箱根の桜が満開 外国客満員御礼 過去最高の勢いで
日本人客よりも多く ライトアップ、利き酒好評
<写真>、、、ライトアップされたオオシマザクラ
周囲に光源がなく、闇に浮き立つ いずれも箱根町で
<写真>、、、試飲するマークさん(左)とナダさん
神奈川県箱根町の芦ノ湖畔にあるレジャー施設「箱根園」で18日、樹齢100年のオオシマザクラが満開になった。
標高723メートルの高地にあり、桜シーズンのラストを飾る。
初となる本格的なライトアップも午後10時まで実施し、見頃は週明けまで。
遅い春を迎えた芦ノ湖周辺には、外国人客が過去最高の勢いで押し寄せている。(西岡聖雄)
寄せ植えした5本の幹が1本の大樹に見え、通称「湖畔の一本桜」と呼ばれる。
山型に咲き、高さ12メートル、周囲70メートル、幹回り5メートル。
人気の水陸両用「忍者バス」の入水口に隣接し、午前11時半から園内の水族館のケープペンギンが桜の周りを散歩するほか、夕方はペリカンがとぼとぼと歩く。
箱根園によると、外国人客の割合は昨夏以降、平日が7~8割、休日は6割で日本人客より多い。
韓国や台湾など近隣に限らず、中東など多様な国から来園し、全体の人出もコロナ前を上回る。
インドから初めて来たデリー大学ヴィヴェカナンダカレッジ校長のヒナ・ナンドラジョグ博士は
「桜は一色と思ったが、よく見ると多様でマジカル。箱根の自然は聖域と感じる」
と話した。
問い合わせは箱根園へ。
芦ノ湖の遊覧船が発着する「箱根関所旅物語館」の来客も現在、平日は8割、休日は7割を外国人客が占め、利き酒コーナーの人気が高い。
国内外の客が楽しめる場にと、運営する静鉄リテイリング(静岡市)が先月下旬に新設した。
大型日本酒サーバーで、全国の銘酒30種を飲み比べできる。
日本語、英語、中国語対応のタブレット「日本酒ソムリエAI」で、味わい、産地などの項目をタッチパネルから選ぶと、好みに合う銘柄を薦めてくれる。
500円で3種、800円で5種の日本酒を20~30ミリリットルずつ楽しめる。
日本に2週間滞在する米カリフォルニア州のコンピューター技師マーク・スワムソンさん(35)と妻の看護師ナダ・ロウさん(38)によると、日本酒は米国でも大人気だが、利き酒施設は初めて訪れたという。
「京都の酒バーでも3種類飲んだ。ここは手軽に多くの酒を味わえる」とうれしそうだった。
試飲した銘酒を土産用に買う客も多く、日本酒の売り上げはサーバー設置後に倍増している。
原木和成総支配人(48)は
「外国人客は食文化体験をすごく喜ぶ。
定期的に銘柄を入れ替え、多彩な日本酒を紹介したい」
と手応えを語った。
問い合わせは旅物語館へ。
<記事引用>