James Setouchi
2025.2.18
日本にバレンタインデーは必要であるか否か(700字程度)
答案例1
私は、日本にはバレンタインデーは必要ではないばかりか、有害だと考える。
確かに、バレンタインデーはすでに男女交際を助長するものではなく、女子同士の楽しみであり、互いに仲良くするよい機会になりうる。企業にとって経済効果もあるし、カカオ原産国に富を還流できる。いいチョコは体にも良い。聖バレンタインについて研究すればキリスト教と愛の精神を学ぶ機会にもなる。この日を楽しめる日本の平和と豊かさは世界に発信できるものだ。
だが、反論したい。男女交際の日としてのバレンタインデーもまだ色濃く残っており、チョコをもらえない男性にとっては依然屈辱の日だ。女子同士のチョコ交換でも、それを機会にいじめがなくなり互いが融和できるとは限らず、スクールカーストを強化する形で機能する場合も多い。女子たちは互いの人間関係に苦慮しこの日のためにせっせとチョコを作るので疲労困憊する。そもそもチョコに頼らず融和するべきだ。企業の稼ぎは生産国にモノカルチュア経済を押し付ける。チョコは甘くなりがちで体に悪い。特に高齢者の歯にはよくない。聖バレンタインについて深く研究する人は少ない。日本の平和と豊かさは年に一度の商業主義のチョコによるべきではなく、日常的な交流の中で確認されるべきものだ。にもかかわらず現今のバレンタインデーは、年に一度、商業主義に飲み込まれ、華やかに浮き立つ感じの中で行われており、弊害の方が大きい。
これらから、私は日本にはバレンタインデーは必要でないばかりか、有害だと考える。 38字カケル19行=722字以内
(40字詰めだと17行で700字以内になります。)
答案例2
私は、日本にはバレンタインデーが必要であり、もっと盛んにすべきだと考える。
確かに、バレンタインデーは男女交際を助長しトラブルを生むことになりうる。女子同士で行う場合でも人間関係の難しい配慮を要し、女子たちは疲労困憊しがちだ。企業の経済効果と見えるものは、実際には原産国にモノカルチュア生産を押し付けるものでしかないかもしれない。チョコはしばしば体に悪い。聖バレンタインについて学ぶ人は少なく、ゆえに国際理解にもつながりにくい。日本人はこの日を商業主義の戦略に乗せられて騒いでいるだけかもしれない。
だが、すべての文化・行事と同様、バレンタインデーもまた、活用の仕方によっては素晴らしいものとして生かせる。学校や職場の人間関係をよくするためのよい機会として活用できる。原産国に対しフェアトレードで買い付ければ富の還流は可能だ。甘くなく健康に良いチョコを開発すればいいし、チョコでなくても本や花を贈るのでもよい。聖バレンタインの愛と平和についてしっかりと学ぶ機会にできる。商業主義の戦略に乗せられないよう配慮すればよいし、何より高齢者や障がい者と仲良くする機会として活用できる。
私たちの周囲には、軍国主義を称揚する行事、競争をあおりたてる行事など、その意義を疑う行事もある。だが、それらに抗して、バレンタインデーを有効に活用し、愛と平和について考え実践する機会としていけばよい。平和で豊かな日本だからこそこの形で世界に貢献できるはずだ。これらから、私は日本にはバレンタインデーは必要であるばかりか、もっと盛んにすべきだと考える。
38字カケル19行=722字以内
(40字詰めだと18行で720字以内になります。)
上記の例1、2は、日本がまだ儲かっているときに書きました。今(2025年)はそれほど豊かでなくなっているので、書き直しがあったほうがいいかもしれません。また、平和ではなく戦争の危険もあるため、「戦争を防止し平和を築くするためにも東アジアの人びととチョコを交換し」などと書けるかもしれません。