二次性副甲状腺機能亢進症
腎機能が低下して活性型ビタミンDが不足する事で血中カルシウム濃度が低下し、また腎排泄低下から血中のリンが上昇すると、副甲状腺が刺激されて副甲状腺ホルモン(PTH)が大量に分泌される。骨からはカルシウムが遊離されて骨が脆くなったり、貧血が助長される。血清リン値は5.5~6.0mg/dL以下が望ましいとされる。
リンの摂取量を減らす目的で食事療法が実施される。肉や魚等の動物性蛋白質1g中には、リンが約2%含まれるので摂りすぎに注意する。蛋白質の1日の適正量は、標準体重x(1.1~1.2)gである。60kgであれば66~72gである。食品添加物にもリン化合物が多く含まれるので、ハムやソーセージ、レトルト等の加工食品は制限する必要がある。リンは蛋白質の適正量x15mgを1日量の上限の目安とする。標準体重が60kgであれば950~1000mgである。
リンが多く含まれるのは、丸ごとの小魚(ししゃも360mg)、チーズ(330~850mg)、ナッツ類(140~490mg)、卵黄(570mg)、のり(710mg)、魚肉ソーセージ(200mg)等。反対に比較的少ないのは、納豆(250mg)、タコ(160mg)、脂肪の少ないロース肉(豚ロース180mg)等。数値は全て食品100g中のリン含有量。
食事療法を徹底しても是正されない場合は薬物療法の適応となる。二次性副甲状腺機能亢進症には、活性型ビタミンD製剤が予防にも治療にもある程度有効である。1,25(OH)2-D3(カルシトリオール、商品名ロカルトロール)は活性化ビタミンDそのものなので、腸管からのCa吸収を増加させる効果が強い。1α(OH)D3(アルファカルシドール、商品名ワンアルファ)は肝臓で水酸化されて活性型になるため、力価はおよそ半分である*。活性型ビタミンD過剰による高カルシウム血症を起こした場合、原因薬物中止後の改善に要する時間は、Ca低下の半減期としてカルシトリオールで1.5±0.2日(完全に活性化されているため作用持続時間も短い)、一方アルファカルシドールで3.4±0.4日である**。
*J Clin Endocrinol Metab. 1982 Aug ; 55(2) : 238-43
**Br Med J. 1977 Jan 8 ; 1(6053) : 78-81
沈降炭酸カルシウムは食事中のリンを腸管内で吸着し、便中にリンを排泄させる。カルシウム負荷も同時に行われる。食事中か食直後に服用すると吸着効果が上がる。
出典: 腎不全・透析患者指導ガイド第2版 P38~39 日本医事新報社 2009年
リンの正常値は2.7~4.3mg/dL、透析維持目標は透析前で3.0~6.0、理想的には4.0~5.5の範囲でコントロールする。カルシウムの正常値は8.5~11.0mg/dL、透析維持目標は透析前で8.5~10.5である。
カルシウムとリンの積が60~70になると、関節周囲の組織や血管壁等が石灰化を起こす(異所性石灰化)。活性化ビタミンD製剤服用中は、リンのコントロールが重要になる。
ALPは骨にも多く含まれるので、二次性副甲状腺機能亢進症で上昇する。透析患者の骨の正常な代謝は、ALP正常上限で維持される。ALP正常値は検査法により異なる。
PTHの正常範囲は、C末端PTH 0.5ng/mL以下、高感度PTH 160~520pg/mL、インタクトPTH 15~50pg/mLである。透析患者の場合、C末端PTH4~5ng/mL、高感度PTH10,000pg/mL、インタクトPTH300pg/mLまでは正常範囲と解釈される。
出典: やさしくわかりやすい患者のための透析生活マニュアル 改訂第5版 P67~71, P83~86 日本メディカルセンター 2001年
20150920
Ca高値に関わらずintactPTHが正常範囲の下半分まで抑制されていなければ、副甲状腺機能亢進と考えられる。
出典: ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第1版 P296~297 医学書院 2014年
20150921
CKD-MBDという概念が提唱されている。
一般にPTHはCKDステージ2~3から、高P血症や低Ca血症はCKDステージ4以降から出現するとされている。
20151028
炭酸Ca1g当たりのCa含有量は400mgであるのに対し、乳酸Ca1gあたりのCa含有量は149mgと炭酸Caの方が多い。乳酸Caを炭酸Caと同等のP吸着効果を期待する場合は単純計算で2.7倍の量を服用する必要がある。従って、乳酸CaはP吸着剤としては使われないことが多い。P吸着剤として保険適応があるのも炭酸Caのカルタン錠のみである。 ちなみに、同じく沈降炭酸Ca剤である炭カルにはP吸着剤としての保険適応が無く、制酸剤としての適応になる。
20170913
腎機能が低下して活性型ビタミンDが不足する事で血中カルシウム濃度が低下し、また腎排泄低下から血中のリンが上昇すると、副甲状腺が刺激されて副甲状腺ホルモン(PTH)が大量に分泌される。骨からはカルシウムが遊離されて骨が脆くなったり、貧血が助長される。血清リン値は5.5~6.0mg/dL以下が望ましいとされる。
リンの摂取量を減らす目的で食事療法が実施される。肉や魚等の動物性蛋白質1g中には、リンが約2%含まれるので摂りすぎに注意する。蛋白質の1日の適正量は、標準体重x(1.1~1.2)gである。60kgであれば66~72gである。食品添加物にもリン化合物が多く含まれるので、ハムやソーセージ、レトルト等の加工食品は制限する必要がある。リンは蛋白質の適正量x15mgを1日量の上限の目安とする。標準体重が60kgであれば950~1000mgである。
リンが多く含まれるのは、丸ごとの小魚(ししゃも360mg)、チーズ(330~850mg)、ナッツ類(140~490mg)、卵黄(570mg)、のり(710mg)、魚肉ソーセージ(200mg)等。反対に比較的少ないのは、納豆(250mg)、タコ(160mg)、脂肪の少ないロース肉(豚ロース180mg)等。数値は全て食品100g中のリン含有量。
食事療法を徹底しても是正されない場合は薬物療法の適応となる。二次性副甲状腺機能亢進症には、活性型ビタミンD製剤が予防にも治療にもある程度有効である。1,25(OH)2-D3(カルシトリオール、商品名ロカルトロール)は活性化ビタミンDそのものなので、腸管からのCa吸収を増加させる効果が強い。1α(OH)D3(アルファカルシドール、商品名ワンアルファ)は肝臓で水酸化されて活性型になるため、力価はおよそ半分である*。活性型ビタミンD過剰による高カルシウム血症を起こした場合、原因薬物中止後の改善に要する時間は、Ca低下の半減期としてカルシトリオールで1.5±0.2日(完全に活性化されているため作用持続時間も短い)、一方アルファカルシドールで3.4±0.4日である**。
*J Clin Endocrinol Metab. 1982 Aug ; 55(2) : 238-43
**Br Med J. 1977 Jan 8 ; 1(6053) : 78-81
沈降炭酸カルシウムは食事中のリンを腸管内で吸着し、便中にリンを排泄させる。カルシウム負荷も同時に行われる。食事中か食直後に服用すると吸着効果が上がる。
出典: 腎不全・透析患者指導ガイド第2版 P38~39 日本医事新報社 2009年
リンの正常値は2.7~4.3mg/dL、透析維持目標は透析前で3.0~6.0、理想的には4.0~5.5の範囲でコントロールする。カルシウムの正常値は8.5~11.0mg/dL、透析維持目標は透析前で8.5~10.5である。
カルシウムとリンの積が60~70になると、関節周囲の組織や血管壁等が石灰化を起こす(異所性石灰化)。活性化ビタミンD製剤服用中は、リンのコントロールが重要になる。
ALPは骨にも多く含まれるので、二次性副甲状腺機能亢進症で上昇する。透析患者の骨の正常な代謝は、ALP正常上限で維持される。ALP正常値は検査法により異なる。
PTHの正常範囲は、C末端PTH 0.5ng/mL以下、高感度PTH 160~520pg/mL、インタクトPTH 15~50pg/mLである。透析患者の場合、C末端PTH4~5ng/mL、高感度PTH10,000pg/mL、インタクトPTH300pg/mLまでは正常範囲と解釈される。
出典: やさしくわかりやすい患者のための透析生活マニュアル 改訂第5版 P67~71, P83~86 日本メディカルセンター 2001年
20150920
Ca高値に関わらずintactPTHが正常範囲の下半分まで抑制されていなければ、副甲状腺機能亢進と考えられる。
出典: ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第1版 P296~297 医学書院 2014年
20150921
CKD-MBDという概念が提唱されている。
一般にPTHはCKDステージ2~3から、高P血症や低Ca血症はCKDステージ4以降から出現するとされている。
20151028
炭酸Ca1g当たりのCa含有量は400mgであるのに対し、乳酸Ca1gあたりのCa含有量は149mgと炭酸Caの方が多い。乳酸Caを炭酸Caと同等のP吸着効果を期待する場合は単純計算で2.7倍の量を服用する必要がある。従って、乳酸CaはP吸着剤としては使われないことが多い。P吸着剤として保険適応があるのも炭酸Caのカルタン錠のみである。 ちなみに、同じく沈降炭酸Ca剤である炭カルにはP吸着剤としての保険適応が無く、制酸剤としての適応になる。
20170913