中津の大型建物遺構、柱穴列確認し全容判明
27日に一般向け説明会
<写真>、、、全容が確認された大型建物の遺構
2024年1月17日午後3時2分、大分県中津市永添、貞松慎二郎撮影
大分県中津市にある国指定史跡・長者屋敷官衙(かんが)遺跡の周辺調査を進めている市教育委員会は17日、大型建物の遺構が見つかった場所で新たに柱穴列を確認したとして、報道機関向けに現地説明会を開いた。
建物の全容がわかる発見で、市教委は史跡の追加指定を国に働きかける考えだ。
遺跡は奈良~平安時代の下毛(しもげ)郡役所の米倉跡で、市教委は中心施設の「郡庁」を探す周辺調査を長年続けている。
個人所有の畑地から昨年度、四方にひさしを巡らした格式の高い大型建物跡(面積約230平方メートル)を発見。
昨年11月に着手した東側の追加調査でさらに、柱穴列や新旧の雨落ち溝が見つかった。
調査の結果、ひさしは1度建て替えられていることや建物西側に出入り口があった可能性が高いことなどが判明。
これまでに確認された郡役所としては九州最大規模で、柱間は南北21メートル、東西11メートル。
ただ建物の構造などから、郡庁の正殿とは断言できず、市教委は「次年度も周辺調査を続けたい」としている。
27日に一般向けの現地説明会を開く。
今月末に埋め戻す予定で、担当の丸山利枝学芸員は「古代の貴重な遺構を見る最後のチャンス。建物の規模を体感してほしい」と話す。
午前10時からと11時からの2回で、駐車場は近くの広池千九郎記念館駐車場を利用する。
26日までに中津市歴史博物館へ申し込む。
(貞松慎二郎)
<記事引用>