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60歳過ぎてもやけに元気な人が食べているモノ 

最も効率的にたんぱく質を摂取できる方法

 

高齢者専門の精神科医として6000人以上の患者を診てきた和田秀樹さんが上梓した「60歳からはやりたい放題[実践編]」。

前作「60歳からはやりたい放題」に続いて、具体的に「どうすれば60代以降の人生をさらに楽しめるのか」「どんな点に気を付けるべきなのか」を、60個のコツにして解説しています。

同書より一部抜粋・再構成してお届けします。

 

たんぱく質は「体重×1.5g」の摂取を目安に

 

60代以降が、毎日必ず摂取してほしい栄養素。

それは、たんぱく質です。

たんぱく質は、筋肉はもちろん、内臓や骨、歯、肌などの原料になります。

たんぱく質が不足すると、内臓の機能がどんどん衰えていくし、筋肉や骨も弱ってしまうし、肌もハリを失い、一気に老けた印象を与えます。

 

その他、たんぱく質は免疫機能を維持する物質の材料になるので、不足すると免疫機能が衰えてしまいます。

年を取ると風邪をこじらせて、肺炎などを起こして亡くなる高齢者が多いのは、たんぱく質の不足で免疫機能を弱らせてしまうのも一因です。

早死にせず、60代からきちんとした体を作るためにも、たんぱく質はしっかりと摂りましょう。

 

では、1日にどのくらいのたんぱく質を摂るべきなのでしょうか? 

1日に必要なたんぱく質の割り出し方は、一般的には「体重(kg)×1g」と言われていますが、年齢が上がるにつれてたんぱく質から筋肉を作る効率はどんどん落ちていきます。

なので、できれば60代以上の方については、「体重(kg)×1.5g」を1日のたんぱく質摂取の目安にしてほしいと思います。

 

体重が50㎏の方ならば、75g。

体重が80㎏の方ならば、120g。

どうでしょうか。想像していたよりも多くてびっくりされた方も多いかもしれません。

 

文部科学省の「食品成分データベース」によれば、各食品が含むたんぱく質の量は、卵1個(60g)に7.3gひきわり納豆1パック(40g)は6.6g油揚げ1枚(30g)に7g木綿豆腐1丁(約300g)に21gのたんぱく質が含まれています。

 

肉の場合は、100グラムにつき、若鶏のモモ肉(皮なし)なら19g豚ヒレなら22.7g和牛サーロイン(脂身なし)なら17.1gのたんぱく質が含まれています。

 

ただ、いちいち食品中のたんぱく質の量を調べるのは難しいでしょう。

その場合は、目安として、1食につき両手に乗る程度のたんぱく質を摂るように意識しましょう。

 

なお、たんぱく質は体内にはためられないので、食いだめはできません。

3食の間にこまごまと食べ、適度にたんぱく質を補充することが大切です。

 

たんぱく質の摂取は14時までの間に

 

年齢を重ねると、血管がもろくなるため、高血圧を気にする人も増えます。

それゆえ、過度な減塩を行ったり、血圧を下げる薬を飲んだりと、さまざまな対策を取ります。

 

ただ、私は、60代以降になったら、減塩や薬で無理やり血圧を下げるよりも、たんぱく質を摂って血管を強く、弾力のあるものにすることを意識すべきだと感じています。

実は、たんぱく質には血管を強くする作用があります。

 

この数十年で脳出血を起こす日本人が確実に減っているのは、日本人が魚だけではなく、肉や牛乳などでたんぱく質をたくさん摂るようになったことで、血管が強くなったからだと考えられます。

 

1960年代の日本人は、血圧が160mmHg程度でも脳卒中で倒れる人が珍しくありませんでした。

一方、現代では、血圧200mmHgくらいある高血圧の人であっても、脳の血管が破れることはほとんどありません。

つまり、現代の日本人の血管は、かつての日本人の血管よりも、太くて丈夫になっているのです。

 

肉や牛乳の消費量は、平均寿命にも大きく関わっています。

たんぱく質に含まれるコレステロールは免疫機能を強化する効果があるため、肉や牛乳を食べれば免疫力がついて、病気になりづらくなります。

 

他国を見ても、世界で最初に平均寿命が50歳を超えたのは、世界でも肉食と乳製品の消費量が多いことで知られるオーストラリアとニュージーランドでした。

その後、20世紀の初めにアメリカやヨーロッパなどの肉や乳製品を食べる文化が根付いた国々の平均寿命が50歳を超えます。

さらにその50年後となる戦後、日本人もたんぱく質をたくさん摂るようになり、ようやく日本人の平均寿命が50歳を超えました。

 

ここで「ならば、どうして世界各国の寿命を追い抜いて、日本人の寿命が世界で一番長くなったのか?」と疑問に思われるかもしれません。

その理由は、欧米のように肉だけではなく、魚や大豆など複数のたんぱく質を摂取する食文化が根付いていたからだと考えられています。

 

食べ物は1つの食材に偏らず、満遍なく食べたほうが、体に必要な栄養素を多く摂取できるので、健康維持に効果的です。

 

なお、たんぱく質をたっぷり摂る時間帯は、朝や昼など、できるだけ早い時間帯がベスト。

人間の内臓は、時間帯によって動きが変わります。

たんぱく質は、腸の中でアミノ酸に分解され、肝臓で消化吸収された後、それぞれの体にとって必要なたんぱく質へと作り変えられるのですが、それを行う肝臓は朝から14時くらいまでの間、活発に動きます。

ですので、たんぱく質はこの時間帯に摂ることが、体への負担が一番少なくなります。

 

毎日、1食は「肉」を食べましょう

 

さまざまな食材の中でも、最も効率的にたんぱく質を摂取できるのは「肉」です。

肉が苦手でなければ、できることなら毎日、1食は積極的に肉を食べてほしいと思います。

その理由の1つは、肉に含まれているたんぱく質は分解と吸収が早いため、他のたんぱく質よりも、効率的に摂取することができるからです。

 

その他にも、肉にはセロトニンの材料となるアミノ酸・トリプトファンが豊富に含まれているため、食べると幸福感が高まる効果があります。

 

脳内の神経伝達物質であるセロトニンは、意欲の向上やうつ病の防止に役立ちます。

日々、何気ないことに幸せを感じられる人何かにつけて文句を言う人がいますが、前者は脳内のセロトニンが多く後者はセロトニンが少ないのだと思います。

 

ダイエットなどで肉を食べない人が、イライラしたり、ネガティブな気持ちになりやすいのは、こうしたメカニズムがあるからこそ。

 

トリプトファンの含有量が多い肉は、豚肉ロース赤肉が100gにつき240mg、牛肉肩ロース赤肉が100gにつき230mg、鶏むね肉皮付きが100gにつき230mgになります。

最近、元気がないというときは、これらの肉を食べると元気が出てくるかもしれません。

 

さらに、数あるたんぱく質の中でも、肉は男性ホルモンを活発化し、人を行動的にする働きがあります。

 

昨年90歳になられた登山家として知られる三浦雄一郎さんは、その若々しさや活力の多さで知られる人物ですが、いまだに500gのステーキをペロリと平らげるそうです。

その他、99歳まで生きた作家の瀬戸内寂聴さん105歳までご存命だった医者の日野原重明さんも大の肉好きであったことが知られています。

 

高齢者施設などに行っても、かくしゃくとしてアクティブな高齢者は、いくつになっても肉好きな人が多い傾向にあります。

多くの高齢者たちを見ていると、いつまでも元気でいたいなら肉を避けるべきではないのだと感じます。

 

ビタミンB群が豊富な肉の摂取で認知症を予防

 

60代くらいになると、少しずつ物忘れが増え、人によっては軽度の認知症を発症することもあります。

認知症対策として積極的に食べてほしいのが、ビタミンB群を含む食材です。

 

認知症の要因の1つは、体内で生成されるホモシステインという物質です。

ホモシステインは、必須アミノ酸と言われるメチオニンが代謝する際に生まれる物質で、人間の体には必ず発生しますが、血液中で増加すると、脳卒中や心疾患の他、アルツハイマー型認知症のリスクが上がると言われています。

 

ただ、このメチオニンの代謝を促進して、ホモシステインを無害なものに変えるとされるのが葉酸ビタミンB6、ビタミンB12などのビタミンB群です。

 

そして、ビタミンB群は、豚肉を中心とした肉類や魚やレバー、ホウレンソウ、ブロッコリー、枝豆などに多く含まれます。

つまり肉を日頃から意識的に摂っておくことで、認知症リスクが下げられるのです。

<記事引用>