たまに「視点と観点はどう違うのですか?」と聞かれるのですが、
視点と観点の違いは、聞くと聴く、見ると観るの違いに似ています。

目に見える物体や風景を「見る」ことに対して、「二人の会話に夫婦の絆を観た」というように目に見えない現象や概念を「観る」のと同じように、見える視点、見えない観点と理解して貰うと分かり易いかも知れません。

日常生活においては視点と観点は殆ど同じ意味や文脈で使われることが多く、厳密に区別されることはありません。

よって弊社CCOでは、「NHKの屋上にあるカメラ」のようにXYZで表される3次元空間に座標をプロットすることができるものを「視点」と呼び、例えば「お客様の観点からみると~」「売上高は伸びたけど利益率の観点では~」など、立場や切り口、ものの観方など、視点のようにその場所が目に見えず座標上にもプロットできないものを「観点」と呼んでいます。

例えば落語で蕎麦を食べるシーンでは「扇子」を「箸」に見立てますが、この際、目に映っているのは「扇子」で、心に映っているのは「箸」です。

同じように耳が聞くのは「言葉」でも、心が聴いているのは相手の「建前」など、そこに心や意志が伴う視点を観点という風に表現しております。

ただ日常生活ではこれを区別して使う方も少ないので、読者の皆様はそこまで気にされなくても宜しいかと存じます。