『仕組まれた罠』(アメリカ・1954年) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

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左脳は邦画で出来ておりまする╰(*´︶`*)╯

こんばんは


今宵 ご紹介する映画は


『仕組まれた罠』



*・゜゚・*:.。..。.:*・'あらすじ*:.。. .。.:*・゜゚・*


舞台は1950年代初頭のアメリカ

主人公は、朝鮮戦争から帰国し
機関士に復職したばかりのジェフ(グレン・フォード


戦争で手柄を立てたジェフに
同僚らが次々と労いと称賛の言葉をかける中
カール(ブロデリック・クロフォード)だけは

『あ、帰ってきたんだ』と気のないそぶりで、、

相変わらず無愛想なやっちゃなーと
苦笑気味のジェフに、機関士仲間で
父のように慕うアレック(エドガー・ブキャナン)は
それでも奴は昇進したし、若い嫁さんも貰ったんだぜと
未だチョンガーのジェフに話す

未だチョンガーだから出征前と同じく
アレック宅に下宿を決め込んだジェフを
アレックのカミさんは暖かく迎え


彼らの娘エレンもまた、彼との再会を喜ぶ


美しく成長したエレンに
東京土産のキモノをプレゼント♬


今後も機関士を続けながら休みには釣りをして
穏やかに暮らしたいと語るジェフに
『貴方には女性も必要ね』と上目遣いのエレンたん


襟掛けに書かれた
『梅牡丹』の文字が弾むほど
エレンたんはジェフにほの字なんだね

まぁジェフも満更でもなさそうだしお似合いよ

と、言いたいこれだけれど
そうは問屋が卸さないのが映画ってもん

ある夜のこと、
自社の寝台車の喫煙所で一服するジェフの前に
一人の女が現れ出で


おっ、エエ女やないけ?と
ジェフは思ったんだと思う↓この顔は絶対そう!


だから目にゴミが入ったと仰る女の目蓋を
喜び勇んで引っくり返してやったし


『バーへ一杯呑みに行くの』と宣う女に
『ご一緒しよう』ともしたし


不意に列車が揺れ
よろけた彼女を抱き抱え
チャンスとばかりキスしちゃうし←手ぇ早っ!

でも次の瞬間、彼女は
ジェフの元から走り去ってしまって
あっと驚くタメゴロージェフ!

翌朝、列車内で殺人事件が
起きたことを知らされると同時に
昨晩のオンナがカールの妻
ビッキー(グロリア・グレアム)で
あることを知ったジェフ、

『アイタッ!』って
おでこをピシッとやったかどうかはさて置き
その後事件は法廷へと場所を移し、
カール夫妻も容疑者席についていた


当夜、喫煙所にいたジェフは裁判官から
誰か見なかったか?と尋ねられるが
誰も見なかったとしれっと答えたその直後

『えっ?』と驚きの表情を浮かべた二人を


ジェフは静かに見つめていた、、、


*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*


どうも、
チュートハンパなあらすじで
申し訳ない

ですんでちょいと補足させて頂くと
殺されたのはビッキーの元雇主兼愛人だった男で
犯人はカールざます


動機は痴情のもつれってヤツで
現場にはビッキーも居て、実はこの以前から
彼女はカールと別れたがっていました

何故か?

年嵩の旦那カールは嫉妬深く
若く美しい妻ビッキーを束縛し
反抗すると暴力を振るい
そうやって彼女を支配してきたからです

そこへ飛んで火に入ってしまったジェフさん
虚偽の答弁をしたのはビッキーのためだったのでしょう

男を手玉に取ってきたビッキーからすれば
ノーテンキなジェフなどイチコロ

逢瀬のたびに

『あんな男とは別れろ』
『彼が死なない限り無理よ』と
物騒な会話が交わされ

そして
『貴方は戦争へ行ったんでしょ、だったら、、、』
って、その後には『人を殺すくらいわけないでしょ』
って、気持ちがだだ漏れなビッキーったらビッチ

それ聞いても目が醒めないとなると
ジェフはホンマにマズイわけで、

さてどうなるのでしょーーかっ!

原作はおフランスの文豪
エミール・ゾラの『獣人』

遺伝のせいで、
女を殺したくなる発作持ちの男が主人公という
こんなユニークな題材を放っておくわけもなく
本国ではジャン・ルノワール✖️ジャン・ギャバン
映画化され、そちらは原作に忠実です

人妻を愛しているのに
それなのに殺したくなるビョーキの男を演じた
ギャバンの苦悶顔に背筋をゾクゾクさせたジェーン

それがアメリカでリメイクされると
もっと単純な展開へと趣旨が変わります

まぁグレン・フォード演じるジェフが
ジャン・ギャバン演じる『獣人』ほど
屈折してないってところで、原作とは別物であると
解釈した方がよかんべな

こちらの監督はフリッツ・ラング

好きな監督さんなんですよねぇ

フリッツじーさんは難解そうで、
実は分かりやすいというね、そこが好きです

ビッキーはカールの籠の鳥とばかりに
彼女の真横にカゴの鳥を配置するというシーンなど
単純と言わずしてなんと言う?


またビッキーの登場シーンったらもう
こんなん出ましたーーー


夫婦仲の良い両親の元で育ったエレンと
親に恵まれなかったビッキーとの対比もまた鮮やかで
そういった意味に於いて、分かりやすいとした次第
なんですが、

ただし、描写が単純だからといって
額面通りに受け取れるかと言えば
実はそうでもないんです

つまり

人間というのんは見た目の通りなのか?

それとも、そうではないのか?

といった問いかけが

ジーさんからなされるのです


ラングじーさんたら

いけずぅーーー





因みにアメリカでのタイトルは

『HUMAN DESIRE』



なんか、、、

身も蓋もないんだけど?