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鹿児島市役所の薩摩焼レリーフ、初の修復へ

戦火くぐり抜け87年

 

<写真>、、、トロフィーと唐草模様がデザインされたレリーフ

鹿児島市役所で 2024年2月28日午後4時6分、梅山崇撮影

 

 鹿児島市役所本館(1937年完成)の正面玄関を飾る薩摩焼によるレリーフの老朽化が進んでいるため、2024年度に総工費約500万円かけて修復されることになった。

10月以降に着工し、同年度内に新しい姿で登場する。

本館の完成から87年。

今回、初めての修復という。

 

 長太郎焼本窯(鹿児島市下福元町)の初代、有山長太郎(1871~1940年)作のレリーフ。

玄関正面と側面に各4点ある。

直径約80センチでトロフィーの周りに唐草模様があるデザインだ。

 

 辰砂釉(しんしゃゆう)(銅を着色材として含む釉薬)を使い、完成当時は緑がかっていたとみられるが、何らかの理由で青い塗料が施されたらしい。

近年はひび割れや一部パーツの欠損などの問題が顕在化していた。

 

 太平洋戦争の戦火をくぐり抜けた歴史を持つ。

市役所周辺の鹿児島市中心部は大規模な空襲に遭い、本館の建物が残った。

 

 修復は、本館が1998年に国の登録有形文化財になったこともあり、現状維持が基本。

長太郎の孫で長太郎焼本窯4代目の長佑(ちょうゆう)さん(88)に助言を受けながら、ひび割れを樹脂で埋め、欠損部分はそれ以上傷が広がらないようにする。

レリーフ修復後の25年度、本館の外壁部分の修復工事に移る。

 

 井立田訓(いたちださとる)・市管財課長は「レリーフが薩摩焼であること自体、あまり知られておらず、修復によって長く後世に残るものにし、多くの市民に誇りを持ってほしい」

 

 長佑さんは「祖父の作品に光が当たるのは喜ばしい。丁寧な作業でお手伝いしたい」と話している。

【梅山崇】

<記事引用>