大内氏の「故実書」資料、山口県の有形文化財に指定へ
<写真>、、、県有形文化財に指定される見通しの「大内氏故実書等関係資料」
2024年1月19日、山口県防府市多々良1丁目、大室一也撮影
山口県文化財保護審議会は1月29日、毛利博物館(防府市多々良1丁目)が所蔵する「大内氏故実書等関係資料」を県有形文化財(歴史資料)に指定するよう県に求める答申をまとめた。
馬術や弓術、軍術、礼儀、鼓に関する習わしや作法を記した計114点の資料で、大内文化が絶頂期の16世紀前半が中心。
資料を収めた箱とともに文化財に指定される見通し。
県文化振興課によると、大名の大内義隆(1507~51)が山口を治めていたころ、京都の武家の故実が大内氏によって山口に伝えられたことを示し、貴重という。
資料は毛利家に伝わり、箱は江戸時代のものとみられる。
文書の一つには、毛利元就の長男で、大内氏への人質として山口にいたことがある隆元の花押がある。
1545(天文14)年、大内氏に馬術を披露することになった弟の小早川隆景からの問い合わせに対し、隆元が大内氏の家臣から伝授された故実を踏まえた助言をしたものという。
米紙ニューヨーク・タイムズが発表した「2024年に行くべき52カ所」で山口市が取り上げられた。
大内氏ゆかりの国宝・瑠璃光寺五重塔が紹介され、山口市を訪れる観光客らの大内文化への関心が高まりそうだ。
毛利博物館は今夏以降、特別企画展で大内氏に関係した資料を公開する予定。
同館を運営する毛利報公会の毛利元敦会長(84)は、山口市を訪れる訪日外国人客らに「防府にも足を延ばしてほしい」と期待を寄せる。
(大室一也)
<記事引用>