ひょんな事から児童館で小学生の子供たちにワークショップをやってくれないかと、お誘いを頂きまして、記念すべき晴れ舞台を終えました。
まずワークショップで何をしようかなと思って思いついたのが、「縫い物」
衣食住とよく聞くこの頃、「衣が弱いじゃねーか」といつも思っていました。
なら衣を縫う人、「衣縫人」を増やしてやろうではないかと針と糸を使って、なにかを作るワークショップにしようと考えた、さて何を縫おう。
手で縫うから刺し子か刺繍をやるか、それとも小さいサコッシュみたいなバッグでも作っちゃおうか
でもありきたりな気もする、そしてふと思いついたのが
「箸入れ」「お箸袋」または「マイ箸ケース」
ここ1、2年は「マイ箸」を持ち歩いてる、もちろんお手製の布ケースでね
なんで持ち歩いてるかって?
もちろんエコがなんだとかそんなチープな理由じゃない、塗りの箸で食べるのがうまいというリッチな理由だ(割り箸で食べた方が美味しいものもある、蕎麦とか)
そしてワークショップの数日前に思いついたことだけど
箸は橋だってこと
日本ではマイ箸を持ち歩いたって、「マイ箸持ち歩いてんだ、へぇ」「エコだね」止まり
でも、想像していただきたい、もしこれを世界に持って行ったら?それもお手製のやつ
What is this beautiful stuff ? (なんだいその素敵なものは?)
Oh these are chopsticks ! (わお、箸だね!)
Can I see it? And teach me how to use it ! (見せてくれる?使い方を教えてよ!)
と話のキッカケ、友達ができるキッカケになる
そして日本の文化、自分の国の伝統を世界に広め、誇りに思うことができる
いわば持ち運べる日本だ
これはこの間、下駄を履いてタンザニアに行ったときに実証済みだ
「音が良いね」、「これ木なんだ、長持ちするだろう」「いくらで買えるんだい?」とね
そして時に困ったことがあったり自分のアイデンティティに自信を無くしたときに、この箸ケースを見つめてみよう
すると必ずや自分は、このお箸がある国から来たんだと思い出し、なんだか心が救われる、そんな思いになれるお守りとも言えよう
なんなら武器にもなるし、道に迷ったら地面に立てて、倒れた方に進めばいい
とちょっとは冗談だが、ここで言いたいのは、
箸は世界への架け橋、心の架け橋ってことだ
そんなお箸を入れるケース、形をたっぷり試行錯誤しました
なぜなら今回は条件があって、まず子供たちが手縫いができること、洗えること、短時間でできて、なおかつやった感があること、そして楽しいこと
そして素材の問題も、確かにストックしている布は沢山あるけど手放し難かった
というのも持っている生地は、あばあちゃんが遺したインドネシアの手染バティック(もう伝統は廃れてるらしい)やインドで買った生地、少しだけ手に入れた日本の絣織(かすり織り)、タンザニアや他のアフリカンファブリックなど、材料費が請求できるなら、たんまりもらうぜってくらい
でもそんなこと考えるよりまず、形を作らないといけない
そして偉大なる先生、キャンティ(母)と頭と手を動かし、ついに編み出したこの形、長方形の布の端を縫ってもらい、ボタンを付け、縛る紐を作って箸を入れて巻けば完成。
子供たちがやるのは、布と糸選び(縫い糸と縛る糸)、糸通しと玉結び、波縫いとボタン付け
実際に、自分の父とたまたま泊まりに来ていた友達のマー君に予行ワークショップをしてみると、なるほど発見がいっぱいだ、まず玉結びを教え波縫い
実は自分も玉結びの正しいやり方は最近知った、だから必要か?とも思ったが、やれば確かに便利だ
布の端は縫いしろが重なって硬く、子供たちが縫うのは大変と思われたが、折り目をとめるクリップが大いに役に立つことが判明
クリップの終わりの位置に針を刺すと、そこは縫いしろが終わっていて薄く、かつ力を入れやすい、最後は裏返せば縫い目も見えないし(むしろその方が見た目も綺麗)問題は解決
そしてボタン選びに、最後の糸をよるところが面白い
ヘアーツイスターという道具で電動で糸が寄れるのは子供も大人も楽しい
二人は無事、素敵な箸入れを作り上げ、お箸のお話をしてあげた
試行錯誤と完成の達成感、なんだかとても良い時間で自分も大満足、当日はうまくいきそうだ
さて後はベースになる長方形の布を作るだけ
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まずは生地のアイロンがけ
そして生地が一枚では薄いので、二つ折りにして縫いあげる
ミシンは得意だ、でも縫いしろを少なく、そして真っ直ぐ縫うのは集中力がいるし人数も当日まではわからず、15~20もしくは20~30とのことでキープオンソーイング
とりあえず一日ミシンをかける、昨晩の満足感を思い出しながら明日の妄想をしてタカタカ
正直言って全部かっこいいから自分で全部作りたいくらいだ
少し布を手放したくない気持ちがよぎったし、それは母も言ってたことだった
でも考えてもみよう、この日まで手付かずで宝の持ち腐れになってた布ストック達だ、動きを与えて、残った端切れを活用しよう
そして思った、こんなにレアで良い布と、自分がひたすら踏んだミシンで作られた質の高い布達を手にするのは、やはり質の高いスーパーキッズだ!
もしこれがそこらで売ってる布で、テキトーに縫ったら、やっぱり集まるのは、そこそこの子供かも知れない、それが引き寄せの法則ってもんだってね
その日は17セット作った
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当日、ワークショップは2時半から、時間には余裕がある
午前中はひたすらミシンを踏み続ける、大体同じ生地から2つ作ったがそろそろ使える布も減ってきた
足りなくなったら同じ生地から3つ目も切り出そうかと思ったが、着てないシャツを切ったり、少し細くて使えないだろうと思ってた布がぴったりの幅だったり、自然と手助けをしてくれるかのように使える布が現れる
そういえばタンザニアでも、家を一から作ってる時もそうだった
日にちが限られてるので、毎日午前中はひたすらナタを振り、柱になる木を切っていた
ある日の朝、木を切るにはもってこいの日なのに、やる気は出ない、もう腕が疲れている
でも我慢という文字は俺の辞書に無い、今日は何も考えずマングローブ探索に行こう
と出かけると、すでに誰かが切って放置された柱にぴったりな木があったり、いつも切る木より柔らかい木が生えていたり、真っ直ぐで良い形のものがまとまって3本ほど生えていてやる気が起きたり、とはじめに自分が発した意図を応援するかのように自然と与えられる働きがあった
結局28セット作ることができた
念の為ミシンやアイロンも車に積み、児童館に向かった
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児童が学校から来る少し前に着いた
部屋は二つに分かれていて、待ってる部屋に3人子供が来た
まずは宿題をするようだ、しかしこちらに興味を持っている
「この人カツラ被ってる」と少年
「カツラじゃないよ、地毛だよ」といい束ねたドレッドを広げる
「え~!?」そこから子供達はじゃれついてきた
何やらとってもフレンドリーだ、この子達は
始まる時間だ、みんなこんな感じだったらやりやすいな
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あれ30人くらい、いない?
ひとり、ふたり、さんにん、、、25人、足りそうだ、でも多いな
今回この企画をしてくれた人は、自分がタンザニアに家を作った話などをしてくれていたので、タンザニアの話をすることに
「タンザニア知ってる人~?」割といる、「じゃあアフリカは?」ほぼ全員、でも持参した地球儀を見て探せる子も一人いた
お話を少しし始めたけど、ん~でもとりあえずお箸袋作ろうか!
まず布選び、ここでそれぞれの子がどんな布をチョイスするか楽しみだ
でも順番決めをどーするか、じゃんけんがいいという子もいれば、「一年生からがいいー」と言う子もいる
小学校は1年生から6年生までいるならサイコロだろと思いつきサイコロを振る
とりあえず順番が決まった、この後は糸選び、ボタン選びと順番が大切になったときは、始めのサイコロ順とその逆順で乗り切る
んじゃ針に糸を通そうか、やったことある子もいるが、ほとんどの子は「さむー」「さむー」とヘルプを求める、もちろん助っ人に連れてきた父とマー君も引っ張りだこ、先生も三人いたが、皆忙しく手伝う
次は玉止め、案の定伝えるのは無理、各テーブルに行って教えるが針だって掴むの慣れてないんだ、玉作ってる間に針から糸は抜ける抜ける、「じゃあ手で結んじゃうか」ってそれも大変みたい、じゃ代わりに結んであげます~
もちろん出来る6年生には他の子に教えてあげてと、もはやスタッフ側に引き込む
まあこういう事もあるよねと、でも時間内には完成させてあげたいから、横を縫うのはミシンでやってあげて、ボタンだけなんとかつけてもらおうかと計画変更ー!
みんなも賛同してくれたし、目の前でミシンがけを見るのも新鮮だろう
もちろん、ここまで好きな布を選び、縫い糸の色を選び、ボタンも自分で選んだので、持ってきたミシン糸を選んでもらい毎回付け替えて縫う
午前中と前日にひたすらミシンがけしてて良かった、お陰でいくらでも素早く出来るぜ
ぼちぼちボタンを付けれた子が現れた、最後の美味しいところ、縛る紐をクルクルよるところ、これも女の子に教えて、他の子のも手伝ってあげられるか聞いて、任せた、それでも「さむー」と呼ばれればミシンの手を止め駆けつける
気付けば時間は過ぎてお迎えが来た子もちらほら、その子達を優先にミシンをかけ、紐作りをする
段々お箸袋が完成した子が増えた、どれもカッコよく、かわいい
ようやく全員完成!よくやったぞみんな!(子供も大人も)
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今回のハイライトは、ある少年
試作品で海水パンツの生地から作った箸袋を見て「これ(柄)かっこいいな~」と言った少年がいた
そして途中でも「これないの?」と言った、あいにく同じ生地はなく、じゃあ試作品を解くからこっちを縫う?と勧めると、うんと、うなずいた
しかし引っ張りだこで、それどころじゃなくて、ミシンでみんなの端っこを縫っていると、その少年も縫ってもらいに来て、また「これいいな、ちょーだいよ」と言ってきた
彼はタンザニアで買ってきた布を選んでいた、これも良いと思うけどね、と実際にカッコも良かったしボタンもピッタリだったのに、試作品の方を切望している
なので聞いてみた「じゃあ交換しない?」彼がどう出るか
すると「ん~やっぱオリジナル(自分で作った)の方がいい!」と
鳥肌が立つほどに嬉しかった
そう、このワークショップの趣旨は、自分の手で作ること、それに伴って愛着が湧き、長く使い続けられる、そしてこんなものが作り出せるんだと、作る力があるんだと実感することだ
この少年はそれがわかったのだ
彼のオリジナル










