上達がスローな生徒、練習嫌いな生徒の考察。

※低学年~中学年

※導入~初級の楽譜の音符は卓上で比較的すらすらと読めている状態。


「弾く」という行為の中での観察記録。



反復練習が五回も行かないうちに、挫折感がわいてくるようで、すぐに無理だと、やめようとする傾向にある。


だいたい2回目でぐちゃっとなると、ふてくされたりあーと唸って顔を歪めたり、鍵盤を雑に鳴らしたりという様子がみられる。


自分がどのような事をすれば出きるようになるのか、そのための過程が想像がつかない。

すべきことも浮かんでこない。


質問形式にしても、片手練習をすればいいのではないかと、普段言われていることを返すだけで、片手練習とはどういった意図がありこの中でどのような思考で行うかは、まったく答えられない。


また自分だけでなく、同じピアノ学習者がどのようにしているのかも想像がつかないので、自分だけができないのだと、自己否定に繋がって気持ちがすぐに逃避に向かう。


質問には沈黙になることが多い。


レッスン中に、どんなに真剣なレッスンをしていても二分ごとに雑談してくることもあったり、目の前のことではなく学校であったこと、明日行く遠足のこと脱線するものに頭が向かっている。

それがいけないことという認識はない。


目の前で起きていること、講師(他人)の気持ちがどういったものか、読めていないのだ。


さらに共通してみられるのは、出来ない理由を分析できない傾向にある。


楽譜に書かれている事と自分の行動が、マッチしていないことに気づかなかったり、ワンフレーズだとしても最後まで目で追えなかったりする。



4拍子中、2拍までしか音価や左右のタイミングの意識を保てなかったりする。

なのでだいたい3拍目や4拍目でミスをする。


指揮棒なんかで音符への目線、楽譜の目配りを誘導し、さらに声掛けで一拍先にでるものを誘導したり、今どこをみればよいか誘導すると、弾けることがよくあるのはこのためだと思われる。


また身体の使い方自体がぎこちなく、頭からの指令を待たず指の赴くままき任せてしまい失敗する。


考えていないのではなくて、考えられていないことが多い。

瞬間的に頭で考えてから弾くというプロセスが習得できていない。


全てではないが、話を聞いてみると、運動全てが苦手という共通点があるし、指導者(人)の動作と自分の動作の関連付けや、再現する洞察力が弱い傾向にある。


また、色々と会話している中で、驚いたのは、本人たちは上達したいとは思わないと答えるのだ。


それらを踏まえて、レッスンを行うと一回のレッスンでもかなりの成長がみられるが、残念ながら自力で同じようにすることは難しいので、すぐに自宅練習に求めるのは妥当ではない。


メンタル的な自立が他の同じ年齢のこどもに比べると会話や思考が少々幼く感じる場合もある。


児童心理学などの専門に及ぶことは知識がないので、全ては自分が経験したものを記録したまでだが、

性格、環境、成長過程、成長スピード色々と絡み合っているようで難しい。


でも一番大事なのは、その生徒たちは、そんな状況でもレッスンでピアノを弾くことは楽しいと迷わず言ってくれること。なのに家でのピアノはもはや忘れてしまう。親が協力的な場合はカバーできているけれど、生徒の本質は変わらない。


私が怒らない、レッスンは楽しくするよう心がけているからか、ピアノをやめようとは強くは思わないらしい。とは言え練習から逃げたい気持ちは生徒に残る。


グレーゾーンとかそうであるそうでないという問題ではなくて、私の所を選んで来てくれているそういった生徒に対し、私はどういったレッスンをすべきで、どんなことが出きるのか、そこを考えているだけ。

ここまでまとまって来たので、的確なレッスンができれば、生徒たちもより有意義に音楽ライフが楽しめるのではないか。



まとめて書いたことがないので、記述したけれど、書くことで、こちらのメンタルの持ちようが変わったように思う。


実際に起きるとすごく大変だと感じていたけれど、今はそれらの原因が気になっている。


一昔前だと、グレーゾーン、性格で片付けられていたかもしれないけれど、最近のこどもたちに置いて上記なことが異常に増えてきたように感じている。


核家族化、コロナで交遊関係が減ったことなどそれらも関係があるのだろうか。