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パリを魅了した「辺境」の光と風 

広島県立美術館で展覧会

 

<写真>、、、アルフレッド・ギユ《コンカルノーの鰯加工場で働く娘たち》 1896年頃  カンペール美術館蔵

 

 厳しくも雄大な自然に魅了された画家たちの作品を集めた展覧会「ブルターニュの光と風」(広島県立美術館、広島ホームテレビなど主催)が6月2日まで、広島市中区の広島県立美術館で開かれている。

 

 大西洋に突き出た仏北西部のブルターニュ半島で生まれ、「辺境の地」から芸術の都パリに新風を吹き込んだ名作が並ぶ。

 

 「私はブルターニュが好きだ。

ここでは野性的なものと原始的なものを見つけることができる」。

展覧会の入り口に掲げられているのは、ケルトの風習と伝統文化が色濃く残る「異郷」に魅せられたポール・ゴーギャンの言葉だ。

 

 カンペール美術館が所蔵する作品を中心に19世紀から20世紀前半にかけて描かれた計65点へといざなう。

 

 見どころの一つが、パリのサロン(官展)で「ブルターニュブーム」を起こした作品群だ。

地元出身のアルフレッド・ギユの大作「さらば!」は、荒ぶる海で遭難する船乗りの親子の別れを表現している。

 

 ゴーギャンら多くの画家は半島南西部の小村ポン=タヴァンに集い、新たな絵画様式「総合主義」を確立した。

展示されているポール・セリュジエ「さようなら、ゴーギャン」には、ゴーギャンがブルターニュから、さらなる未開を求めてタヒチへと旅立つ場面が描かれている。

 

 県立美術館の森万由子学芸員は総合主義の特徴について「フラットな色面で描き、輪郭線を強調する。

写実よりも画家の内面や精神性を重んじる様式だ」と説明。

「地方で生まれた新しい力が中央に影響を与える可能性を感じさせてくれる」と語った。

(稲田信司)

<記事引用>