憧れのウガリにありつき、ドレッド作り

 

さあ朝だ!

 

ざざ~ん ざざ~ん と波の音、ピーチクピーと鳥の声

 

テントのチャックを開けると爽やかな海風、打ち寄せる波が見えた

 

さて今日は飯にありつけるのか?

 

少し体が重い

 

日本にいた頃は一日一食やプチ断食をすることがあったが、ある時三日間断食をした時だった

 

いつもなら二日目の朝になっても体は軽く感じるはずだが「三日間」と考えることによって

 

二日目に体が重くなり少しだるくなった、そして三日目に軽くなった

 

それは、「待て」の状態を強制に感じた体が反応し重くなり、終わりが見えたから戻ったという思考によるものだと、改めて三大欲求の強さを知り心の弱さを知った(無理もないけどね)

 

そして今回は終わりが見えなかったので、一晩で反応してしまった

 

とりあえず歩き回る

 

食べられるものはないのか

 

浜辺を歩いていた

 

んっあそこに漁師が網をいじっている、どうやら網に絡んだ海藻や貝殻などを取り除いていた

 

近寄って挨拶し、手伝わせてもらった

 

手伝うというより、正直いって何かおこぼれがもらえないかという下心だ

 

でもこれもサバイバル能力っちゃ能力だと思う

 

向こうはスワヒリ語オンリーなので大した意思疎通もできなかったが優しい人だった

 

全て取り除き終わると彼の集落へ着いていった

 

土壁の家が10~20軒もないくらいだろうか、アヒルや鶏が歩き回るところで守られた空間だった

 

広場に共同の東屋のようなキッチンがあり、そこに座った

 

彼の家族が来た、奥さんと子供たち、そして彼の親?

 

子供達は地面に絵を書いて遊び一緒に遊んだ、気が紛れた

 

一応キッチンも何か用意をし始めているぞ

 

するとラマというエコビレッジを手伝ってくれているタンザニア人が来て、仲間たちの所に戻った

 

なぜここが?と思ったがのちに彼の家もここにあることを知る

 

そしてさっきの漁師、彼の名前もラマという(紛らわしい!しかしラマという人はよくいるらしい)

 

最終的に他の日本人メンバーも食べ物がないことに体が反応してしまい、ウガリというタンザニアだけでなくアフリカ(少なくとも東では)で主食とされるトウモロコシの粉を沸騰させたお湯で練って固形にした物を食べる事は良いだろう、ということで粉を手に入れて食べることになった

 

ウガリの存在は高校生の時に読んだ「心にしみるケニア」という本に載っていて庶民の素朴な食べ物というイメージだったが、だからこそ食べたい!とずっと思っていたのだ

 

やり方も何となくを発起人たちから聞き見よう見まねで鍋にお湯を沸かし、沸騰したら粉を入れかき混ぜ、ダマを潰しながら練り上げる

 

何かできた

 

その時は粉っぽい味だったような記憶

 

しかし徐々に現地人レクチャーも受け、どんどん上達していった

 

上手く練り上げるといい香りがしてくるのだ

これはだいぶ上手くなってからのウガリ、揺らすとプルプルと震え蒸しパンのような感じ

 

お腹も満たされエコビレッジ活動が始まった

 

まずは水洗トイレ作り

 

雨水で流したモノがパイプを通ってバナナの下に届く設計

 

ただ流れていくのではなくて、海に流れ着いたペットボトルに穴を開けたものを埋め、そこで微生物が活性するという仕組み (詳しいことは知らないけれど) 

 

海は浅瀬が長く砂が巻き上がるのでモリは使えないとのことだったが、木の船を手に入れたので明日は漁に行けそうだ

 

メンバーの中にドレッドをしたいという人がいて、そのペットボトルの穴あけ作業中に後ろでかぎ針を使いチクチクと始めたり、ノミを使ってお香立てを作った、メンタルを保つ為には物作りしかない

 

そう感じた。

ドレッド一本め

 

自然といえば茂みから茂みへと駆け抜けるヒヒの家族がいた、大きいのは人間サイズで初めてだと怖いが向こうも怖がっているので何かされる事はない

 

そして夜空には星々が輝いていた

 

暗闇を歩いてテントに向かっていると、何か光るものが頭上をよぎる

 

蛍だ!心なしかテントまで案内してくれた、すると木に沢山の蛍がとまっていてクリスマスツリーみたいだ

 

ダルエスサラームから離れどっぷりタンザニアを感じる日だった

 

テントの入り口を閉めお香を焚き、眠りにつく