岸田内閣閣僚の学歴(学校歴)  R5.12のメンバー

 

 人間の値打ちは学歴(学校歴)で決まるものではない。また政治家としての力量も学歴(学校歴)で決まるものではない。が、今の日本は学歴社会だと声高に言われるので、どれくらいそうであるのかを検証してみることは、無益ではないはず。ここでは日本を大きく動かす力を持っている(と言われる)内閣の閣僚の学歴(学校歴)を調べてみた。各政治家のご自分のプロフィールや新聞報道などをもとに整理し直したものである。(昔 曽野綾子がこういう問題意識を持っていて、それに倣った。)

 その結果・・・

 

 足りないところがあったらすみません。(敬称略)

 

 

               
  岸田改造内閣の閣僚の学歴ほかR5.9.13発足→政治資金問題で4人交代R5.12(太字が新しい人)      
    大学 学部 専攻 世襲ほか その他  
首相 岸田文雄 早稲田     3世    
総務 松本剛明 東京     2世(父は防衛庁長官) 伊藤博文の子孫  
法務 小泉龍司 東京       大蔵省  
外務 上川陽子 東京 教養 ハーバード 政治行政      
財務 鈴木俊一 早稲田 教育(社会)     2世(父は元総理大臣)    
文部科学 盛山正仁 東京 神戸 法・商   運輸省  
厚生労働 武見敬三 慶応 慶応 政治 父は医師会長    
農林水産 坂本哲志 中央          
経済産業 斎藤健 東京 経済 ハーバード 行政   通産省  
国土交通 斉藤鉄夫 東京工業 東京工業 理工学(応用物理)   公明党  
環境 伊藤信太郎 慶応 経済 慶応     ハーバード 政治       マスターオブアーツ 2世(父は衆議院議長)    
防衛 木原稔 早稲田 教育(国文)          
官房 林芳正 東京 ハーバード 政治・行政 4世(高祖父から何人も)    
デジタル 河野太郎 ジョージタウン 比較政治     3世(父は衆議院議長)    
復興 土屋品子 聖心女子 文(歴史社会)     2世(父は参議院議長)    
国家公安 松村祥史 専修 経営          
子ども政策・少子化 加藤鮎子 慶応 コロンビア 国際公共政策 3世(父は官房長官)    
地方創生 自見英子 筑波     東海 国際関係  医学部     2世(父は元郵政改革担当大臣)    
経済再生 進藤義孝 明治 文(日文)     父は陸軍大将    
経済安全保障 高市早苗 神戸 経営       松下政経塾  
                 
 


 
まとめ   大学別 学部  院  専攻  世襲ほか その他  
まとめ 地方大出身は神戸・筑波の2人だけ 東京大学6 法学部8 院は8人   2.3世が多い 東大法を出て官僚経験者は3人  
  他は全員東京の大学 東京工業1 教養1 1人は2ケ出た 1人は2ケ出た      
  しかも私立が多い  筑波1 教育2     女性は5人    
    神戸1 経済2 海外の院の人増えた        
    早稲田3 経営2          
    慶応3 文2          
    その他私立6 理1          
      比較政治1          
      医学部1          
      国際関係1          
    一人で2つ卒の人在り 一人で2つ卒の人在り          
                 
  宮沢内閣のあと、首相のほとんどは東京の私大。例外は、菅(東工大)、鳩山(東大工)、村山(高卒+明治大専門部)だけ。

閣僚は東大6、東工大1,東京の私大12と、東京の大学が圧倒的に多い。なぜ? 親が政治家で東京に住んでいる人が多いからでは?
 
 
  2世、3世がやはり多い。上の表でまだ見つけていないケースもありそう。
 
 
  昔は田中角栄、野中広務など、非大卒の実力者も多くいた。また、田中・野中は世襲議員でもない。
 
 
  ・学歴(学校歴)が人間の価値とイコールでないことは自明の理だが、日本を大きく舵取りする内閣の顔ぶれ(大臣たち)が何処の大学で何を学んだかを定点観測してきた。それにより日本はどれほどまで学歴社会か、がある程度わかるはずだ。

 だが、最近では、どうやら学歴社会以上に、2世3世等の大臣(いわゆる世襲大臣)が多いことが特徴になってきた。階層は拡大し、固定化している。

 では、これに対しどうすべきか?
 

 東大から官僚になって大臣になった人がこの表では3人いる。今までも、学歴システムは、徳川でも薩長でもない、地方の、富裕層ではない階層の出身者で、意欲も能力もある者を登用する(階層の逆転をする)(加えて、社会正義を実現する)一つの方法として、機能してきたとも言える。高校までの教育を無償化し、意欲と能力さえあればどんな地方とんな家庭に生まれても(地域格差や経済格差を飛び越えて)東大法学部に行って大臣になれる、というルートを保っておく方が、将来の日本のためになるかもしれない。

 推薦入試は高校までの実績を積み上げる財力のある家庭に有利だから、今よりも階層格差を広げる。(高校で物理オリンピックで金メダルを取れる人がどのような家庭環境・教育環境で育ってきたか、少し考えればすぐわかる。)世襲制は階層格差を広げ固定化する。それならば、いわゆる受験学力の方が(中身はともかく)まだ公平公正でましだ、となる。

 現状ではどうであろうか。

 もっと他のどのような仕組みがあり得るだろうか。

1 藤原氏や徳川氏だけが権力を握る仕組み・・・・・不可。
2 薩摩や長州の人だけが権力を握る仕組み・・・・・不可。
3   陸軍大学校や海軍大学校を出た人だけが権力を握る仕組み・・・・不可。
4 勉強して東大で学んだ人が権力を握る仕組み・・いわゆる学歴社会・東大閥で、不可の
 筈。
 現状では、東大に行く人は参考書、私立6年中学高校、高度な英語が要るので、豊かな階 
 層に偏っているので、あまりよくない→是正が必要。・・誰でも(地方出身者でも経済的 
 に厳しくても)意欲と能力さえあれば学べて東大に行けるようにする

5 東大に行く人の選抜を、実績主義の推薦入試にすると・・・お金があって十分な教育機
 会が与えられた人だけが東大に通るようになり、今よりも階層格差が広がるので、不 
 可。・・是正が必要。・・改善策は3と同様か? が、できるか? 例えば、山海の僻地 
 の受験生でもすぐそばに東大の先生がいて勉強会のアシストをしてくれる仕組みをつくれ 
 るのか?
6 政治家2世、3世だけが権力を握る仕組み・・藤原氏や徳川氏の世襲と同じに戻るので不 
  可。
7 くじびき・・・能力のある人を選抜できない。能力のない人がトップに立つとお互いに
 よくない。(古代ギリシアのポリスではくじ引きだった。)
8 順番・・・・・同上。
9  選挙・・・本来悪くはないはず。但し選挙の方法は考えないといけない。上記5のよう
 に世襲制の現状では。
10 4・5では東大を経由することを想定したが、東大を経る必要もない。官吏登用試験をす 
 ごく難しくすれば。
11 22歳で官僚を選び終身雇用にするのではなく、能力に応じて適時採用する。誰が?  
 適切な選抜方法は? 首相官邸にいたあの人やあの人のように、誰がどうやって任命した
 かわからない人が絶大な権力を持ってしまうのは、不安
ではある。

 だれがリーダーに選ばれても、真のノブレス・オブリージュを持ってもらわないといけないのだけど、自分たちの利権を守るだけの人々がエリートになり国民がみんな騙されるとすると・・? リーダーこそ『孟子』の王道論・仁政論をお読み下さい。「鰥寡孤独を大切にせよ」と孟子は叫びます。


  2世3世で既得権益にしがみついている人からは新しいアイデアは出てこず、辺境(マージナルな場所)にいる人から、新しい時代を切り開く人が出現するかも知れませんね。
 東京の・大学を出た・金持ちの・2世3世・男子ではなく、
 地方出身の・大学も出ていない・金持ちでない・2世3世でない・女子とか?

 長州と薩摩も江戸幕府から見ると西の端に位置する。(その後既得権益化してしまっているが。) 
 吉田茂も戦時中は知米派で終戦工作をする、まず異端だった。彼が戦後の柱になった。
 小泉父も当時はマージナルな存在で、「自民党をぶっ潰す」と言っていた。(が、自民党をある形で強化してしまったけど。)
 岸田さんも派閥のバックが弱くたたかれてばかりだったが、統一教会・裏金問題を機に派閥解体という思い切った手に出ることができた。(不十分だったかどうか、私にはよくわからないが。)

 言わなくてもいい付言を念のため言いますが、私は決して岸田さんが嫌いではありません。政策の本当のところはわかりませんが、ヒロシマ・ナガサキをいつも気にかけておられる、派閥解体という今まで誰もやれなかった大胆な手を打った、おかげで総裁選に9人くらい立候補するという歴史的なことができた(注1)(注2)、当初は富裕層に増税しようとしていた(抵抗されて立ち消えになったが)、無欲な賢人の面影がある、権力や地位で他の人を恫喝したりなさらない(と思っているのですが)、池田先生・宮沢先生に近い心をお持ちだった(に違いない)、などなど。品もおありだった。もっとやってほしかった。与えられた制約条件の中で何とかしよう、よりよい世の中にしよう、とされた、と私は思います。
 誰かが(私ではない)川柳で詠んでいました。「今となりゃ後釜よりはましに見え」。でもこれは岸田さんに失礼です。私ならこう詠みます。「はじめから後釜よりはましだった」。いや、これも失礼ですね。もし私が岸田さんの立場だったら・・? 何もできませんね。
 そうだ、今思い出した、岸田さんは何回か浪人をされたとか。この点も私には共感できるところなのです。
 以上あくまでも個人の感想(感傷)です。
 ま、そもそも私ごときがここで何を言おうと大したことではありませんがね・・・
(岸田さん、勝手なことばかり言って済みません。岸田さんに対する応援の気持ちを表明したいという気持ちがずっとあったけど、「中立」のために今まで禁欲してきたので、ほんの少しだけここで書きました。)

注1:もっとも、増税をして防衛予算を一挙に倍増した、などは、安倍路線に縛られたとは言え残念な政策ですね。派閥解体と総裁選の華やかさも、どこかの広告会社が仕組んだシナリオで、私などはそれにうまく騙されている愚かな国民の一人・・なのかもしれませんけどね。)

注2)立民党も4人の代表選候補が出て討論していました。米国のハリスとトランプの討論(日本ではR6.9.11の午前)もTVで見ました。公開で討論ができるのは、いいことですね。どこかの国ではリーダーに異を唱えること自体できない国がありますね・・ジョージ・オーウェルの『1984』を読んでみましょう。言論・思想が統制されたディストピアが描かれています・・

 ああ、これも付言ですが私は自民党の支持者でも他のどの党の支持者でもありません。いわゆる「支持政党なし」「無党派層」の一人です・・・

 もちろん、今の日本社会は問題山積みで、今のままでいいわけではありません。大事なのはこれからです。知恵のある人はどんどん出していくといいですね。

 
 
 
   
  


  

 
 
 
  ・本人のHPのプロフィール、各種新聞報道などをもとにして作成。