堂場瞬一 「鷹の戸惑い」(講談社文庫)

 

新世紀を目前に控え沸き立つ平成日本だったが、過去の亡霊の様な事件が発生するッ!?

30年間も逃亡中だった指名手配犯の過激派幹部が逮捕されたのだ

海外逃亡されたと思われていたのが、仙台に潜伏しており、公安1課の海老沢が警視庁へ護送する任務を任されたが、新幹線内で服毒自殺を許してしまう・・・

一方、捜査1課の管理官である高峰は、左派系大物議員の秘書だった安岡と言う人物の殺害事件を調べていた

捜査が進む内に、2つの事件は結びつきを見せ始め、やがて根深い警察の闇に辿り着く

「平成」という時代に於ける、親子鷹の刑事の有り様行き様を描くシリーズの2キラキラ

 

 

先月に1をUpしたが、続けての2が出て、既にシリーズの完となる3も既に刊行(&購入)済みの「平成刑事シリーズ」

今回の大元は、’71に青年赤軍派(通称・青軍)の最高幹部であった岩井が起こした、企業爆破事件であり、その後30年に渡って逃亡し続けており、公安内でも既に海外に逃亡したモノと思っていたが、偶然にも宮城県警の公安刑事が仙台で発見→逮捕したコトから始まる

コレは公安部にとって、絶対に忽せにせずにはおられない重大事件であり、近年は左派系過激派がほぼ壊滅状態に陥り、公安1課にとっては課存続の問題とも絡みを孕んでいたのだ

海老沢は万全の体制を敷き、警視庁へ護送を開始するが途中で自殺を許してしまうッガーン

一方の高峰は、元政治家秘書殺害事件を捜査するが、その中で被害者の現在と過去に疑問を抱く様になり・・・やがてこの2つの事件は大いなる繋がりがあり・・・

というのが今作のストーリーで、特に「犬猿の仲」と称される捜査1課と公安1課との確執なども裏テーマとして存在していて、ソノ対立というか立ち位置の違いが浮かび上がり、遂には秘されていた警察の闇が・・・

’26現在でも、政治の世界では大きく議席や存在意義を喪いつつありながらも「左派系の政治家左矢印」は息まいており、一般の無辜な市民・国民の想いを無視するかのような≪平和≫を叫んでいるが、最早そんなキャツラは支持されてはいない

が、ソレでも今も一定数は存在しており、その辺りの戦後から始まった「左矢印達の変遷」も描かれており、ストーリーにウネリを加えていて楽しめたのだった

 

 

「親子の肖像 アナザーフェイス0」(文春文庫)

 

警視庁捜査1課の刑事で、「警視庁始まって以来のイケメン飛び出すハート」とも、絶妙な取り調べの腕を持つコトから「落としの鉄」とも呼ばれる大友鉄

大学時代からの恋人である奈緒と結婚し、目出度く息子にも恵まれたが、奈緒は交通事故で・・・泣くうさぎ

自分の中の軸を喪い、呆然としながらも残された息子との生活の為に踏ん張るパパ・大友鉄の活躍を描くシリーズ外伝の連作短編集

 

全て「オール読物」に掲載された作品を纏めたモノで、刊行は’14

巻末には元警視総監の池田氏との対談のオマケ付きとなっている

というコトで、今作はイレギュラーな作品で、息子である優斗の誕生から、現在へと続く哀しく辛い二人の生活にナンとか折り合いをつけ、刑事を続けていく中での事件を描いている

ベテラン(グラサン)犯罪者との取り調べや、密着系TV番組への出演・子供が人質となった立て籠もり事件などなどがあり、そ~いった事件に於ける鉄らしい捜査への関わりや解決が書かれていて、また短編であるのでそのスピーディな展開や切り口が、いつものシリーズ作との違いが産まれているので、より一層楽しめた仕上がりとなっていた

また全編、巻頭の鉄のモノローグから物語が始まるので、ソコでその時の鉄の状況や心情が知れる形になっているのもまた新鮮であったグッ

大抵、こ~ゆ~外伝的なエピソードはシリーズ完了後に刊行されるのが相場だが、今作は珍しくシリーズの真ん中でのとなっているのも、また一興であったグッド!