東京ドキュメンタリー映画祭にて、洞窟壁画のドキュメンタリー映画『ナマラリ』を先週観てきました。

岩や岩肌が印象的な島。オーストラリアの先住民が、教育を受けるという名目などで、1950年までに移住させられた。以前は家族でナマラリの神話を共有していたが、移住後、学校ではナマラリの神話を教わらない。

この地(移住前の島)にナマラリがやってきたとき、女性に手を出してしまって戦争になった。海岸で亡くなった戦士たちが、現在、奇岩となって、立ち並ぶ。

浜辺で死んだナマラリの遺体を丘の上の洞窟へ持っていった。

この神話は親から子へ受け継がれていた。空へ行ったナマラリ。この洞窟の天井にナマラリの壁画を描いている。この洞窟は先住民にとってとても重要な場所。消えかかったナマラリの壁画。描き直すことでナマラリの存在は先住民の心によみがえり、神話を共有できる。年老いた先住民が壁画を描き、子どもたちに神話を伝えようとする使命感と寂しさがひしひしと伝わる。