【関西の議論】成瀬国晴さんが初めて描いた疎開体験はイラスト版 | 鈴木のブログ

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 77点のイラストは、出発の日から終戦を迎えて帰郷するまで、時系列に描いた。都会で育った成瀬少年には、田舎暮らしは驚きの連続だった。怖かった屋外にあるトイレ、五右衛門風呂に入ったりイナゴやカエルを取って食べたりもした,ジプシエール。戦況が厳しくなると、B29の飛行機雲やグラマンの戦闘機の空中戦を目の当たりにすることもあった。70年の時を越えて、9歳の記憶を掘り起こしながら作品化した。

大雪の日の母との久しぶりの面会

 大雪の日に面会に来た母の姿は、今も目に焼き付いている。待ち遠しくて落ち着かない少年の心を、雪に付いたたくさんの下駄の跡で表現した。そんな思いと裏腹に、戸の陰に隠れて待つ少年の後ろ姿が、けなげに見える。

 「疎開して1カ月は里心が付くから面会できない。月を見て泣くこともあった。脱走したり内緒で手紙を書く子もいた。だから、うれしかったねえ」

 当時の服装や建物、家具などにもこだわった。証言を元に修正しながら約半年かけて描き上げた。

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