【話の肖像画】写真家・荒木経惟(74)(5) | 鈴木のブログ

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 〈芸術と猥褻(わいせつ)の境界については、国柄による大きな差を感じている〉

 日本は昔はあんなおおらかだったのにねぇ。春画だってロンドンの大英博物館で展覧会(2013~14年「春画 日本美術における性とたのしみ」)が大盛況で、日本でもどうぞおやりくださいって言ってくれてるのにどこも手をあげない。なぁ美術館、情けないねぇ。

 〈8月9日からは新潟市美術館で大規模個展「往生写集 愛ノ旅」が始まる。新潟市は荒木さんに坂口安吾記念の「安吾賞」を贈ったこともある“異色”の自治体〉

 今撮ってるエロいの入れますよ。サービスがなくちゃ、ギリギリのエンターテインメント出さなくちゃ、面白くないじゃない。それと、普通のアートっぽくない写真も出すよ。自分のクラス会、女の服装に時代が出てる新聞写真みたいなもの、昔、新潟で撮った雪の中を歩く少年たちとか。そういう方が実は写真ということに近いんだって、今、思うんだ。

 〈集大成的な本展覧会は「愛ノ旅」がテーマ。愛妻・陽子さんとの新婚旅行と死別をつづった「センチメンタルな旅・冬の旅」の写真も展示される〉

 旅って生きてること、オレにとっては写真を撮り続けること、移動じゃなくって人生ってこと。例えば結婚10年目に、オレはスペインを旅したんじゃなく、陽子を旅したのさ。出会ってからずーっと、亡くなってから今もずーっと、オレは陽子の旅を続けてるのかもしんないね,ジプシエール。(聞き手 重松明子)

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