そちらを先にお読みください。
では、カルチャーショック編です。
再び長文ですが、お付き合いください。
韓国のお葬式というのは映画やドラマ、テレビのニュースなど映像で見たことがあるので、
なんとなく想像はついていたのですが、実際体験してみると衝撃がいっぱい
項目別に整理していこうと思います。
韓国は食事文化、日本は贈り物文化
というのを実感しました。
日本のように葬儀に来た方に贈り物でお返しすることはありません。
葬儀に来た方には必ず食事をして帰ってもらいます。
葬儀に来られなくて香典だけの方も直接会って、食事でお返しします。
私のお客様は会社の上司と先輩だったので、後日昼食をご馳走する予定です。
葬儀に参列してくださった方にもきちんとお返しをするようにと義姉に指導を受けました。
韓国も男中心社会
なので、長男が1番です。
夫の兄弟ははお姉さん3人、弟なんですが、4番目の夫は長男なので、
喪主のトップに当たります。※韓国では家族全員、喪主というそうです。
私は長男の嫁なので、あらゆる儀式のときに前に立たされました。
本当に恐縮でしたよ・・・。義家族内では下っ端だし、外国人なのに~という感じで。
実際の葬儀委員長は長女でしたけどね~。
家族の呼び名が立場によって違う
これ、未だに覚えられなくて、結局、葬儀が終わった後に「何てお呼びすれば~」と
家族に尋ねたバカ嫁です
取りあえず、私の場合は・・・
私→義母-オモニム(어머님)
私→義姉-ヒョンニム(형님)
私→義姉の夫-アジュボニム(아주버님)
私→義弟-ソバンニム(서방님) ※未婚の場合はドリョンニム(도련님)
私→義弟の妻-ドンソ(동서)
と、なります。
これ、夫側からや立場が変わったりすると、変わるんですよね・・・。
取りあえず、自分のだけ覚えておくことにします。
そう言えば、義父の実年齢が住民登録と違うことを今回知りました。
76歳だと思っていたら、80歳だったそうです。
韓国アルアルですね・・・。
家族に関連して・・・
義家族、母方の家族の葬儀には忌引きが使えない
これはうちの会社だけかもしれないんですが、そう言われまして、
私はお葬式の2日間、有給休暇を使わされ~葬儀の次の日には出社するという
精神的にも体力的にも辛かったです・・・
義家族からは「そんな会社があるの??有り得ない!」と大ブーイングされました。
ちなみに義姉の旦那さん(アジュボニム)は5日ぐらい忌引きが取れたそうです。
法律的には問題ないそうなんですが、全く情のないヒドイ会社です・・・。
はっきり言って差別ですよね~。
義家族や母方の方が仲良かったりするじゃないですか~も~プンプン
お葬式に子供を連れて行かない
これは常識です。確かに家族、親戚以外の子供は見ませんでした。
が、さすがに義姉の息子は祭壇内を行ったり来たり・・・
ま、彼のおかげで私は辛~い葬儀時間が退屈な時間にはならなかったです。
それと、本当にありがたかったのは、産後1ヶ月の夫のいとこのお姉さんが
葬儀の手伝いを積極的にしてくださったこと。
本当に感謝感謝で、今後頭が上がらないです
1ヶ月の赤ちゃんは旦那さんやおばあちゃんが見ていましたよ。
家族は号泣すべき?
だそうですが、義父があの義父なだけに、なかなか泣けないのが事実。
息子2人は涙一滴も出していませんでした。
が・・・私は全く知らない義父の妹という人が、「アイゴ~!アイゴ~!」
と大声で大号泣。そして、場面が変わるとケロッとしていて。
「あ、演技ね、嘘泣きね。」と思い、かなりドン引きしました。
でも、嘘泣きでも号泣しているフリを見せるのが韓国のお葬式だそうで、
私にはそこまでできませんでした・・・。
ビックリしたのは、その妹に義母が「静かにして!」とピシャッと言ったこと。
ま、本当にうるさかったけどね。
お葬式と宗教
ここからはお葬式の中身について話そうかと思います。
日本もそうですが、お葬式と宗教は深く繋がっていますよね。
義父は無宗教だったので、宗教に関係ないシンプルなスタイルで行いました。
でも、儒教スタイルのお供え物は準備しませんでした。
というのは、義母がキリスト系の宗教なので、儒教スタイルはしたくないということで。
こっそり撮った受付側から見た祭壇写真
真ん中にお線香が立ててあるのですが、弔問客の方が立てますし、
日本と同様、消えないように気を付けます。
日本のように長時間OKのぐるぐる線香ではなく、すぐ消えてしまうので、
私はこれを消さないように寝ずに見守っていました。
お隣の祭壇はキリスト教スタイルで、何度も礼拝が行われていました。
火葬場では仏教の方がいたようで、お坊さんがいらして何度も「チーンチーンチーン」と
鐘を鳴らしていました。
お葬式とお金
韓国も香典代というものがあります。
賻儀金(プウィグム/부의금)と言います。
コンビニなどで封筒が売られていますが、
韓国の結婚式同様、会場にも封筒が用意されているので、そこで書いて出しても大丈夫。
ま、できれば、準備されて行った方がいいと思います。
受付で出すのですが、私、びっくりしました。
受付の机に備え付けてありました。この穴の中↓に入れればよしです。
他にビックリしたのは、いろんなところにお葬式の費用が目に見えるところに書いてあること。
お葬式なのにここで営業するか~と・・・。
そして、花輪。
家族の関係各社、団体から届きました。
賻儀金の相場は亡くなった人の家族の知り合い場合、基本5万ウォンです。
遠い関係なら、最少3万ウォンですね。
ちなみに、夫の親友は10~30万ウォンぐらい出していました。
そして、賻儀金 - 韓国の葬儀にかかる費用 = プラスになります。
それだけ、韓国の葬儀にかかる費用は多くないということです。
うちは総費用、1200万ウォンぐらいで、賻儀金はその3倍ありました。
ありがたいことです。
うちの実家からは先日私の父の葬儀の時に出してくださったお金と同額をそのままお渡ししました。
もちろん、海を越えての葬儀なので、実家から誰も弔問できませんでした。
お葬式の食事
お葬式の食事は葬儀会場で作られる食事です。
朝から夜までず~っと追加されます。
葬儀代の半分は食事代でした。
食事はキムチやジョンなどおかずがいくつか、
ご飯、汁物(ユッケジャン、プゴクッ、コンナムルクッ)。
時々、みかん、プチトマト。
お酒のおつまみとしての干物、ナッツ。
飲み物はお酒(焼酎、ビール)、ジュースなど。
まずくはありませんでしたが、ず~っと同じ食事なので、飽きてきます。
でも、お腹は空くので食べないと…と。
2日目の夜は出棺まで付き合える方々が残ってくださり、
こんな状態に・・・お休み中(モザイクは寝ている方)。
私も3日目の午前3時頃ここで横たわっていました。
お葬式での服装
皆さん、ここ、気になるところだと思うんですが、
日本のようにちゃんとした喪服を着ていかなくても大丈夫です。
黒っぽい服か地味な色の服であれば、問題ありません。
うちの弔問客の方々は急いでいらした方が多かったので、ほぼ普段着でした。
急いで駆け付けた感を出すのがいいようですね・・・。
遺族、親戚以外でちゃんとした喪服を着ている方は見ませんでした。
前の記事で書いたように・・・
遺族の男性陣は黒スーツ、黒ネクタイ、女性陣は黒韓服(チマチョゴリ)が基本です。
お葬式の雰囲気
え~何度も書いていますが、義父があの義父なだけにお葬式の雰囲気は
普通と違うと思うんですが、うちのお葬式はぶっちゃけお祭り雰囲気の宴会でした。
他のお葬式はたぶん悲しい雰囲気の宴会だと思うんですがね・・・。
義家族にとっては知り合いが一度に会する場なので、嬉しかったと思います。
でも、私は正直、悲しくなりました。
日本で実父の葬儀のときも友達に連絡することができず、慰めてくれる人がいなくて、
悲しい気持ちを自分で消化するしかありませんでした。
現在の拠点である韓国でも友達に連絡することができず、私はこの辛い気持ちを
どうしたらいいんだろうと、本当に悲しくて悲しくて仕方がなかったです。
なので、ブログ読者の皆様、私を慰めてくださ~い
いいね!だけでも、とっても励みになります。
今回、「2カ月の間に実父、義父を亡くすなんて、やっぱり私、スーパー厄年だわ・・・」と
再び実感したので、来月、日本に帰ったら、すぐに厄祓いに行こうと思います
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。