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「年収134億円超」「NYタイムズスクエアをジャック」…巨大すぎる《大谷経済圏》を巡る「マネーゲーム

 

大谷のCMが流れる裏では、企業・テレビ局・広告代理店の間で莫大なカネが動く。

その結果、彼が1年で稼ぐスポンサー料は95億円に上る。

何もかもが規格外すぎる「大谷経済圏」の内幕を紹介しよう。

 

前編記事「たった1コーナーで視聴率3%上昇…テレビ局が大谷翔平に逆らえない「大人の事情」」より続く。

 

年収134億円超、球界で2年連続首位

 

そもそも、大谷は全メジャーリーガーのなかで一番稼いでいる選手である。

その収入源の大半が、スポンサー料などフィールド外の収入だ。

米経済誌「フォーブス」が5月16日に発表したスポーツ選手の長者番付によると、昨年の大谷の年収は8530万ドル(日本円で約134億6000万円)。

球界では2年連続の首位となった。

 

注目すべきは内訳だ。

選手としての年俸は約2530万ドル、なんと残りの約6000万ドル(日本円で約95億円)がスポンサー料など副収入となっている。

 

大谷が現在、契約しているスポンサー企業は西川、興和、コーセー、三菱UFJ、JAL、KONAMIなど、その多くが日本企業だ。

 

最近では伊藤園がグローバル契約を締結、国内外85ヵ所以上で広告ジャックを展開し、ニューヨークの中心地・タイムズスクエアに巨大広告を出したことが話題となった。

 

さんま+タモリ=大谷

 

では、スポンサー企業は大谷にどれほどの額を支払っているのか。

大手広告代理店の中堅社員はこう語る。

 

「CM出演などを含めたスポンサー契約は、1本で最低3億円はかかります。

さらにイベントに登壇してもらったりコラボ商品を作ったりとなると、億単位で契約金は増える。

ニューバランスのように自社製品を試合で使ってもらう場合は数十億円単位になるはずです。

 

明石家さんまとタモリでCM1本あたりのギャラが1.5億円、俳優の堺雅人が1億円ですので、あらゆる有名人のなかでも大谷は群を抜いています。

ちなみに、CMなどでドジャースのユニフォームを着せる場合は球団にも2億円近く支払わないといけません」

 

CM出演やスチール撮影(静止画)といった稼働を大谷に一切させず、大谷サイドが用意した素材を宣伝に使う「出演契約」だけでも最低1億円はかかるという。

それほど膨大なカネがかかっても、企業が投資するのは経済的リターンが見込めるからだ。

 

たとえば、伊藤園の「お~いお茶」は、東北地区における1店舗あたりの販売本数が前年比25.5%増となった。

昨年に契約を交わした人材紹介サービスのdipは、大谷を広告に起用したことで、16.5億円の効果があったと発表している。

 

また、化粧品メーカー・コーセーの主力ブランド「コスメデコルテ」も、昨年に大谷を広告塔に起用したことで売り上げを大幅に伸ばした。

大谷がCMやポスターに登場した初日の百貨店における新規購入数は通常時の3.6倍、オンラインショップの販売個数は約20倍に達したという。

つまり、出演料に3億円がかかったとしても余裕でペイできるわけだ。

 

「大谷効果」のワケ

 

なぜ大谷が広告モデルになるだけで人は購買意欲が高くなるのか。

CM総合研究所の代表・関根心太郎氏はこう分析する。

 

「我々は毎月3000人に、CMに関するアンケートを行っています。

そのなかには「このCMに好感度を持った要因」として15項目を挙げているのですが、大谷選手は「説得力に共感」という項目がずば抜けて高い。

 

WBCの活躍を見ればわかるように、大谷選手はドラマチックな自身の物語を、現在進行形で日本人に見せ続けています。

そんな男が発する言葉や使う商品に間違いはないはずだ、と老若男女が感じているのだと思います」

 

膨大な利益を得ているのは広告に起用する企業ばかりではない。

広告を打つためには切って離せない広告代理店も、「大谷効果」で大儲けしているという。

前出の広告代理店中堅社員が語る。

 

「大谷を起用するほど力の入った企業は、宣伝に10億円近く予算をつけています。

その場合、大まかにCM制作費に1億~2億円、出演料に3億円、テレビCMや新聞広告、ネット広告など媒体費に5億~6億円はかかる。

 

こうした宣伝すべてに関わっているとなると、広告代理店には1億円近く実入りがあります。

長引く不況で宣伝費をかけない企業も多いですが、大谷のおかげでメディア業界は潤い始めています」

 

オフシーズンがヤバい

 

大谷が活躍すればするほど企業は広告モデルとしてCMに起用するし、そうなればテレビ局や広告代理店がジャンジャン儲かっていく。

大金が飛び交うのも納得だ。

 

企業の広告戦略に関わってきた桜美林大学准教授(広告論)の西山守氏はこう解説する。

 

「芸能界や音楽業界の細分化が進んでしまったいま、国民的ヒーローと言える存在は大谷選手しかいません。

今後、広告価値は上がる一方でしょう。

 

結婚して「家庭」のイメージもついたので、家庭用品や日用品を扱う企業が、大谷を起用する可能性は高いと思います」

 

日テレとフジは、それほどまでに「巨大コンテンツ」と化した大谷との関係性が破綻してしまったわけだ。

大慌てするのも無理はない。

両局にとって、何より気がかりなのは秋だという。

 

「11月からのオフシーズンは試合がないので、プライベートな映像を流す以外に大谷の近況を伝えられません。

このまま映像を使えなかったら番組の視聴率は急落し、CM枠も売れなくなる。

いまは大谷との関係性を修復することが、何よりも優先事項となっています」(前出・日テレ関係者)

 

大谷はまだ29歳。

現役生活は当分続くし、WBCなどのビッグイベントにも出場していくだろう。

大谷という巨大コンテンツを巡る「マネーゲーム」は、今後ますます激しさを増していきそうだ。

「週刊現代」2024年6月29日・7月6日号より

<記事引用>