荒木あかね 「此の世の果ての殺人」(講談社文庫)

 

自動車教習所に通うコハルは、ある日、教習車のトランクに詰められた惨殺死体を発見してしまい、教官のイサガワ先生と共に犯人を見つけようとするが・・・

一体何故動機はナニ?そして一番肝心なのは「ど~して今なのか??」というコト

全世界に向けて【不幸の水曜日】と呼ばれた発表内容は、人類全体を震撼させ、絶望の淵に叩き込んだッドンッ

《テロス》と名付けられた小惑星が、間もなく熊本・阿蘇山付近に追突すると言うのだ

皆がパニックになり、海外へ緊急避難する者・諦観し諦め自ら命を絶つ者が絶えず、人が絶えた福岡県太宰府市に住む小春は、こんな事態の中、車の免許を取得しようとしていた最中の出来事だった

究極の絶望感が包む崩壊し社会の中で、懸命に命の価値を探ろうとする新鋭のミステリ作キラキラ

 

 

と、↑の「サブ」に書いた様に、今作は’22の「第68回江戸川乱歩賞」を受賞しており、当時作者の荒木は福岡県生まれの23歳で、史上最年少&審査員満場一致の栄冠となったふんわり風船星

成る程、先ずは設定が凄いぶっ飛んでいる 隕石が落下し全世界はほぼX2壊滅する世界の中で、社会秩序や法律や人類の理性という枠が取っ払われ、暴動・略奪・逃避(日本の反対側では生き残れる可能性があると噂される)・ごくごく一部の超上級国民は宇宙空間への回避ロケットがされる中、何故か健気に普通に真面目に教習所へ通い、免許を取得しようとしているのが主人公の小春である

父親は先日、遂に自宅で首を吊った・母親はとっく既にドコかへ逃げ出している・弟は2回の自室から出てこない引きこもりと言う始末であるのに、弟の面倒を見ながら教習所へ

既にインフラも停止し、警察も殆ど機能していない中で、免許を取ったトコで・・・車

と言う疑問が浮かぶし、その小春をコレまた何故かチャンと教えるイサガワ先生とは一体何者なのか?そして最大の問題はこんな今になって殺人を犯す意味とは??ソノ死体を隠す意味とは!?そこまでする動機はナニアセアセ・・・と様々な疑問が浮かびあがってくるのだが

まぁ~先ずはソノ設定に加え、少なくなった生き残り達の想いやアイデンティティなどが絡まり合い、ミステリ度を各段にさせてくる仕掛けのまたグッなのだ

ただまぁ~Edの締めくくりに、も~一工夫欲しかったかなココまで大きな風呂敷を広げただけに、若干の「尻つぼみ感」が拭えなかったかなぁ~と言う感じもしてしまった

でも、サスガにソコ迄求めるのは「酷」かな

既に「次世代のクリスティ」との異名を取ってるとのコトなので次作が楽しみではあるネニコニコ

 

 

早瀬乱 「三年坂 火の夢」(講談社文庫)

 

奈良県に住む内村実之・18歳は、貧乏士族の次男坊で出来はあまり良くはない・・・

一方、兄の義之は一高~帝大へと進んだ秀才である

そんな兄が突如、大学を辞め帰省したが腹に傷を負っており、「三年坂で転んでね」と謎の言葉を残して死んでしまう叫び

ソノ謎を解く為に上京し、東京中の坂を巡るが一向に手掛かりも掴めない

その東京では、大火の度に放火魔と思わしき人力車夫が目撃されていた炎

2つの謎を追い求め、エリートでハイカラな予備校講師・高嶋鍍金が挑戦するッ

明治三十年の帝都・東京を騒がすモノの正体を探すホラーテイストミステリの登場乙女のトキメキ

 

本作は’06の「第52回江戸川乱歩賞」を、鏑木連の「東京ダモイ」とW受賞した作品で、直ぐに単行本化され、↑の文庫化は’09の作品

明治39年と言う時代を舞台にした、因習深そうな謎の言葉と度々見舞われる「江戸の大火」というWの謎を追い求めるミステリ作で、元々作者はホラー作でデビューを果たしてる為、幾分・というか過去の乱歩賞作からするとテイストは強めだったりする

「三年坂」の謎を追う実之と、「火の夢」の謎を追う鍍金がやがて交わり、帝都を揺るがす騒動の正体へと迫る・・・

と言う展開で、交互に二人の視点で物語は進行し、最終のエピローグで全ての謎が解き明かされるッのだが・・・うぅ~ん・・・個人的には余り感心しなかった・というか面白味を感じるまでには至らなかった・と言うのが正直な感想で

実際、コノ後の作品を追っかける・と言うか買う・と言うトコにまで行かず、刊行されているのかどうか自体も知らなかったりする

コノ辺りから、「乱歩賞のレベル」云々が盛んに言われる様になり、モチロン全てではないが、受賞したけどその後が続かず・・・と言う作家が多くなってきたのも事実泣

モチロン、下村敦史とか呉勝浩とか、近年でも話題人気作を発表しているのもいるはいるのだが・・・驚き

なので、詳しく内容に触れるコトが出来ない始末と言う感じで・・・〆とさせてください・ごめんなさい凝視

 

 

で〆がコレじゃ締まらないので・・・コレを貼っておきます

コミックスは両方全部持ってます口笛

 

 

 

↑の「サバイバル」は、当時少年サンデーで連載されてました

後にDX版で揃えました コチラは「巨大地震の末に荒廃した」が舞台で、↓の「ブレイクダウン」は、荒木の作の様に「巨大隕石の落下による大混乱の」が舞台となってます

両方の時代背景が違うので、「生き残り戦略」にも違いが出て、ソレを読み比べるのもまた一興ですウインク