今宵ご紹介する映画は
『カスパー・ハウザーの謎』
1828年5月、精霊降臨節
バイエルン王国ニュルンベルクにある
ウンシュリット広場に
立ちすくむ少年がひとり、、、
何時間も微動だにしない少年は
左手に、ある人物への手紙を携えていた
少年は市当局に保護される
喋ることも出来ず、歩行も困難な
身元不明の少年に手を焼く役人たち
少年は『カスパー・ハウザー』という名を書き
カスパーは市で保護されることとなる
その間、巷に広がるカスパーの噂
あいつは バーデン大公 に似てるぞ
もしかしたら後継者争いで
隠匿されたんじゃないか?
いや、彼こそはナポレオンのご落胤だ
寄ってたかって
カスパーに関心を示す一方
これ以上税金は投与出来ぬ
自分の食い扶持は自分で稼げと
サーカス団の見世物となるカスパー
そこはフリークスたちの溜まり場であり
逃げ出したカスパーは
宗教哲学者ダウマー教授
(ヴァルター・ラーデンガスト)に
保護され、教授宅で暮らすこと二年
めきめきと
言葉が上達したカスパーは
自身の過去について
僕は生まれてから16年間(くらい)
地下牢に幽閉されていました
いることも知りませんでした
パンと水?
それは、ただそこにあるだけで
誰かが差し入れしたなんて
考えたこともなかったです
ある日、外套を着た男がやってきて
名前を書く練習をさせられて
その後外に連れだされ
歩行訓練をされられて
手紙を持たされて
あの広場で自分の帰りを
待つようにと命令されました
と、カスパーかく語りき
そこまでは判明したものの
では、彼は一体何者なのか?
その謎が、解き明かされることなく
発見から5年後の1833年
カスパー・ハウザー刺殺さる
あまりにも、短い生涯でした、、、
今作の主人公であるカスパー・ハウザー
(1812..4.30?−1833.12.17)は実在の人物です
そして何者であったのか?
どうして暗殺されてしまったのか?
この、19世紀最大の
ミステリーと呼ばれる事件を
ニュー・ジャーマン・シネマの代名詞
ヴェルナー・ヘルツォーク監督が
演技はズブの素人であった
ブルーノ・Sをカスパー役に抜擢し
どう捌いたのか?
今作の存在は知っていたものの
鑑賞には二の足を踏んでいたジェーン
だってヘルツォーク監督は
わたしにとって
トラウマ監督の一人ですから
観ようか観まいか
どーしたもんかと
『のの字』を描き思案しつつも
映画通の間では、
傑作と評判の作品ですから
意を決して観てみたところ
ありゃ、案外普通?
それどころか
結構ヒューマンなドラマ、、、
と言いますか
カスパーを観ていると
我々の方が
大事なものを忘れてんじゃないかとね
そういう作りになってまして
そこらあたりを話すと
長くなりますので
次回に続く、、、
P.S.
ブルーノ・Sのこのお顔が
頭から離れない、、、