あみぃ のブログ -31ページ目

あみぃ のブログ

基本好きなことや思いついたことを書いてます。

仮面

急いで起き上がり体制を整え、開きっ放しのドアを片手で閉めようとするが、左右に車を動かすのでドアノブに手が届かない。
落ちるのが怖いから両手で、前の座席の運転している男の首に腕を強く巻き付ける。
「ぐっ…首っ…」
男の呻き声が聞こえたので手を離した。
首を絞めた男は、咳をして文句を言う。
「とんだじゃじゃ馬だな。全く。これだからリアルの女は嫌なんだ」
確かにこうゆう時になると、ローエの仮面が取れてしまう。
「あなたがいけないのよ。いきなり飛ばすんだから」
体制を整え、左側のドアがフルオープン。
風でドアが近付いて来た時に閉めようとしたが、対向車により鈍い音がして車の左側のドアが飛ぶ。
それをスローモーションのように飛んでいくドアを目で見送る。
「おい!何だ今の音!まさかドア飛んだんじゃないだろうな」
後ろにいる私に呼びかけるように男が話しかけてくる。
私は何もないドアを無表情で見て言う。
「いえ。ただスッキリしただけよ」
首を横に振り、ヒューッと冷たい風を感じる。
「ああ。スッキリな。って完全それ落としてるだろ!明らかドア飛んでいったろ!」
「いえ。私のせいじゃないから」
私は冷静に右端に座り、ミラーを見る。
ミラーに映っていたのはオタクのイタイシールの周りから見えるグラサンを付けているデブだ。
リアルの女が嫌だと言うのは、アニメの女がいいということだろうか?
一生恋人出来ないなこいつ…。
それよりこの男どこかで見たことがある気がする。
あなたは?
とは聞けなかった。
オポッサムのフリをしている私には聞けない。
ただ、なんとなく…。
顔を下に向け目を見開く。
こいつ…最初の依頼主。
スコッチ…いやオポッサム?
本物?
この時、心臓が張り裂けそうな鼓動を全身で感じた。