低すぎる尿酸値はどうも危険らしい。 | 通りすがりの薬剤師が、好きなこと言っちゃいますが、よかですか?

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ある国内トップ製薬会社で営業部門、学術。教育部門を長年経験したリタイア薬剤師。そのへんの薬剤師とは一味違った独自の視点で医療を中心にした旬な話題を語ります。

変質薬剤師です。

おはようございます。

 

痛風といえば、尿酸値。(いきなりですが・・)

 

ちょっと前のデータでは、尿酸値の高くない痛風は全体の0.8%しかいないそうで、逆にいうと、ほとんどは尿酸値が高いということになります。

 

なんか、都市伝説みたいなものに、水飲んだら下がるみたいなものがあって、真剣にやる方がいるのですが、意味わかりません。

水のとりおすぎ、「それ毒です」みたいな・・・。(笑)

 

こういう場合、多くの方が、尿酸を下げる薬を飲まされるわけです。

その中に、フェブキソスタットという薬があるのですが、かなり多くの方が処方されているので、あ、私も飲んでる・・という方も多いでしょうね。

 

尿酸を下げるおくすりには、身体で作られる尿酸の生成を抑えタイプと、腎臓から尿酸を排泄させるのを促進するおくすりの大きくは2タイプありますが、フェブキソスタットは前者、尿酸生成を抑える薬です。

 

さて、このフェブキソスタットを用いた研究が発表されていました。

至適尿酸値は5~6mg/dL

下げ過ぎは有害

という結果らしきものが出た研究です。
 
観察研究では、低過ぎる尿酸値は有害な可能性も指摘されていて、果たしてどのレベルまで下げてよいのかは臨床上の未解決課題となっているため、これを研究してみたわけです。
 
これまで幾つかの観察研究で、血清尿酸値と心血管イベントはJカーブあるいはUカーブの関係にあり、血清尿酸値は高過ぎる場合だけでなく、低過ぎる場合も有害である可能性が示唆されていました。
 
そこで、桜十字八代リハビリテーション病院(熊本県)副院長で熊本大学客員教授の小島淳先生が、第86回日本循環器学会で発表しました。
 
これが、その高尿酸血症治療薬フェブキソスタットを用いた多施設共同の試験「FREED試験」のデータを事後解析した結果です。
 
この「FREED試験」の対象は、血清尿酸値7.0mg/dL超9.0mg/dL以下で、脳心腎血管疾患リスクを1つ以上有する65歳以上(平均年齢76歳)の高尿酸血症患者1,070例。
症例数、けっこう多いですね。
 
主要評価項目は、全死亡、脳血管疾患、非致死性冠動脈疾患、入院を要する心不全、治療を要する動脈硬化性疾患、腎機能障害、心房細動の複合イベント
 
解析の結果、フェブキソスタット飲んだ方々では、
達成血清尿酸値5mg/dL超6mg/dL以下と比較して
 
4mg/dL以下で2.01(1.05~3.87)
4mg/dL超5mg/dL以下で2.12(1.07~4.20)
5mg/dL超6mg/dL以下(基準) つまり1.0
6mg/dL超7mg/dL以下で2.42(1.05~5.60)
7mg/dL超で4.73(2.13~10.5)
 
と、いずれもリスクが有意に上昇、基準を底としたら、前後が上がっているので、J(U)カーブと呼ばれる関係が認められたんです。
 
これででみると、5㎎/dl以下で約2倍だということがわかります。
 
なので、下げ過ぎ注意・・。
ということになります。
 
何事も、「過ぎたるは及ばざるごとし」??
ちょっと、違うかぁ。
 
まぁ、皆さんも、医師の話も良く聞いて、たまにはもらった検査値も真剣にみてみましょうね。
 
でわでわー。
いえい。