『犬ヶ島』(米・獨合作/2018年) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

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左脳は邦画で出来ておりまする╰(*´︶`*)╯

こんにちは


本質ご紹介する映画は


『犬ヶ島』




舞台は今から二十年後の日本

ウニ県メガ崎市では
犬たちの間でドッグ病なる病が発生し
人への感染を危惧した小林市長は


全犬を ゴミ島、、、

別名『犬ヶ島』へ追放すると宣言。

手始めに自分ちの飼い犬スポッツを


島流し、第一号としちゃいます





半年後

『犬ヶ島』は
放逐された犬で溢れかえり
皆一様に、お腹を空かせ
ドッグ病の症状に苦しんでいました

その中に五匹の犬で
形成されたグループがあり
今日も今日とて食料を探していた
彼らの目前で、飛行機が不時着。

駆け寄ってみるとコックピットの中から
一人の少年が出てきました


彼の名は小林アタリ(コーユー・ランキン)12歳。


小林市長の養子であり
『犬ガ島』へ放棄されたスポッツを
探しにきたと言うのです


スポッツはアタリの護衛犬であり
親を亡くしたアタリにとって
とても大切な存在でした

わざわざ自分の犬を探しに来たのかよ

そんな飼い主他にはいないぜってことで

感動した犬たちはアタリに協力します

同じ頃、行方不明となってしまった
アタリの捜索を指示する市長の元へ
小林政権を批判する渡辺教授が
部下のオノヨーコを帯同しやって来て


ドッグ病の治療薬が完成したので
すぐさま犬たちを解放しろと詰め寄りますが
市長はそれをスルッとスルーしただけでなく
あろうことか教授を軟禁、、、

何故そのような蛮行に及んだのか?

実は小林家と犬族の間には
昔から因縁がございましてね

市長としては犬を絶滅に追いやることが
真の目的だったのです

なんならドッグ病も
市長の仕業だったという、、、

しかし市長の悪巧みに気づいた
メガ崎高校新聞部の面々は彼らの犬が
『犬ヶ島』に送られたことも相まって


叛乱を起こし

一方アタリは犬達と
スポッツを探す旅を続け


無事スポッツと
再会出来るか否や?

といった粗筋の『犬ヶ島』は

ウェス・アンダーソン監督が
四年の歳月をかけて完成させた
ストップモーション・アニメです



アンダーソン監督の作品は
今度は何が出るかなーーといつだって
ワクワクドキドキとしてしまうジェーン

『犬ヶ島』も
オープニングから
ニヤニヤが止まらなくて

あゝこれがアンダーソン監督の
目に写る日本の姿なんだなと


近未来的な日本



アナログな日本


一同右へ倣え!的な日本人


何を考えているか分からない日本人


滑稽な描写ではあるけれど
そこに悪意を感じるかといえば
実はそうでもないんですよね


何故なら監督は
そういった日本、及び日本人に
関心を持って描いて下さって
いるのだろうなと思われるからです
 

関心がなければ
これほど緻密なディテールで


手の込んだ作品を
しかもストップモーション・アニメという
メタクソめんどっちい手法で作るはずが
ないわけですから

今回は日本と日本人
そして犬が主役ですが

いつだって監督の映画に対する
愛の深さには恐れ入谷の鬼子母神


これからご覧になる方にも、
そこのところをじっくりと
感じて頂ければ幸いです


そして出来れば
字幕版チョイスをオススメします


主人公アタリ役のコーユー・ランキン君は


お父様がカナダ人、
お母様が日本人とのことで
劇中では日本語を喋っております

三船敏郎さんがモデルの小林市長も日本語

留学生トレイシーが住む下宿のおばさんも日本語


こういった男か女か
わかんないようなおばさんは
日本全国津々浦々にいるわね

(この作り込みがスンバラシイ)

モデルは桑原和男さんやないかと
勝手に思うとります



声の吹き替えは夏木マリさん

予知能力のあるパグ犬の声を担当した
ティルダスウィントンさんとの
こちらは奇跡的コラボの一枚です
夏木さんたら、引けを取ってないわー)


その他、同時通訳の女性の声に
フランシス・マクドーマンド


反小林市長派、渡辺教授のアシスタント
ヨーコ・オノの声をヨーコ・オノその人が

セルフ吹き替えしてござる←ござる?


犬たちの声もリーブ・シュレイバーやら
ブライアン・クランストンやら、
エドワード・ノートンやら、ビル・マーレーやらやら
が総出演、、、   渡辺謙さんも出てます


中でも、
ショードックに出ていた美犬ナツメグ役の


スカーレット・ヨハンソン
上手いですね

彼女の哀愁を帯びた声は
今も耳に残ります



*・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*



アンダーソン監督作品のレビューは
文才のないジェーンには難しくって
正直今回も難儀しましたけれど


監督をはじめ、製作陣の
映画に対する熱量や愛を感じる
作品であると感じていることは間違いなく


映画ファンにとっては

それが何より嬉しいこと
一番大事であるということを

最後になりますが

申し添えておきます