃ焼き・お好み焼き
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-10 第85東京ビルB2
営業時間: 11:30~23:00
定休日:無休
席数:140席(テーブル140席)


035  


■もう勘弁してください
 微妙なレストランがあるという噂を耳にするたび、
即行動で徹底調査をしている私だが、
なかなか一人では入りにくいお店というのも存在する。
例えば焼肉屋や喫茶店がそうだ。


 焼肉屋は、一般的にカップルや家族、友達同士で
行くものという固定観念ができてしまっているため、
一人で焼肉屋に行くと、店員から冷たい視線が向けられるだけでなく、
周囲の人にも「寂しい人」というレッテルを貼られてしまいかねない。
 喫茶店の場合は、変なパフェを調査するときが恥ずかしい。
チョコレートパフェを大人の男が一人で食べるのを想像してみてほしい
……泣けてくるものがある(ファミレスだってツライ)。
運が悪く、隣の席のチビッ子に
ママ~、あの人のパフェと同じの食べたいよ~!!」なんて言われたら、
恥ずかしさ爆発である。
まあ、何度もそういう経験をしてきたので、
今は少しだけ開き直ってはいるが、それでもまだ躊躇はする。


 そんなとき、仲の良い友達にお願いをして、
一緒に微妙なレストランについて来てもらうことがある。
今回ご紹介する『ムーの子孫』は、もんじゃ焼き屋なのだが、
焼肉屋と同じくらい一人では入りにくい業種の店だ。
なので友達に電話をして、さっそく一緒に行って
もらうためのお願いをすることにした。


友達  はい、○○です。
筆者  あー、おれだけど。
友達  何?
筆者  微妙なレストランに行きたいんだけどさ、明日あたりどう?
友達  ……何の店?
筆者  もんじゃ焼き。お好み焼きもあるみたいだけど。
友達  どんな部分が微妙なの?
筆者  生クリームと苺のもんじゃ焼きらしいんだけど、これが激……。
友達  もう勘弁してください。ガチャ。
筆者  えっ!! あっ!? ……切った
(実話です)


036  


■時間無制限の食べ放題
 ということで、今回は一人で、
普通じゃないもんじゃ焼きを食べる為に『ムーの子孫』へと向かった。
JR吉祥寺駅から伊勢丹方面へ歩いて約5分、
ビルの地下2階に『ムーの子孫』がある。
店内は地下というイメージをまったく感じさせないくらい広く、
とても清潔感ある内装になっている。


 店内には女子高生やカップルなど、
10代後半の客層が多いように感じた。
それもそのはず、とても低価格で、ボリューム満点の食べ応えなのだ。
たった1490円で、もんじゃ焼きとお好み焼きが食べ放題になるのだから、
お得感はバツグンである。



しかも、時間制限はナシ!! 1490円さえあれば、
いくらでも自分のペースで食べまくれるというシステムである。
普通は90分や2時間などの時間制限があって当たり前なのだが、
ソレがないというのは凄いとしか言いようがない。


 ちなみに、ランチタイムは500円で2種類のもんじゃ焼きを
食べることができるという。
これも学生には嬉しいプライスだ。


037  


■そのままで食べたい
 私は無類のお好み焼きマニアである。
もちろん、もんじゃ焼きだって大好きだ。
つまり私にとって、『ムーの子孫』は天国のような店なのだが、
今回ばかりはちょっと心が萎えている。なぜならば、
生クリームたっぷりの苺ミルクもんじゃを食べなくてはならないからだ。
しかも、
周囲はカップルや女子高生集団ばかりだというのに、
私は男一人である……。


味覚的ショックと精神的ショックのダブルパンチに耐えられるだろうか?
 メニューを見てみると、食べ放題の他にも、
豊富な単品もんじゃがあった。

しかし、単品より食べ放題がお得。



きっとこの店は、食べ放題を頼むのが前提のような店なのではないだろうか?
 勝手にそう思った私は、食べ放題を注文した。
苺ミルクもんじゃとバナナもんじゃを試した後に、
普通のオーソドックスなもんじゃを食べようと思ったからである。
 注文後、3分ほどで苺ミルクもんじゃが登場
それを目の前に出された瞬間、顔面蒼白。
こ、このまま食ったほうが美味しいんじゃないの?」というくらいに、
見た目がフルーツパフェなのだ(写真参照)。
 試しにもんじゃ焼きのヘラでクリームを食べてみると、
とても美味しくて甘い生クリームだった。
マ、マジでこのまま食べたい……


038  


■あ、頭が……
 このもんじゃと一緒に店員が持ってきたのが、シロップである
焼いたもんじゃにシロップをかけて、もっと甘く味付けをするためだ。
こんなに甘いのを焼いて食えるかー!! 
 ……と思ったが、よく考えてみると、甘いものを焼いた食べ物は、
日本に古くからあるのではないだろうか? 




例えば、タイ焼きや大判焼きなどは、
甘いあんこが入っている生地を焼いたものだ。
まんじゅうだって、あんこが入った生地を蒸したものだ。
東南アジアでも、バナナを焼いて食べたりしている。
なんだ、生クリームだって焼いたっていいじゃん



きっと美味しいさ♪ さっそく焼いてみよう!!



 私は生クリームをイッキに鉄板へとブチ込んだ。
勢いよく生クリームが沸騰し、その湯気からは、
とてつもなく甘い香りが漂ってくる
。あぁ、なんて香ばしいんだろう♪ 
この苺ミルクもんじゃには小麦粉の生地がないかわりに、
コーンフレークがたっぷりと入っている
それが焼ける匂いが食欲をそそらせる。


 もう食べていいかな? 私はヘラで生クリームをよそって
口に含んでみた。



……お、美味しい!! すごく甘いけど美味しい!! 




これはハマる!! ちょっとしたカルチャーショックを受けた私は、
ものの5分ほどで全部食べてしまった。足りない足りない!! 
私は次にバナナもんじゃを注文、これもまたペロリと食べてしまった。
調子に乗った私は、ぜんざいもんじゃも注文。
これがヤバかった……。ぜんざいもんじゃが、
まずかったというわけではない。普通、デザート系のもんじゃは、
連続で3つも食べていいものではなかったのだ


 エサをあげたらエサがなくなるまで食べ続ける金魚のように、
私はバカみたいにデザートもんじゃを食べた結果、頭痛がしてきたのだ。
あ、頭が……痛い。甘い甘いパフェを3つも食べたのと同じなのだから、
当たり前である。


 結局、デザートもんじゃ以外のもんじゃを食べることなく、
私は帰路についた……。もし『ムーの子孫』に行くことがあれば、
デザート系のもんじゃは2つまでにしておいたほうが得策だ。
それも、最初と最後に1つずつ注文するというのが、
他のもんじゃを美味しく堪能する上でも
利口な注文の仕方といえるだろう。


●おすすめメニュー
苺ミルクもんじゃ 787円

バナナもんじゃ 787円

りんごとクルミもんじゃ 787円

ぜんざいもんじゃ 787円

パンプキンもんじゃ 787円



■人気ブログランキング
『世にも微妙なグルメガイド』
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[カレープリンもあるよ]
店名:カフェ・ド・ラ・シテ
業種:喫茶店
住所:渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 新宿タカシマヤ地下1階
営業時間: 10:00~20:00
定休日:水曜(休まない日もある)
席数:8席(カウンター8席)


●またにはいいよね?
 このブログを楽しみにしてくださっている方々からすれば、
マトモなグルメなんて求めていないと思うのですが、
いくら『微妙なグルメガイド』とはいえ、
もっと実用的であるべき
だと思ったんです。
だって、お店の情報だって載せているわけですし、
読んでくださった方が「行ってみたい!!」と
思ってくれると嬉しいですしネ。


 と、いうことで今回は、数十店ある私の『微妙なグルメガイド』
コレクションの中から、OLさんや主婦、
そして学生さんが、お昼にランチで行けるような、
特に女性が行きやすいオシャレな店を選びました


 このブログにしてはかなりマトモなほうで恐縮なのですが、
コーヒーカレーとカレープリンを食べられる
喫茶店を紹介します。


 え? そんなゲテモノ屋に行けないって? 何を言ってるんですか。
この喫茶店は、あの新宿高島屋のデパ地下にあるんですよ!!



032  

▲コーヒーカレー



●カレープリン!?
 新宿高島屋のデパ地下にある『カフェ・ド・ラ・シテ』は、
そんなに大きな店舗とはいえない。カウンター席のみで、
落ち着いて食事はできるものの、団体で食べに行くような
場所ではない。デパ地下は本来、食料品の買い物を
メインとしているわけだから、イート・イン・スペースは
あくまでオマケ的存在に近いという印象がある。


 カウンター席に座ると、上品な女性店員が接客をしてくれた。
きっとここの店主なのだろう。私はコーヒーカレーだけを
注文するつもりでいたが、メニューを見ていると、
あまりにも奇抜なデザート名が目に飛び込んできた。


カ、カレープリンである!!


 マ、マジで!? もしかして、これって、
コーヒーカレーよりインパクトがあるんじゃ……。
かなり微妙なデザートであることは間違いない。
ここは注文しないわけにいかないだろう。
私は、コーヒーカレーと共に、カレープリンも注文。
一体、どんな微妙な料理が出てくるのか、胸が高鳴ってきた。



034  

▲カレープリン


●発想の逆転&逆転の発想
 コーヒーカレーが完成し、私の目の前に出された。
……ん!? なんか米が黒いぞ……。も、もしかして米が
コーヒー味なのか!? なんと、その米はコーヒーで
炒められていたのだ!! カレーにコーヒーが
入っているわけではなく、米がコーヒー味だったとは、
まったく予想すらしていなかった。


 その味は……とても美味しいッ!!


 コーヒーの香ばしさと苦味がバッチリ効いていて、
カレーの辛さとマッチしている。
しかも、味がくどくならないように、
カイワレ大根も添えられているので、
飽きることなく食べ続けることができた。




また、ニンニクのチップが入っているので食欲増進!!
乾燥したチップなので、食後にニンニクの
臭いが気にならないのもいい。
いやあ、これはかなり微妙な美味しい料理である。
あまりの美味しさに、3分もしないうちに、
すべてをたいらげてしまった。



033  

▲たまごカレー


●教えてください
 ……なかなかカレープリンが出てこない
は、早く食べたいのになぜだ!! もしかして
注文を忘れているのではないだろうか?
そんな不安を抱いていると、店主が私に話しかけてきた。


店主  カレープリンもう少し待ってくださいね。
筆者  え? まさか今から作るんですか?
店主  違います(笑)。今、カレーをお食べになりましたよね?
筆者  はい。
店主  
カレーのあとにカレープリンを食べても、独特の風味を味わえないのです。
筆者  ほう!!
店主  食べ終わって数分してからお出しします。少し待ってくださいね。
筆者  なるほど。わかりました!!


 確かにその通りだ。スイカのあとに、
スイカアイスを食べるのと同じことかもしれない
(それはちょっと違うか)。


 そんなくだらないことを想像しているうちに、
ついにカレープリンが登場した。
とっても小さくてボリュームはないものの、
器がとても上品な装いである。
 私はスプーンでカップの底のまでプリンをすくい、口の中に運んだ。


……う、う、うまい!! あまりにうますぎて死ぬ!!


 カレーとプリンってこんなに相性が良いものだったのか!!
かつてカレーヨーグルトなるものがあったが、あれは最悪だった
一口食べて、ドブに捨てた記憶があるが、
カレープリンは素晴らしく美味しい!!




 プリン自体にカレールーが練りこんであるだけでなく、
カップの底の部分に、薄いカレールーの膜が張ってあり、
その部分がピリッとしたカレーの刺激を舌に与えるのだ。
甘さと辛さが一つになると、
こんなにも美味しいとは思わなかった!!
美味しさに感動していると、店主が話しかけてきた。


店主  美味しいですか?
筆者  すごく美味しいです!! ビックリですよ!!
店主  ありがとうございます。でも、もっと良くしたいんです。
筆者  まだ開発中という感じですか?
店主  何かアイデアがありましたら教えてください。
筆者  アイデアですか? 納豆を混ぜるとかどうですか?
店主  えっ!? 納豆をどうするの?
筆者  練りこむとか。いや、冗談です……。
店主  
それいいかも。
筆者  えーーーっ!!


 このお店、女性にオススメです。私以外のお客さんは、
全て女性でした。コーヒーカレーとカレープリンを
食べていたのは私だけでしたが!!


●メニュー
コーヒーカレー 610円
たまごカレー 610円
ドライカレー 820円
チキンカレー 820円
コーヒープリン 231円

[猫だらけのラーメン屋]
店名:昭和軒

業種:ラーメン
住所:東京都中野区野方1-53
営業時間: 20:00~4:00
定休日:無休
席数:8席


●恐怖の噂
 高円寺周辺に住んでるラーメンマニアの間で、
とても恐れられているというラーメン屋があるという。
高円寺から徒歩10分ほど歩くと、野方というラーメン激戦区がある。
『野方ホープ軒』や『うまうま』など、
いつも客が絶えないラーメン屋ばかりだ。
そんな野方ラーメン激戦区に、そのラーメン屋『昭和軒』があるという。
『昭和軒』に関しての噂は以下の通りだ。


……『昭和軒』の噂
・複数の猫が店内を徘徊している
・テーブルの下にダンボールの猫ハウスがいくつもある
・店内に巨大な仏壇がある
・店内がちらかり放題である


025


●なかなか開店しない……
 店に到着したのは18時。
ほとんどのラーメン屋が17時ごろから開店しているので、
『昭和軒』もご多分に漏れずその時間から開店していると
予想していたのだが、まだ開店してはいなかった。


店内の電気が消えており、
ドアも鍵かかかっていて開けることができない。
しかし、何か妙な雰囲気を感じ、私は窓ガラスごしに
店内を見てみた。
すると、ロウソクの炎のようなユラユラとした光
見えるではないか……。


な、何なんだこの炎は!! 


真っ暗闇の中にロウソクらしき炎ときたら、
黒魔術か占いしか連想できない。
こ、これは本当にヤバイんじゃないの?」と本気で思っていると、
私に気がついたのか、中から店主らしきお婆さんが
ドアの鍵を開けてこちらを覗いてきた。


筆者 あ、まだやってないのかなと思って……。
店主 20時過ぎからなんですよ。ごめんね。
筆者 わかりました。またきます。
店主 それじゃ……。


 に、20時から!? 後で聞いたところ、
20時から早朝4時まで開店しているという。

なんだ、別に定休日じゃなかったのか。


 仕方なく20時まで高円寺駅前で時間をつぶす。
駅から『昭和軒』までの通り道にある『野方ホープ』や『峰』などの
美味しそうなラーメン屋を見ると
なぜ私は『昭和軒』に行かなくてはならないんだ……
という疑問がわいてきたが、
これも、世にも微妙なグルメを発掘する大切な文化功労の一環だと、
自分を奮い立たせた(そうでもしないとやっていけない)。


 20時5分、再び『昭和軒』に行くが……、まだ開いてないじゃん!! 


ドアには、まだ鍵がかかっていた。
しかし、お婆さんが私に気がつき、
寒いから中に入ってお待ちなさい」と
優しく招き入れてくれた。
なかなか優しいお婆さんだ。


026


●コレを食べてなさい
 店内に入ると、まず目に入ったのは猫である。
ニャンコ達である。ニャンコ天国状態である。
なんと、猫が5匹も店内をウロウロしていた。


どの猫も人間に慣れているせいか、
見ず知らずの私が店内に入ってきても
逃げようとはしない。店内はとても散らかっており、
その散らかりが猫にとって棲み心地の良い環境

なっているように思えた。


027


 そして、客用のテーブルの下には、
ダンボールで作られたネコハウスが数個
ここでニャンコが眠るのだろうか? 
ラーメンをすすっている客の足元で、
5匹のニャンコが寝ている光景を想像してほしい。
なんとも奇妙な光景である。


いったいどうしてこんなに猫がいるのだろうか? 
詳細は後にするとして、
私はとりあえず、一番オーソドックスな
ラーメンを注文することにした。
もしこの味がまずかったら、荒れ放題な上にマズイという、
致命的なヤバいラーメン屋になってしまう。
それを確かめたかったのだ。


028


●店内探索
 ラーメンができるまで、店内を探索してみることにした。
探索とはいえ、店内は6畳ほどの大きさしかない。
写真をご覧いただければ一目瞭然だが、
店内にはありとあらゆる物が散乱している。


 ミニコンポ、ポット、トイレットペーパー、
パックに入った猫のエサ、酒瓶……と、
しりとりができてしまうほど、物だらけである。
まるで自分の部屋のごとく、私物が置いてあるのだ。
珍しいものでは、ダイヤル式の黒電話なども放置してあった。


029


 ストーブが2台置いてあるのも印象的だった。
6畳ほどのスペースとはいえ、厨房まで暖めるとなると、
ストーブ1台ではパワー不足なのだろうか。
 そしてついに私が目にしたのは、仏壇である。


店内には2畳ほどの畳スペースがあり、
そこに仕切りの板があったので、
何だろうと思い覗いてみると、
そこには巨大な仏壇があったのだ


ロウソクには炎がついていなかったが、
外から見えた炎はこの仏壇の炎だったのだ。
 なぜ客の出入りをする店内に仏壇があるのだろうか。
亡くなった旦那さんの仏壇なのだろうか? 


さすがにその点については、おばあさんには聞けなかった。
もし旦那さんの仏壇なのだとすれば、

いつも寂しくないように、お客さんのいる店内に仏壇を置いている

のかもしれないが、私には知る由もない。


030


 開店してから20分が経過したが、
まだ私のほかに客が来店してこない
もしかして、客が来ない日があっても
おかしくない店なのかもしれない。


正直、これだけ雑然とした店内で、
しかも猫だらけということを考えると、
客が敬遠してしまうのはありえる話だ。
 まだ退屈そうにしていた私を見るに見かねたのか、
お婆さんが謎の物を手に持って、
私のテーブルにやってきた


店主 これをお食べ。
筆者 あ、落花生ですか? あと小さなミカン?
店主 ポンカンね。ラーメンができるまでお腹がすいちゃうでしょ。
筆者 ありがとうございます!!
店主 ポンカンはそのままお食べ。
筆者 皮を剥かないでということですか?
店主 そのままお食べなさい
筆者 あー……、そうですか。


 親切心でポンカンを私に差し出してくれた
お婆さんの気持ちは、とても暖かくて嬉しいものだ。
しかし、お婆さんがポンカンを握ってきた手は、
猫のエサや猫をいじくりまわした手ではないのだろうか……。
そう思ってしまう私は酷い人間なのかもしれない。


 しかし、これこそ微妙なグルメ探しゆえの体験
私は、躊躇はしたものの、ポンカンの皮を剥かずにそのまま口に入れた。
本来、ポンカンはそのまま食べるものなんだけど。


筆者 非常に美味しいです!!
店主 あらそう? 良かった。
筆者 とても甘いです!!
店主 そう? じゃあもう一個あげる
筆者 !!
店主 お食べなさい
筆者 ……あ、ありがとうございます!!


※これはポンカンではなくキンカンだったかも。


031


●ラーメンは美味しい!!
 そうこうしているうちに、ラーメンが完成。
メンマやネギなど、いたってシンプルな具材の盛り付けだ。
麺は中太麺といったところか。
スープはとてもあっさりとしていて、まずいどころか、
美味しい部類に入る


 猫と仏壇に囲まれながら、
お婆さんの作った美味しいラーメンを食べたくなったら
迷わず『昭和軒』をオススメする。
確かにヤバい店内なのは確かだ。しかしヤバいが故に、
ここでしか味わえない「コレ本当に大丈夫か!?」
というスリルが存在する。


ラーメン屋にスリルを求めるのは間違いかもしれないが、
『昭和軒』に行けば強制的にスリルを味わえるので、
覚悟して行くべし。


 ちなみに、店の出入り口に一番近い席に座ると、
猫があなたに話しかけてくるときがあるだろう。
それは、「このドアを開けてくれよ」という合図なので、
速やかにドアをあけてやること。無視をしていると、
どんどん猫がガンを飛ばしながら鳴いてくるので注意だ。


●おまけトーク●
筆者 このニャンコ達はどのようないきさつでここに?
店主 この子たち、野良ちゃんだったの。なついてウチで飼っているわけ。
筆者 ああ、そうなんですかー。何歳ぐらいなんですか?
店主 このコは10歳。そしてこのコは9歳かな。このコも10歳ね。
筆者 とても長くこの店で飼われているんですね!!
店主 そうなの。でもブタ小屋よ。汚いし荒れ放題だし……。
筆者 あははは、そんなことないですよ(そんなことあるけど)。
店主 猫好きなの?
筆者 猫は好きですよ。実家でも飼っています。
店主 あらそう。都会だとマンションとかアパートじゃ飼えないものね。
筆者 そうですよねー。『昭和軒』さんには猫が沢山いると聞いて、駆けつけたんです。
店主 ウチにくると猫がいるからね(笑)。いつでも来てちょうだい。ブタ小屋だけど(笑)。
筆者 ありがとうございます!! 何匹いるんですか?
店主 6匹いるの。
筆者 あれ? ここには5匹しかいませんよ。
店主 2階で寝ているんだと思う。真っ黒のクロちゃん。クロネコちゃん♪
筆者 クロネコってかわいいですよね。



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[あんことチョコのとんかつ]
店名:カツ吉

業種:とんかつ
住所:東京都台東区浅草1-21-12
営業時間: 11:30~14:40/17:00~21:00
定休日:木曜
席数:38席(テーブル18席、座敷 約20席)



●無理です
 百聞は一見にしかず。私は実際に
チョコとんかつを注文して店員を観察すると共に、
ブログで取り上げる価値のある料理かどうかをチェックしてみることにした。


024


 平日の18時、私が店内に入るとカップルが1組だけ食事をしていた。
2階もあるらしいが、1回はすべてテーブル席になっており、
私は左奥のテーブル席に腰を下ろした。

この店の店主はシェフ自身なのだろうが、
接客は店を仕切っていると思われる女将がしているようだ。


 店内に掲示されているメニューの他に、お品書きがちゃんとテーブルごとに
用意されている。お品書きを開き、
チョコとんかつがあるかどうか探すと……、あった!! 
チョコとんかつが1850円とは、少々高額な気もするが、
『平兵衛』のとんかつ定食だって2300円はするし、
とんかつという料理にとって、2000円代は適正価格なのかもしれない。



 ん? 待てよ。よく読んでみると、チョコとんかつの横に
「要予約」と書いてあるではないか。
前日までに予約しないと食べれないものなのか?
せっかく浅草まで来たのだ。
なんとかお願いしてチョコとんかつを食べたい。
私は女将を呼び、詳細を聞いてみることにした。



女将 何にしましょう?
筆者 チョコとんかつは、予約しないとダメですか?
女将 はい。予約が必要ですね。
筆者 どうしてもだめですか?
女将 無理です。
筆者 ……どうしても食べたいんですが。
女将 予約しないと絶ッッッ対に無理です!!
筆者 チョコとんかつを食べたかったんですよ。今予約して、明日来ます。
女将 無理です。
筆者 え? 今は予約できませんか?
女将 できますけど、1ヵ月前に言ってもらわないと無理です。
筆者 ええー!? つ、漬け込むんですか? チョコに……。
女将 最良の素材で最良の料理をお出ししたいのです。
筆者 なるほど……。1週間後とかじゃだめですか?
女将 無理です。1ヵ月必要です。




 1ヵ月前から予約しないと食べることができないとんかつって一体……。
漁に出てもなかなか手に入らない、珍しい魚を求めているわけではない。
チョコを豚ロースで包んだとんかつを求めているのである。
漬け込んだりしないのであれば、どこに一ヵ月間を必要としているのだろうか?



筆者 もしかして、ここに書かれている「要予約」のとんかつは全て1ヵ月待ち?
女将 そうですね。1ヵ月間待っていただきます。
筆者 どうしてですか?
女将 ……さきほども申しましたように、最良の素材を準備する必要があるんです。
筆者 準備に時間がかかるわけですか?
女将 そうです。
筆者 ……(弱ったなあ。1ヵ月先まで待てないし)。
女将 何にしましょうか?
筆者 この、あんずとんかつは?
女将 すぐに作れますよ。
筆者 変なとんかつなのにすぐできるんですか?
女将 すぐできます。
筆者 ……じゃあソレで。



 「要予約」のとんかつは、チョコとんかつ、蕎麦とんかつ、
あんことんかつ等の、ちょっと変なとんかつばかり。
その変なとんかつを食べてみたかったのだが、
1ヵ月も待てないので、
仕方なく「要予約」じゃないけど、
あんずとんかつを注文することにした。



●駄目です
 待つこと約15分。あんずとんかつがテーブルに運ばれてきた。
見た目はとんかつというよりも、ハムカツやササミフライなどの、
西洋風フライのような衣をしている。
粒子の細かいパン粉を使用しているからだろう。


 食べやすいように適度な大きさに切られているとんかつの断面を覗いてみると、
スライスされた豚ロースが幾十にも重なっており、
そこにスライスされたあんずが入っていた。


本当に美味いのかな……。


不安がよぎるも、老舗なのだから美味しいはずだと心に言い聞かす。
 あらかじめ豚ロースに味がついているので、ソースはかけないで食べるのが、
『カツ吉』流。すぐにでも未体験料理を食べたい衝動に駆られたが、
私は食べる前に、カメラであんずとんかつを撮影することにした。



すると……。



女将 何してるんですか!?
筆者 あ、記念にとんかつを撮影しようと思って。
女将 駄目です。
筆者 駄目?
女将 あちらにをご覧ください。
筆者 ん?
女将 あの札に書かれている通り、店内では撮影禁止となっております。
筆者 すいませんでした。でも、どうしても記念に撮りたいのですが……。
女将 駄目です。撮影禁止になっております。
筆者 ……わかりました。すいません。



 断固として撮影は許されなかった。失礼ながら、
ちょっとウップンが溜まり始めていた。予約は1ヵ月待ちで、
写真も絶対ダメ……。まあ、私が悪いのだが。



●絶ッッッ対にィィィーーッ!!
 撮影をあきらめた私は、とりあえず食べて味を確かめることにした。
あれだけ威張るのだから、絶対に美味しいはずだ(かなり逆恨み)。


 率直な感想としてあんずとんかつの味を表現するならば、
とてもあっさりしていて美味しかった。これはなかなかできる味ではないだろう。
とても肉の風味があるにもかかわらず、余計な油や汁が垂れてこない。


一般の考えとして、とんかつは肉汁が多いほど
美味しいと思われがちだが、実はそうではない。


 確かに肉のうまみは肉汁が醸し出すものではあるが、
あまりに肉汁が多いと、ギトギトのドロドロとした、
サクサク感の失われたとんかつになってしまうのだ。


『カツ吉』のとんかつは、そういうポイントをちゃんと
クリアしているといえるだろう。濃厚でありながらあっさりとした、
相反する食感を同時に堪能させてくれるのである。
この感動を、ちゃんと女将に伝えなければ!!



筆者 とても美味しいですよ!!
女将 そうですか。ありがとうございます。
筆者 私はグルメには素人ですが、これはなかなか作れない味だとわかりますよ。
女将 当店のとんかつは50種類ありますけど……

他店には絶ッッッッッ対にィィー真似できません!!


筆者 あー、でもこれはなかなか作れないですよね確かに。
女将 大手メーカーでも絶ッッッ対にィィィーーー真似できませんから!!
筆者 それってすごいですね。絶対にできませんか?
女将 絶ッッッ対です。当店だけですからこの味は。
筆者 なるほど。
女将 当店の味は、絶対に真似なんてできませんよ。
筆者 最後に少しだけ撮影していいですか?
女将 駄目です。



 この女将の態度は、人によっては不快に感じる場合もあるかもしれない。
しかしそれは、女将のとんかつに対する熱意と自信から出ているプライドであり、
その味を堪能できる客として、『カツ吉』の女将には敬意を表すべきだと私は考える。


確かに、他では味わえない素晴らしい味を提供してくれるのだから。


 後日、知ったところによると、ここのシェフは
素手を油釜に突っ込んで油の温度を調べるという、
凄まじい特技をもっているという。
やはり、普通の店ではなかった……。



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[お客さんもう食べなくていいですよ]
店名:ささもと

業種:居酒屋
住所:東京都新宿区西新宿1-2-7
営業時間: 17:00~23:00
定休日:無休
席数:18席


●女の人は勘弁してください
 とても美味しい居酒屋がある。私が思うに、
ココのもつ煮込みはトップクラスの味だ。
ただの美味しい居酒屋だったらこのブログに載ることはないだろう。
ここに載っているということは、何かしらあるのである。
確かにある。この店に入るには、いくつかの条件と覚悟がいるのだ。

 まず、女性同士は入店不可能である。
OLさん同士、女子大生さん同士、ご婦人同士は、
申し訳ないが入れないのであきらめよう。
理由はいろいろあるらしいが、別に差別や区別ではないので、
怒らないでほしい。お色気でお願いすればいいんじゃないかって?


「女の人はだめなんです。すいませんね(ペコリ)」
と笑顔で言われて門前払いである。


 次に、団体さんも入店は難しいだろう。多くても4人。
6人や7人、ましてや10人なんて絶対に入店お断りになる。
どうしても食べたいとお願いしても、
ホント、勘弁してくださいよ(ペコリ)」で終わり。

 か、勘弁してくれって……。


023  


●女性もダメだし予約も不可!!
 もちろん、予約なんてできないので、
団体はあきらめざるをえない。
 なので、男1人で行くか、男同士2~3人組みで行くか、
もしくはカップルで行くしかない。
そう、女性は男性とのカップルならば入店できるのである。
多分、オカマならば男性とみなされるかもしれない。


●悪いけど帰ってくれないすか?
 晴れて入店できれば、ついに『ささもと』の素晴らしく
ジューシーなモツ煮込みを、堪能することができる。
しかしここで油断してはならない。
モツ煮込みに舌鼓を打つのも、できるだけ短時間で
済ませておくことをおすすめする。
なぜなら、店主はできるだけ早く客に帰ってほしいのだ。


 そう書くと語弊があるかもしれない。
しかし、ダラダラと食べて注文を繰り返していると、

もう勘弁してくれませんかぁ~
悪いけど帰ってくれないすか?

と退店指示が店主から出される。


それでもゴネていると

もう十分食べたでしょう。もういいですよ食べなくて」と、
お客さん、それ以上食うと死にますよ。成人病で

ニコニコした表情で注文禁止指示が出される。


もう食べるなって……。


そこまで言われてこの店に居座れる客はいまい。
帰るしかないのだ。もちろん、飲み足りない場合もあるだろうが、
心配しなくていい。ここはしょんべん横丁である。
『朝起』にでも行って強いマムシ酒でも飲めばいい。


ちなみに、ここのモツに込みは絶品である。


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[水を絶対に飲ませないカレー屋]
店名:サンライン

業種:カレー屋
住所:東京都港区高輪1-5-15
営業時間: 11:30~14:00/18:00~23:50
定休日:日曜、祝日
席数:11席



●注文しなくてもOK
 JR品川駅から白金高輪方面に徒歩で15分。
そこには、泣けるカレーを出す店があるという。
そんな不思議なカレーがあるのだとしたら、是非とも食べてみたい。
泣くってことは、感情を左右されるってことですよ? 
心を動かされるってことですよ? そんなカレー、
誰もが食べたいと思うはず。


022



 さっそくレッツゴー(現在は地下鉄の白金高輪駅があるので徒歩5分)!!
冬場ということもあって、「早く温まりたい!! 早く食べたい!!」という気持ちと
「とにかく食って泣きてえ!!」という気持ちに押されつつ、
やっと店に到着。ペントハウスのような店があり、
一見するとレストランには見えない。
店内に入ると、店員の女性がひとり。メニューを探すが、
それらしきものは特に見当たらない。



 ……うーんと考えること2分。どうすればいいのかな。
「泣けるカレーください」って店員に言えばいいのか?

 


と思っていたらカレーを目の前に出された。
え? 注文してないのに!! 間違い? いや、間違いではなかった。
『サンライン』には、ビーフカレーしかないのだ。
つまり、黙ってても店に入った時点で、
注文済みになるのである。ひとりで入れば1皿、
ふたりならば2皿、4人ならば4皿のビーフカレーが
自動的に出てくるのである。



有無を言わせぬ豪快なシステムだ。






●具なし
 目の前に出されたカレーはオレンジ色をしており、
まったく具がない!! 
ドロドロもしておらず、サラサラしているスープ状になっている。
よーく目を凝らすと、野菜の繊維と思われるものが確認できる程度だ。
 正直な気持ち、「こんなカレー、食べごたえないなぁ~」と感じた。

私は、大き目の具がゴロリと入っていて、ルーもドロドロしていて、
色も味も濃くて深い味わいのカレーが好きだからだ。


こんなサラサラで具も入っていないカレーは私にとって、
まったく興味も食欲もそそらせない、最も嫌うタイプのものなのだ。
しかも、泣けるカレーって、具が入ってませんから、残念!! 

だから泣けるカレーなのだろうか?



 さっそく泣けるカレーを泣きべそをかきそうな表情で口に含んでみた。
やはり食べごたえがない……。なんていうか、
やはり具材が固形で入ってないと……、ななな、なな、なななな、



なっなっ、なんだコリャ~!!!! グハァーーーー!!!!!! 
かっ、かっ、辛れぇぇぇぇ!! ハヒハヒハヒハヒ!! なっ泣ける!! 
確かに泣ける!! 辛すぎて泣ける~ッ!!



しかもサラサラスープ状なのにカレー特有のまったりとしたコクがある!! 
ただ辛いだけのカレーではないのだ。

裏ごしされた具材がスープに溶け込んで深い味わいを出しているのだろう。
どうやらこの風味からして、ニンニクも入っているようだ
(ニンニクが辛さを増しているのかもしれない)。

こ、これはうまい!! しかし辛い!! 泣く!!






021


●水なし
 こんな辛いカレーは、いくら美味しくてもお冷なしでは
完食できまい。私は、店員にお冷をお願いした。
こともあろうに、来店時から
お冷が出されていなかったのだ。
カレー屋でカレーを食べるお客にとって、
お冷は欠かせない存在なのになあ。
社員教育がなってないのかなあ。
 しかし、店員はお冷をくれない



水分を摂るとスパイスの薬用効果が薄まるからダメ」という理由



なのだそうだ。こんな辛いカレーにお冷なしは、かなり酷だ……。
サイドメニューはないので、お冷以外のドリンクを注文することもできない。
しかしもう辛さの限界だ。ダメモトでお願いしてみるも、
「お冷は出せないです。ごめんなさい」で終わり。

なんとかお願いしてお冷をもらおうと計画。
「す、すいません。薬を飲みたいのですが」
とお願いしてみた。しかし、
ごめんなさいね」とのこと。



何が何に対してごめんなさいなんだぁーーーッ!!
……酷だ!!



 これは一刻も早くカレーを食べ終え、外で自動販売機から
ジュースを購入して飲まねば!! 超美味しいが、超辛いカレーを
一心不乱に食べまくる。心臓バクバクのハラハラドキドキである。
もう涙も出ない。 が、ここで不思議な現象が発生した。

なんだか身体がホンワリポカポカ、気持ちよい発汗作用が発生してきたのだ。
ただ単に辛いものを食べて発刊しているのとは違う。
気持ちの良い発刊作用なのだ。胃腸もなぜかポカポカとして
身も心も幸せハッピーに!!


 今まで、カレーにはお冷が付き物だった私は、
「カレーにお冷はいらない!!」と、
発想が逆転した。カレーにお冷はいらない!!



むしろ邪魔!!



お冷を飲むと、せっかくスパイスで温まった身体が冷やされて、
新陳代謝を低下させてしまうのだろう。



●駄目押しアイス!!
 悟りを開いた私は、カレーを完食。とても充実した気分と
身体で『サンライン』から出ようと思っていると、
店員がなにやらデザートを出してくれた。ア、アイス? 
ち、ちょっと待て!! お冷もアイスもスパイスの薬用効果を
低下させるのではないのか!? いいのか!?
店員にそこを突っ込みたかったが、なぜかできなかった。
悟りをせっかく開いた後だったので、
アイスを出されてショックを受けてしまったのだ。


お冷がダメで、アイスはOK
という理由が知りたい。



きっと、『サンライン』は深く考えた上で
アイスを食後にだしているのだろう。
胃の動きも発汗作用が少し低下したように思えた。
い、いいのかな……。でも、泣けるカレーは
いろんな意味で泣かせてくれた。




●おすすめメニュー
ビーフカレー 1500円
サラサラスープ状なので、スプーンですくってそのまま飲めてしまう。
薬用効果バツグン。胚芽米なのでさらに健康的である。


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