水島新司先生の待望の新作が2023年7月28日に発売されました。
あの『あぶさん』をはじめとするコミックス未収録の作品集です。
この本には、『あぶさん』の連載終了後に描かれた読み切りの、びっくりする名前の少年の作品やビッグコミックオリジナルに掲載された最後の作品など5作品が収録されています。
このブログで書いていない3作品が載っているのが嬉しいです。
あぶさんが登場しない2作品もよかったです。
『母ちゃんの甲子園-太郎の青春ー』は物語冒頭の謎が後半に明らかになるのですが、その直前くらいに点と点がつながり、「あっ……」、「やっぱり!」とストーリーを味わうことができました。
5作品中一番のお気に入りは、この作品です。
「太郎」のこの先がどうなっていくのか、楽しみになりました。
『歩いて候ー中村大河の青春-』は不思議なサブタイトルだなと思いました。
ストーリーはある高校の監督とエースを中心に進むのですが、中村大河は作品の途中から登場する、その相手チームの主力選手なのです。
水島先生としては、主役は中村大河の方だったのでしょうか。
この作品は現実の野球で起こったある場面についても語られるのですが、水島新司ファンとしては、せっかくなので『ドカベン』の世界でも起こったと触れてほしかったです。
ちなみに、ある高校のエースの名前はユーモラスでお気に入りです。
もしかしたら、青田高校の同じ苗字の選手も下の名前が同じだったのかも。
思わず『球道くん』の彼が初登場したシーンを読み返してしまいました。
そして最後に『少年ものほし竿』というあぶさんの少年時代に話が収録されています。
この本はあぶさんが出てこない作品もあったので、『あぶさん』108巻とはナンバリングされませんでしたが、『あぶさん』シリーズの締めくくりとして、あぶさんが初めて野球を体験したエピソードに持ってきたのはいい構成だなと思いました。
小学館さん、待ちに待ったこの作品を発売してくれてありがとうございます。
そして、水島先生、久しぶりの新刊でしたね。
嬉しくてすぐに2回読んでしまいました。
107巻の横に大切に置いておきますね。