今宵ご紹介する映画は『ローマに消えた男』
コチラでは、バックレ後のエンリコを中心に
お話ししたいと思います
只今公開中ですから
これからご覧になる予定の方は、
ここで回れ右していただいても構いませんのでね
よろしくお願い申し上げますm(__)m
ではまいりましょうか
政権奪還を目指すエンリコの替え玉
双子の兄ジョヴァンニ（トニ・セルヴィッロ）が
相当！自分が置かれた状況を楽しんでいる間
⤵︎ こちらは首相（女性）とタンゴを踊るシーン
失踪したエンリコ（トニ・セルヴィーロ 二役）は
パリに住む元恋人ダニエル
（ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ）の自宅に
身を寄せていました
ダニエルには旦那さん（エリック・グェン）がいます
思わず声を上げそうになって慌てた、慌てた
キャンドル氏の役は有名な映画監督です
クリエイターだからなのか
パリジャンの粋からなのか
妻の元彼をサラッと受け入れる態度は
骨の髄まで日本人ジェーンには理解難いのですがっ！
まぁ、親切心からとしておこう
ダニエルとキャンドル氏には
女の子がおりまして、やはり環境なのでしょうか
何年も映画を観ていないエンリコに
『わたしは週4本の映画を観るわ』って言うんです
で、女の子の最近観た映画が
〈E.T. 〉と〈大いなる遺産〉と〈アバター〉
そしてもう一本が
〈ラスト・タンゴ・イン・パリ〉
ベルトリッチですな
『あれはR指定だろ』と苦笑いのエンリコ
ここもまぁ、小さくてもパリジェンヌ
わたしも二十歳を超えて観たのに
いやはや早熟なお嬢さんだこと……
ダニエルの仕事は映画のスクリプター
実は映画好きのエンリコ
ダニエルが参加する撮影現場に通ううち
雑用を頼まれるようになるんです
で、エンリコさんたら働き者で
みんなから褒められちゃう
それがまた、嬉しかったりして…
ここでは誰も自分を知らない
少しずつ、少しずつ、緊張の糸がほぐれ
肩の力も抜け、ダニエルに感謝するエンリコ
しかしですな、自分が置き去りにしたものが
気にならないはずもなく
妻に電話をしても
腹心の部下に電話しても
以前、関係のあった（と思われる）
党の女性執行部員や、OBに電話しても
（電話するといってもエンリコは無言なんですが）
一様に『誰？』と切り返される始末で
自業自得といえど、ショックですわな
そんな中、ジョヴァンニだけが
エンリコからだと分かる
ここがやはり、離れていても
双子ならではの直感と言いますか
間合いや、息遣い、そういったもので
分かるものなのかなぁと、推察しましたが
とにかく、若き日のエンリコとジョヴァンニ
そしてダニエルの間に何かがあったのでしょう
この後、双子はどういった決断を下すのか？
それは観てのお楽しみということで
イタリアの政治家といえば
なんと言いますかこう、ハッチャケテマスネ
最近ですとベルルスコーニさんでしょ
（イタリアと言えばマフィアとピザ。
その次がACミランだ）が持論だそうです
わたしはやはり、チチョリーナさんですね\(//∇//)\
池田満寿夫センセの『エーゲ海に捧ぐ』にも
ご出演された女優さんですが
うちの夫など、今でも耳元で
『チチョリーナ』と囁くと
≧(´▽｀)≦ ← こんな顔するのよ 
（政治家としても、頑張っていらっしゃいました）
またまた横道に逸れちゃいましたが
何が言いたいかと申しますと、イタリアも
けして順風満帆とはいかないであろう現在
それでも、何故かこの国には
あまり悲壮感が感じられなくて
それは国民のキャラクターのせいか
かつての同盟国でありながら
日本とはちと違うかなぁなんて思いで
映画を観終わりました
他の役者さんについては
エンリコ、部下役のヴァレリオ・アスタンドレアが
双子に振り回され、髪の毛がハラハラ抜けそうで
もう気の毒でねぇ
沢山いらっしゃるのでしょうな
そして双子のファムファタル、ダニエル役の
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ嬢
フランスサルコジ元大統領夫人
ご自分の仕事を優先され、洞爺湖サミットに
欠席されたモデルで歌手、カーラ・ブルーニ嬢の
お姉ちゃんなんですね
だからサルコジさんからすれば義姉さん
（小姑でもあらせられますね、みどり様 笑）
包み込むような母性愛を出しておられて
さらに、声が本みりんのようにまろやかで
落ち着きのある女優さんでございました
またまた長い記事に
なりましたけれども、最後に
政治を絡めた映画の醍醐味
それはやはり
主役のスピーチだと思いませんか？
今作でもエンリコに扮したジョヴァンニの
スピーチには惹きつけられます
それはまさしくトニ・セルヴィッロその人の
役者としての力量であると、申し添えておきましょう
ローマにて、ジョヴァンニの演説より
～パンフレットより引用しております～
TO THE WAVERING by ベルトルト・ブレヒト
君は言う、ひどい世の中だと
闇は深まり、力は萎える
こんなに長く働いても 状況は厳しい
始める前よりも 敵は目の前にいて
かつてなく手強く その力は増す一方で
とても勝ち目はない
我々は過ちを犯した それは否定できない
我々は減る一方だ
我々の言葉は混乱している
言葉の一部は 敵にねじ曲げられた
見る影もないまでに 何が過ちで 何がいつわりなのか
言葉の一部か？ 全てなのか？ 誰を頼るのか？
我々は生き延び 流れからはじかれ 取り残されるのか？
誰も理解せず 誰にも理解されずに
それとも自分の運を天に任せるのか？
そう君は自分に問う 君に必要なのは
誰の答えでもない
君自身の答えだ
