James Setouchi

2025.1.27

 

ブログ 日曜討論および国会代表質問から(私的感想)

 

・まず、私は「支持政党なし」のいわゆる「浮動層」だとお断りしておく。ここでは「中立」とかではなく私的感想を書く。だがまだ「意見」というほどまで練り上げたものではない。

・まだ途中。論戦はまだ続くので期待しよう。

 

2025.1.26(日)朝のNHK「日曜討論」を見た。この「日曜討論」は面白いのでお勧め。それぞれに着眼があり見識があるものだと感心する。

 

・某政党の、「所得向上と言うが、働く人の賃金をアップしさえすればいいのではなく、働けない人、障がい者や重病の人も含めた幸せを考えるべきだ」に共感。その通りだ。・・・そもそも「働く」って何だ? 所得につながりにくい(または、始めからつながらない)働き方をしている人って実は沢山いるんだよね、ということはこれまでに書いた。神主さんやお坊さんは必要だが本来所得のために働いてはいないはず。町内会長やPTA役員も結構ハードに働いているが、報酬(所得)はゼロ円。対して投資や株の配当で稼ぐ人は・・?

 

・某政党の、税収は増えてますよ、というのはなるほど、と思った。物価高で消費税をかけると税収は増える。確かに。(でも歳出も増えるから油断はできないが。)

 

・某政党の、防衛予算は上げろ上げろと言っておいて、社会保障予算は削ろうとは、これはおかしい。政府(国家)は国民(この列島の住人)の幸福のためにあるのであって、そのために国民(住民)は税金を払っている。武器産業や武器産業の株主(まして外国の)を儲けさせるために税金を払っているのではない。また、自助努力・自己責任主義はあやまりだ。現実に、生まれた時に五体満足で環境も良好で「甘い汁」を吸える立場にいる人と、マイナスからの出発の人とが、世の中にはいるじゃないか。「親ガチャ失敗した」などと若いやつに言わせたのは今までの大人の責任だ。若い普通の大学生が借金まみれでサギに使われるなんて事態もおかしい。

 

・防衛費増額と言うとき、アメリカから言い値=先方のふっかけてきた法外な高値で(いつぞやのA政権がやったように)買うべきではない。国民の税金はアメリカの武器産業と株主のために納めているのではない。しかも3~5年すればもう旧式になって、また買い換えることになる。その点田中角栄先生は賢かった。中国と仲良くすれば防衛費が安くつく、ということをよく知っておられた。これがリアリズムだ。もちろん中国も当時と今では少し違っているが、中国も戦争をしたらコストがかかりすぎると分かっているはず。すでに中国経済は内部で混乱している。

 

・某政党が指摘した、防衛予算は総額世界3位になる教育予算の対GDP比はOECD先進国で下から3位(でしたっけ? 正確に聞き取れなかった。さっきGLOBAK NOTEというサイトで見たら2023年の公的教育費の対GDP比は日本は3.24%。データの年度は少し違うが182国中132位でタンザニアより下でセルビアと同じ。フィンランド(6.54%で世界20位)やイスラエル(6.46%)に比べれば半分。フランスとアメリカは5.43%。イギリスは4.96%。韓国は4.87%。ドイツは4.54%。中国でも4.02%で日本はその8割しかない。)というのにあらためて驚く。

 

*表にしよう。公的教育費の対GDP比

 

フィンランド 6.54% 世界20位

イスラエル  6.46%

フランス   5.43%

アメリカ   5.43%

イギリス   4.96%

韓国     4.87%

ドイツ    4.54%

中国     4.02%

タンザニア

セルビア   3.24%

日本     3.24% 世界132位(182国中)

 

 上の表は教育予算だ。

 

 しかも防衛予算はアメリカの武器産業を儲けさせるばかりだとすれば・・? 防衛費がリアリズムのために必要だというのは実はウソで、防衛(軍事関連)産業を肥大化させ軍産政官複合体のもとで軍国主義の暴走競争を招く危険なチキン・ゲーム(例の映画の題名じゃないがこれこそ真のデス・ゲームあるいはカタストロフィ・ゲームなのだ)をもたらすものだ。そこを分かっている大人がリアリズムの持ち主だ。前の戦争ではっきりしているじゃないか。戦後は軍事費にカネを使わなかったから豊かになれたのだ。これがリアリズムだ。危険な軍拡ゲームに参加するよりも今の子供や若者を育てることだ。今の子供たちや若者を育てなければ未来がないよ。これもリアリズムだ。なお、教育関連予算と称してまたIT屋さんが儲けてアメリカ(や中国)のIT産業に上納するとしたらこれも問題だ。

 

2025.1.27(月)午後の国会中継を一部見た。結構面白かった。首相はもちろんだが議員の方々もそれぞれに勉強しておられて、さすがだ。互いにいい提案をして、世の中をよくするいい法案ができてくるのではないか、と期待した。「話せば分かる」同士だ。これが議会で、民主主義だ。

 

・初めて大臣として発言される方もあったのだろうか。緊張しておられたようだったが、大丈夫。これから経験を積めば上達します。大臣になってもますます努力が大事、というわけですな。

 

森山さん(自民)は(私はなぜか森山さん贔屓なのだ)頑張っておられた。さすが与党の重鎮で様々な観点について包括的に質問しておられた。頑張って読んでおられるときに途中でヤジを入れたのはどなたですか。少し怒っておられたように見えた。話の切れ目切れ目で「よし!」とか「そうだ!」とか拍手とかがあるのはいいと思うけど。或いは、疑問や反論のある人は「そうか?」も切れ目でならいいかな? 年長の偉い人が頑張って読んでおられるときにヤジはどうかと私は思いましたよ。

 

・森山さんは西郷さんの「新政厚徳」に言及された。「新政厚徳」は西南戦争で西郷軍が使った旗印の言葉だそうだ。秋田の酒店も名前に使っている。

 

・少し脱線するが、「新政厚徳」について、神田嘉延氏は次のように述べる。

「西郷が今、兵を挙げた大義名分は、今の政府に対しての大義名分で天下の道徳品行を害したものではない。西郷は立国の大本たる道徳品行の賊にあらず。維新後において、西郷は、島津家の首尾を失い参議として廃藩置県の大義を実行したのである。西郷は決して自由改進を嫌うにあらず、真実に文明の精神を慕う、武人といえでも兵力専制をめざすものでもないと福沢諭吉は評価する。」

「福沢諭吉の証言ということから坂元盛秋は、1971年に「西郷隆盛」を出版している。坂元の父は西南戦争の薩摩軍の生還者である。坂元は、7校教授、鹿児島大学理学部教授をされた人である。坂元は、廃藩置県をはじ西郷の二年間の公平な自由と平等をめざすことや民権をはじめて日本の政治の中で民衆に定着することが、日本の近代史で抹殺されているとしている。」

政府の収奪にあえぐ農民達が薩摩軍のかかげる旗印「新政厚徳」という世直しに期待したのである。この「新政厚徳」の旗印は、その後、明治17年秩父(ちちぶ)自由民権の農民蜂起の世直し運動を指導者した井上伝蔵もかかげたものである。西南戦争での新政厚徳という仁政の公道による世直しの旗印に、井上伝蔵等の秩父の自由民権による農民蜂起でもだされたのは、注目すべきである。」

以上、「西郷隆盛の再評価と稲盛経営哲学」、『鹿児島大学稲盛アカデミー 研究紀要』第6号(2015)。言葉は少しおかしいが直さず原文のまま示した(太字とふりがなはJS)。西郷は封建的な体質の持ち主のように言われがちだが実は福沢も評価し貧しい農民が期待し秩父の自由民権運動の人びとも共感する、公平な自由と平等をめざし自由民権運動にも通じる新しい思想の持ち主だった、と再評価している。これをもっと平たく言うと、誰でも一人の取りこぼしもなく幸せになれるいい政治をしようね、ということであろうか。

 

・もとに戻る。

 

明治の「強い日本」→戦後の「豊かな日本」→令和の「楽しい日本」は面白い。野田さんは違和感を表明されたが、今まで「不安で夢も見られず楽しくない日本」だったからこそ「楽しい日本」にしようよ、という石破さんの気持ちはわかります。「楽しい」は「安心安全を感じ自分の夢に挑戦し明日は今日よりよくなると実感できる」という意味だそうだ。なるほど。「明日はよくなる」の意味をまた質さないといけないが、「明日は今日より悪い」とか「明日も今日のように悪い」は困るのであって、「安心安全であって、自分の夢に挑戦できて、明日は今日よりよくなると実感できる」は、よい。但しそれはカネだけの問題ではあるまい。(カネも要るが・・)なお「国家である」もいいけど「社会である」の方がよかったと思います、ハイ。

 

食糧とエネルギーの自給は最重要課題。東アジア情勢が危なくなると、たちまち我々は干上がる。国民を食わせるのが政治家のやるべき第一のこと。上杉鷹山は天明の飢饉でも餓死者を出さなかった。自衛隊員や自衛隊装備(武器)をいくら揃えても、後方の食糧とエネルギーがダメだと、何にもならない。石破さんはよくおわかりだろうが。

 

所得だが、一部富裕層がさらに超富裕化して、大多数の国民は貧しいままでも、平均値をとれば所得は上がったことになる。これは数字のまやかしだ。どこかの外国がそれだ。いや、今や日本も貧富の差が広がりすぎた。中央値で見なさい、とはよく言われる。同時に、中低所得層(今や大多数の国民)の生活を安心で豊かなものにすることが必須だ。貧困をなくし、貧富の差を縮めよう。

 

・下請けの会社の賃金を上げるための具体的な提案もあった。東京の親会社と地方(東京でも)の子会社・孫会社では賃金が全く違うので、これを縮めることはあるべきだ。「国内搾取」と言うべき状況だ。「同胞共栄」にどうしてならないのか。親会社は取締役員・正社員のボーナス・給与を削ってでも子会社孫会社に適正な価格を支払うべきでしょう。「私は努力してT大やK大を出たのは搾取する側に回りたいからなのに」!?・・そんなつまらん人をT大やK大は育てているのですか? 「私は努力している」?・・いや、あなたは努力できる、また努力すれば報われる環境にはじめからおられたでしょう。今努力自体できない、また努力しても報われない環境にいる人が沢山います。あなたの幸運をなぜ他の人にも分けませんか? 一部の、利権を独占する人びとだけで世の中を回していたのが、例のあの時代だったのだ。あるいはあそこやここの独裁国家がそうだ。結局クーデター合戦になって利権の奪い合いとは、みんなが不幸だ。・・脱線するが、0才(親の階層)と18才(大学進学)と22才(就職)で一生が決まって身分差別のようになるのはおかしい。(しかも有名私大に行くためにスポーツをする!? これもおかしい。本来論で言えば、大学は学問の府。生涯賃金を保障するところでもないしスポーツをするところでもない。スポーツ漬けに偏っている今の人に分かるかな? 血税を投入して大学の学費をタダにしても君たちがスポーツしかしないんだったら空しいね。)(とにかく若いやつが詐欺師に使われるなんて社会はおかしいのだ。)

 

・農家の所得が上がると称して、海外の富裕層に高く売るものばかり作られても、我々普通の国民(日本列島の住民)が安く安全に食べられるものがなくなっては、困るのだ。食糧自給率は大事。「車を売って食糧とエネルギーを買う」と言うが車だけの「一本足打法」では危ない(神田財務官)というのは確か。サッカーも野球もやめてグランドを芋畑にしなくちゃならなくなったら、君たちどうですか・・? 空き地で野菜や果樹を作ってタダで誰が食べてもいいようにしますか? 「コモン」の回復(斎藤幸平)で行きますか。

 

都道府県別一人あたり所得は、内閣府によれば、令和2年度(2020年度)に全国平均を100とすると、東京が167で我々(某田舎在住)は79だ。亀井さんの島根は89で石破さんの鳥取は74森山さんの鹿児島は77。最下位の沖縄は69。)田舎は物価も安い? いやいや、東京も田舎も同じ価格の必須品は結構ある。田舎の者が東京ディズニーランドに行くとか東京の大学に子供をやるとかとなると、本当に大変だ。距離じゃなくてお金がね。(同じ県内でも貧富の差がある。ここも注目。)

 

・石破さんは「企業が・・」(企業中心に景気をよくして経済を豊かに、企業献金も必要)と言っておられた。私は(すでに気付いているだろうがどうやら石破びいきで、自民の他の人がやっても難しいものは難しい、いや他の人ならすっかり民心が離れる、と思うのだが)、この辺が自民党の限界なのだろうか。だが全世界史的に見ると、企業中心の社会というのはごく最近であって、それが全部正しいというわけでもない。(私はごく当たり前のことを言っているのであって、進歩史観や社会主義のことを言っているのではない。)現状を見ても大きな企業に属して(またはそこの株で)利権を吸っている人と、そうではない人に分化していて、人数的には後者の方が圧倒的に多いのではないか? 問題があれば修正しながら進むのが人間の叡智ではないか?

 

原発はじわりと入れていたが、大丈夫か。再エネにコストを投入すべきでは。または節電。リニアモーターカーもITも大量に電力を食う。そっちにいかない方がいいのかも? 

 

憲法は変えなくていい。いや、変えるべきではない。(特に何年か前のA政権の色合いの強い案はダメだ。)折角今の憲法でまずまずいい社会ができた。今の憲法の理念でまだ実現できていないこともある。男女平等も。憲法の理念は法律や制度で一つ一つ実現していくべきものだ。うまくいきかかったがまた調子が悪くなっているものもある。基本的人権の尊重とか。平和主義も旗を降ろしてはいけない。軍需産業と株主と外国のために国民を死なせるわけにはいかない。

 

トランプ氏に迎合しない。民放のA派の太鼓持ちのような番組では「トランプ氏に早く会えなければ」などと煽るが、おかしな話だ。早く会いに行って国民の税金をアメリカの軍需産業に献金するのが正しい? 奇妙な番組だ。国民(日本列島の住民)の税金は国民(日本列島の住民)のために使う。私は結構親米的な人間だが、アメリカのやることが全部正しいわけでもないくらいの分別はあるつもりだ。

 

給食無償化と教育無償化は、実施したらいい。貧しい家庭には既に手当があると言うが、生活保護でも何でも前年の所得を基準に計算しているはずなので、4月に中学に入学したときは給食費が払えていても、夏に親に何かあったら、9月からたちまち困ることになるのでは。申請書類も面倒だ。朝晩食事ぬきの子は給食でたっぷり食べるしかない。もちろん夏休みは給食がないので、全体として生活支援があるべきだが、とりあえず給食くらいたらふく食べさせてやるといい。(自治体によっては給食の中味が貧困なところがある。あれはいけない。)担当の先生や学校の事務員が忙しくならないように、全員一律に無料にすればいい。(高校の授業料無償化も同じ。所得を確認して就学支援金を出すか出さないかで事務員が多忙化している。全員タダにしてあげれば事務員も助かり、その分もっといいことに力を注げる。)高等教育をタダにする発想もあるべきだが、小中高校、また就学前(幼稚園や保育所)の教育(学び)の方が先かも知れない。平均的な普通の大多数の日本人が良識があって知徳ともに優れているところが日本社会の強みでは? (規格大量生産とか悪平等ということではなく。)

 

・だれも言わなかったが、学校に行っていない子も結構いる。高校に進学してもやめてしまう子も。真面目でいじめられて不登校・中退になる子も。そこへのケアもお忘れにならないように。

 

・森山さんと石破さんの包括的な弁論を聞いて大いに勉強になった後、亀井亜紀子氏(立憲)の質問を聞いて、非常に共感した。亀井さんは島根で、私も田舎にいるから。石破さんも鳥取で、田舎で苦しんでいる人が大勢いるのが地元だから、石破さんも首肯するところが多かっただろう。

 

・特にローカル線、地方の郵便局、中小の零細農家、種子の問題などは切実だ。(郵政民営化についての議論は控えられたが、私は郵政民営化は間違いだったと思う。前島密の為した偉業を無にするものだった。その狙いは労組潰しと郵貯・簡保資本を外資に売り飛ばすことにあったのではないか? 外資なるものの正体はアメリカ人か中国人かはたまた・・?)ローカル線がなくなると生活に困る。一時的に観光客を呼び込んでも、日頃の生活に使えないとダメなのだ。郵便局も要ります。ここは亀井さんの言うとおり。

 

・地方創生のための地方交付金が結局デジタル・ITがらみになっているじゃないか、という指摘も注目。国民の税金を地方に渡すと言いながら結局は東京の(またはアメリカの)デジタル・IT会社が吸い上げていくとしたら、地方には何が育つのか。しかもITインフラは5年で老朽化してまた買い換えないといけなくなる。そろそろ気付くべきだろう。

 

・以上私見です。不十分ですが・・

 

空席があったけどどうして欠席しているのだろう。体調不良など仕方ないケースもあるとは思うが・・

 

社会保険料については、たしかに前原さん(維新)の言うとおり若くて(若くなくても)社会保険料の負担が大きいのは大変ではある。ビスマルクの政策は「アメとムチ」ではなく実は「ムチとムチ」だったと或る学者が言うのは多分正鵠(せいこく)を得ている。だが、各種給付が減るのは困る。病院も学校も(食事も住居も?)現物給付で「安心安全な」生活ができるのならいいが・・・イギリスは現物給付が多い。ブレイディみかこを読めば分かる。

 

・税金と社会保険料など社会保障負担ともろもろを足せば「国民負担率」は50%になるとすれば昔の「五公五民」ということになる。消費税もあるし。・・・累進課税の再強化はしたらいい。貧しい側からはこれ以上とれないよね。

 

☆全く別の件。2025(令和7)年1月27日(月)

 思いつくままに書いて申し訳ないのですが、

 大鵬も柏戸も北の富士も輪島も北の湖も千代の富士も隆の里も大乃国も魁皇も武蔵丸も白鳳も鶴竜も照ノ富士も・・・(ぼんやりした頭で思い出すままに書いたので大事な人を大勢忘れていると思いますが、御免なさい)どなたも、

取り組みの前に「鬼の形相」になどならかったし、勝った後も「鬼の形相」になどならなかった。一種のポーカーフェイスで、平常心と言うんですか、やっていたと思います。

 

 「鬼の形相」で覚えているのはあの人からで、今はあの人やあの人がやり、それでもそんな顔をしない人の方が多いのですが、今回優勝したその人はいつもやっています。どうなんでしょうかねえ・・・え? それがセールスポイント? でもみんなが真似したらどうなりますか? スモウをする子供たちまで真似をするようになりますよ。柔道と同じく全国大会をやめなきゃならなくなるかも。

 

 そこに「横綱の品格」といった言葉を使うかどうかは協会の方におまかせするとして、

 取り組みで勝ったとき、「あなたと取り組みをしていい相撲が取れた、たまたま自分が勝ったけど、あなたもいい力士だ、お客様の前でこんないい相撲を取らせてくれて有り難う、(お蔭でお互いファンも増えて収入にもなるし、)」あるいは、「敗れた相手はさぞ辛いだろう、勝ってしまって申し訳ない、え、祝福して下さるのですか、痛み入ります」「それにしてもこれからますます大変だぞ、横綱は優勝して当然だからな、ますます精進が必要だ・・」くらいの気持ち(表情)にならないのですかねえ・・

 

 まだ若いから無理? いやいや、大鵬も柏戸も・・・白鳳も照ノ富士も皆現役の時は若かったのですよ。

 

 逆転優勝で悲願を達成した彼に、酷すぎるだろうか。退場の時の怒っているような泣いているような顔は、今回限り、ま、仕方がないとしよう。よく努力したのだから。でも取り組み前のあの、相手を「鬼の形相」で睨み付けるのは、私は見たくないですね。ああしょせんスモウも勝つためにやっているのか、と思うと、見る気がしなくなります、ハイ。

 

 さらに言えば、大横綱ほど相手を受けて立ち、相手が怪我をしないように安全に寄り切ってあげる、くらいのことをしてほしいですな。

 

 モンゴル人だからダメ、とかいう発想は私にはない。カザフスタンの人もハワイの人もサモアの人もみんな立派にやってくれればそれでいい。高見山や小錦や曙に対する当時の協会のやりかたはよくなかった。力道山は(多分)オートバイとかで派手に走り回ったのがいけない。でも立派にやってくれるならどこの出身でもOKのはず。例に出して恐縮だが武蔵丸さんなどは大変真面目で人柄もよく心も優しく人気もあるという噂だ。

 

 野球やラグビーやバレーボールでも本当は「勝った勝った」と喜んで「イチバーン!」とか絶叫すべきではなく、勝ってしまった側が恥ずかしそうにするくらいの感性を持って貰いたい(負けた側はくずおれて泣いているのですから)(『老子』を読んでみましょう)(高校球児やラガーマンや春高バレーのみなさんは『孟子』由来の「惻隠の情」という言葉をご存じですか)と思うのですが・・・

 まあ、私も最近は相撲も見なくなったし勝ち負けのあるもの(スポーツも含む)にはすべてうんざりしているのですが・・

 今日はここまで。ぼやき漫才のようになりましたかな。