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了蓮寺「木造阿弥陀如来坐像」など8件 

京都府指定文化財に

 

<写真>、、、木造阿弥陀如来坐像 了蓮寺提供

 

 京都府教育委員会は8日、百万遍知恩寺(京都市左京区)の山内寺院に伝わる仏像など計8件を新たに京都府指定文化財に指定したと発表した。

内訳は美術工芸品5件と建造物2件、無形文化財1件。

今回の指定で府指定文化財は計516件になる。

 

 「一言で言うと、とにかく美しい」。

文化財保護課の担当者がこう語るのが、百万遍知恩寺の境内にある了蓮寺(りょうれんじ)の本尊・木造阿弥陀如来坐像(ざぞう)(平安時代後期)だ。

 

 像高は138・8センチ。

像の表面だけでなく、くりぬかれて空洞になった像の内側にも黒漆が塗られている。

仏の胎内を「聖なる空間」と見立てて丁寧に造ったとみられ、皇族や高位の貴族が発願したと推測される。

螺髪(らほつ)を一粒ずつ鉄釘で留めている点も珍しいという。

 

 宮津市にある佛性寺(ぶっしょうじ)の本尊の木造阿弥陀如来立像(りゅうぞう)(鎌倉時代)は、仏を「生ける存在」としてとらえる生身(しょうじん)信仰を背景に造られた。

 

 紅をさした唇の上に水晶をはめこみ、リップクリームを塗ったかのような艶(つや)やかな口元を演出。

上唇と下唇の間からは金属製の歯がのぞき、今にも言葉を発しそう。

 

 唇に水晶をはめこんだ仏は、他に上徳寺(下京区)の阿弥陀如来立像など2例しか知られていないという。

 

 一方、絽(ろ)や紗(しゃ)など夏場に着る薄物を織る技法「縠織(こめおり)」が無形文化財に指定され、その技術の保持者として綾部市在住の染織作家、海老ケ瀬順子さん(66)が認定された。

海老ケ瀬さんは人間国宝の故・北村武資氏に師事。

分業を旨とする西陣織物にあって設計から糸染め、整経、機ごしらえなど全ての工程を一人で行っている。

 

 伝統的な技法に現代的な意匠を加えた個性的な表現が評価され、昨年の第70回日本伝統工芸展で入賞を果たした。

 

 木津川市の岡田国神社の宮司家に伝来した「岡田国神社文書」は1425~1889年の76点の文書から成る。

村を守るために人々が結集・団結した様子などが記され、農民らが守護大名を排除して自治を実現した「山城国一揆」の背景をうかがい知ることができる史料だという。

 

 他には、

▽ 二間社流造(にけんしゃながれづくり)という珍しい様式の「旦椋(あさくら)神社本殿」(城陽市)

▽ 棟札が多数残され、修理の経緯がわかる「天満(てんまん)神社本殿」(同)

▽ 胎蔵界曼荼羅(まんだら)の中心に描かれる五つの仏を描いた「絹本著色五智(けんぽんちゃくしょくごち)如来像」(木津川市の大智寺(だいちじ))

▽ 一休宗純ゆかりの酬恩庵(しゅうおんあん)に伝わる狩野探幽筆「酬恩庵方丈障壁画」(京田辺市)が指定された。

(日比野容子)

<記事引用>