NohJesuの無意識5階層
NJ無意識5階層

マインドーム理論では、この無意識五階層のフレームワークを多用しますが、今日はなかでも一番影響力のある「アイデンティティー」の構成要素について、観て行きたいと思います。

コミュニケーションを取る際、「相手の言葉」の裏には、考え、感情、イメージ、エネルギー、アイデンティティーが無意識につながっており、「言葉」を否定すると「アイデンティティー」まで否定されたと受け取る人がいるほどです。

その「言葉の背景」までを受け取ることが重要なのですが、そのためには「自分のイメージ体系と判断基準」で受け取るのではなく、「相手のイメージ体系と判断基準」で受け取ることが必要になってきます。この相手の立場に立って観ることを「立場チェンジ」といい、コミュニケーションにおいて、とても重要な能力となります。

五階層のなかでも一番根深いアイデンティティー(自分自身をどう思うのか、どう規定するのかという自己認識)=相手の立場でもある訳ですから、相手のアイデンティティーを構成する七つの要素をみていきましょう。

①立場
例えば、動物園のたぬきを子供が触ろうとするとき、親の立場であれば「危ないからやめなさい」と子供の身の危険を考えますが、子供の立場からすればその言葉が苦痛にもなります。可愛い動物を触りたいという無邪気な気持ちですから、自由にしたいのに親の型にはめられた気がしますね。

このように立場の違いによって、論理の違い、判断基準の違い、表現の違いができるのです。ですから人とコミュニケーションをする際には、常に相手の表現がどのような立場から発せされているのかを観察してみましょう。

②時代
今がどのような時代なのかということも大きく関ってきます。戦国時代であれば、敵国の兵士を沢山殺した武士には報償が出ましたが、現代で隣の県に渡って大量殺人を繰り広げたら、刑務所に入れられ、死刑も免れません。

それほど時代が異ならなくても、青春時代を過ごしたのがバブル全盛期なのかバブル崩壊後なのかによっても受ける影響は大きく違います。それぞれの時代によってそれぞれの価値観、判断基準が存在しており、自覚はなくても実際にはそれらに大きな影響を受けているのです。

また、このような時代によって形成されたアイデンティティーはみんなが同時に陥るものなので、集団的固定観念や集団無意識となり、なかなか自覚できにくいものとなります。

③環境
雪国で育ったか南国で育ったかで、着る物の種類や食べ物の文化も違ってきます。緑に囲まれた山奥で育つか海に囲まれた島で育つかで、覚える言葉や技術、お気に入りの料理も違ってきます。

④状況
地震などの緊急事態でせっぱつまっている状況や、新婚旅行で海外にきてくつろいでいる状況など、その状況に応じてアイデンティティーは大きな影響を受けます。大勢の人の前で話をするシチュエーションと、大好きな人と二人きりで話してるときのシチュエーションなど、様々な状況が無意識に影響を与え、それによって思考や感情、表情、言葉、行動が変化するのです。

⑤国家・民族
竹島や尖閣諸島など、自分がどの国家に族しているかで判断や言動が変わってきます。ワールドカップやオリンピックでも自分が生まれ育った国を応援しますし、所属する国家の法律や文化、慣習、社会情勢に影響を受けます。

⑥思想・哲学・宗教
日本を除く世界では殆どの人が何かしらの思想や宗教をもっています。イスラム教では豚肉を食べることは禁止されているなど、その思想や宗教によってさまざまな考え方の違いが生まれます。

⑦組織、団体、企業、家族
所属している企業や団体など組織のアイデンティティもあります。どのような組織に所属しているのかによって、イメージ、感情、思考、判断基準などが変わってきます。

1人のアイデンティティにはこのような七項目が影響を与えており、それらは意識、無意識に関らず常にその人のイメージ、感情、思考、判断基準などに影響を与えています。

これら一連を常に意識しながら人と接することができるようになると、今まで感じられなかった範囲のことを感じられるようになります。

また、そうなるために最も先駆けて行うことは、これらを他人ではなく自分自身に当てはめて自覚していくことなのです。自分というものを明確に理解することが相手を深く理解する鍵なのです。