カニ大漁、そして火事

 

海沿いの生活とは面白いもので、ある事を意識して生活しないといけない

 

それは何かというと

 

潮の動き、つまり満潮と干潮である

 

これによって取れる魚の量も違えば自分のテントが沈みかねない

 

それは朝の4時ごろだった

 

外で人の声が聞こえた、こんな時間になんだろう

 

少し慌てるような声だ

 

テントの外に出ると波がすぐ近くまで迫って来ているではないか!

 

その波はメンバーのテントにまで達して急いで荷物を移動させている

 

幸いにも自分のテントはもう少し奥だったので平気そうだが、他にも海沿いにテントを張っている人がいたはずだ

 

急いで駆けつけるとまだ寝ているようだ

 

ザーザーと波は来ている

 

「波来てますよー!」と起こした

 

そして徐々にピークも迎え、潮は引いていった

 

こんなこともあるんだな、と二度寝した

 

もうちょっと内陸で寝ればいいじゃないかと思うだろうが、こっちの方が涼しいのだ

 

満潮の時間は毎日変わっていくので、明け方少し目が覚めた時に波の音が近づいているがわかっても時間を見れば

 

ほっ、もうピークを過ぎたから大丈夫だと思えることもドキドキの生活が楽しい

 

時計はG ショックを持っていった、防水なので海につけて入れるしソーラーなので電池が切れる心配もない

 

しかし世界時計の電波は入らないので時間は変わらない、なのでマイナス6時間の他の国に設定した

 

満潮が高かったおかげか二度寝から起きてテントから出ると小さいカニが歩いてる

 

おっカニだ、あっあそこにも、ここにも!

 

テントの周りは軽いマングローブのような植物があり、その根回りにカニが隠れていた

 

流れ着いた大きめのペットボトルの上をナイフで切り落とし口を大きくした後

 

カニをバッと上から捕まえてはペットボトルに入れる

 

バッと瞬時に掴んで入れるか、手のひらで動かないようにしてからうまいことハサミを指で押さえて掴む

 

さもなければこのカニ、手を挟んでそのハサミを置いて逃げるのだ

 

小さいとはいえだいぶ痛い

 

しかもハサミは肉体から離れてるにも関わらずしばらく引き離せないほど力が入ってる、おそるべし

 

だがこっちだって葉っぱばっか食ってられねぇ

 

追っかけて獲る獲る

 

根を包囲し360度ぐるぐる隠れてるやつも引っ張り出す

 

そしてわしゃわしゃ容器は一杯になった

 

「カニがとれたぞー!」

 

ついに狩猟採取の始まりだった

 

今回このタンザニアで覚えた言葉がある

 

それは「全自動」だ

 

日本人メンバーでエコビレッジ作りに特化してる人が教えてくれた

 

説明すると全自動とはサバイバル時などで3日も経つとみんながどんどん食べるものを手に入れたり必要としていた物を持ってくる、しかも量は増えていく、いわば引き寄せの法則だ

 

彼が主催するサバイバルキャンプでは泳げないと言っていた子供が気づいたら海に潜り魚を取ってくるようになったという

 

そんなんで全自動が働いてカニが手に入ってからは皆テンションが上がった

 

夜はカニを揚げて塩で食べた

 

小さいので殻ごとバリバリっと、そして口に広がる風味、うまい!

 

ウガリを入れたカレー風の料理も作り米を手に入れてチャーハンを作る日もあった、カニチャーハン絶品です

 

今日はバナナの苗も植え雨水タンクの台も作り、カニを楽しみ、いつものまったり時間になった

 

切り揃えた藪の枝や葉、ゴミも少なからず出たのでそれも燃やして毎晩キャンプファイアーもした

 

実はこれ身を守る方法でもあり、動物よけにもしているのだった

 

そんな中、他の場所で大きな炎が上がった

 

どーしたどーした、駆けつけると昼間枝が積み上げられていた近くの木々が燃えている

 

火が燃え移ったんだ!

 

全員で消火活動開始!!

 

井戸水は立て続けに水が汲めるわけではなく、貯めてろ過もしていた井戸水やら雨水やらをバケツリレーし長い棒で火種を広げたり砂をかけ(やり方を気をつけないといけないが)表面温度を下げたり、祈って鎮火を促したりする者もいた

 

自分も始めは消火活動に専念したが水も尽き、もう他に燃え移る心配もなくなった頃

 

ただただ火を眺めた

 

アフリカの何もない土地で「火」という自然の神秘

 

危なくて美しい beautiful & dangerous という元素に心惹かれた

 

人類の進化に大きく飛躍を与えた「火」という存在

 

魔法を見ているような時間だった