日が昇るのと同時に目を覚ました
ウジ(ウガリのお粥)を食べて家づくり
最終日だ
まだ完成とは言えない状態だったが、急にアリファが現れた
最後の工程は家の真ん中に建てた太い2本の柱から、六角形の家のそれぞれの角にわたした枝に、さらに細かく横木をわたした
ちょうど真上から見たら蜘蛛の巣みたいな感じだ
枝と枝の繋ぎ目はロープで縛って固定
アリファのおかげで速度は3倍くらいになった
彼はなんでも出来る海の百姓
屋根の骨組みを次々作り、たまにパーツが足りないと、どこかに取りに行ってくれた
また最終日とはいえ、気持ちよくゆっくり過ごした、ここともしばらくお別れになるからだ
インド洋でドレッドを洗うのも最終日
頭に塩が溜まったことはない、遠浅だが潜って、髪をたなびかせる
インド洋はなかなか良い、誰もいないプライベートビーチ
気持ちいい温度に暖かい太陽光線、煌くしぶき
聞こえるのは波と風の音のみ
屋根の骨組みが出来たら、いよいよ葉っぱを乗せる
この日の為に何百枚と葉っぱを切っては、引っ掛けられるように加工し干しておいた
下から順番に掛けていく
アリファが外から渡してくれて、自分は中から腕を伸ばして枝に引っ掛ける
だんだん上になってくると、手が届かなくなるので、ビールケースを重ねた
徐々に屋根で日陰ができてくると同時に日も暮れてきた
アリファは黙々と手伝ってくれた
最終の仕上げに、またあの不思議な力が働いた
目的を遂行するために働くあの力
もう完成を信じて動くのみ
出来る、だってそれをやる為に来たんだもの
結局日は暮れて暗くなった頃、材料も使い切り一応完成した
アサンテ アリファ(ありがとうアリファ)
アサンテ カー マイーシャ(ありがとう人生)
そして最後の夜ご飯
このウガリがまた格段と美味しい
沢山働いて、精一杯生きて(全て自分のために)その後に待っているご飯というものは、最高のご褒美だ
この今回の渡タン(タンザニアに渡航)が意味するもの、それは沢山あったがその中でもよくわかったことは
明確に「これをしたい」とか「ここに行きたい」とか明確な意図を飛ばすとその願いは受け付けられる
そして応援する力が働いて、たとえばやる気が出ない時はやめたって、必ずやる気を取り戻すために良いことが起こったり、それに必要なだけの時間もエネルギーも供給されるものだった
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最後の晩は作った家の近くで焚き火をした
余った木や葉っぱの切れっ端などを燃やした
一回目の滞在も最終日に焚き火をしたので、これも締めということで火を焚いた
テントを家の近くに立て直し、荷物もまとめた
結局できた家で寝るところまでは行かなかったものの、気持ちはその家で寝ている
チューイ(エコビレッジの大きい方の番犬)がテントのそばに珍しく来た
そしてそのままテントの横にいてくれた
まだ焚き火の火は小さく残っていたが、そのまま最高の安堵の眠りについたのだった

