上層部付近。
どこかで稼働する機械の音が、遠雷のように低く響いている。長く続いた階段も、ここで終わる。
ひらけたこの場所は、まだ開発の途中らしい。クレーンやシャベルといった重機が、用途を忘れたかのように点々と放置されている。完成がいつになるのかは誰にもわからない。数年後か、数十年後か、あるいはこのまま未完のままか。
さらに離れた一角に、小さな祠があった。
無機質な構造体に囲まれたこの場所には、あまりにも不釣り合いだ。それでも、人は何かを祀り、何かを祈る。理由よりも先に、そうしてしまう生き物なのだろう。
祠の前には、小さな花が添えられていた。
私も倣って手を合わせる。何に対してなのかはわからない。ただ、この都市がここまで積み上げられたこと、その途中に今も立っていることに対して。