佐々木譲「裂けた明日」(新潮文庫)

 

妻に先立たれ定年後を独り、地元である福島県内で暮らす沖本信也の元へ二人の女性が訪れた敵に追われていると言い、安全圏へと逃れる為に手を貸して欲しいと言う

様々な混乱・大災害により崩壊した日本は、今や政府は二分され南北で境界線が出来、国内はテロと銃撃が繰り拡げられていた・・・注意

沖本は役所勤めの経験を活かし、知恵を絞りナンとか南へ・東京を目指し二人を連れて出発するッ

荒れ狂う暴力が目の前で炸裂する中、命がけの逃避行が開始されたッピリピリ

「If」な世界観を舞台に描かれる、近未来予想(!)アクションサスペンス

 

 

佐々木のファンの方・又はココで彼の作品を知って読んで下さっている方々は、充分にご承知のコトとは思うが、最近の佐々木の作品は「Ifな世界観」を舞台にした架空モノが多い・・・というか、殆どがソチラ系になっている

また、そ~した世界観は決してSFチックな空想モノではなく、本当にあり得る・有り得た世界に設定されているので、リアリティがあるのである

今作は近未来モノで、東日本大震災や新型コロナによる不安の後、深刻な経済不況に≪南海大震災≫の発生により、遂にが崩壊・海外の軍隊が駐留し、高麗連邦が政権を担い、国内では暫定&抵抗政府が樹立され、テロや爆弾・銃撃による激しい戦闘が繰り広げられている・というのが設定となっている

主人公は定年退職した市役所勤めだった独居老人で、妻は先立ち、息子はシゾーカで震災に遭い天涯孤独の身となった沖本信也

ソコへ酒井と名乗る母娘が現れ援助を求めるのだが、ソノ母親はかつて沖本が大学時代に親しくしていた仲間の子供だった

失う物はない沖本は協力し、必死の脱出を試みるッ

というのが展開 何故昔の縁だけの母娘を助けるのか助けなければならないのかが読み処出し、過去に戦記物を書いてきた佐々木であるので、戦時下の物語を書くのも上手く臨場感に溢れている

こ~した「脱出・逃亡ゲームもの」には、必ずタイムリミットが設定されるのが常なので、必然とサスペンス度が盛り上がるし、追手側が凶悪狂暴であったりすればソレは尚更

今作では駐留軍・国内を分断した「2つの」日本正規軍が入り乱れて混乱の具合に拍車をかけている・・・ソレ故に逃げる沖本達一行のスリル度も⤴というモノになる炎

 

・・・うぅ~ん、ソレにしても、今作は設定がなぁ~絶望

国内が分断され世界各国の軍隊が駐留し治安を維持する・となっているけど、ソレ、日本じゃ起こんないじゃないかなぁ~はてなマーク

海を挟んだ、未だに一応戦時下にあるS&NのK国なら起こり得そうな感じはするんだけどネ 

尤も、もしそ~なっても日本は自衛隊は派遣しないよバイバイ 過去にソレで今も苦しめられているからネ 

ソレに常日頃「戦争ハンタぁ~~い」「戦争止めてくるわ」と喚いている左矢印政治家連中が自衛隊派遣を認める訳がないからネ

対岸の火事として、不法入国者がコレ以上増えない様に監視するだけで、きっと手一杯になるだろうし、コレも常日頃、敵対視してるコチラに助けを求めるコトも絶対にないだろうしネラブ

 

 

大沢在昌 「闇先案内人」(文春文庫・上下)

 

「逃がし屋」葛原の今回の仕事は、隣国から極秘入国したVIPを捕獲し、安全な場所へ逃せ」というモノだった

しかも依頼は、よりによって天敵である警視庁の高級官僚からという・・・ガーン

断れば、今後の仕事処か人生そのものともオサラバしなくちゃならなくなっちまう

大阪へ向かった葛原を待ち受けていたのは、特殊工作員に在団特務員・雇われたヤクザに、依頼主である筈の公安警察ガーン

しかも忽然と客が姿を消してしまい、裏にはもう一人の「逃がし屋」の存在が・・・

翻弄される葛原は、果たして敵の追手をかいくぐり無事に仕事を成し遂げられるのかッ!?

興奮&スリル度Maxの逃亡追走劇の結末はッ!!

 

本作は’01に単行本が刊行された後の、’05に文庫化された作品で、栄えある【第20回日本冒険小説大賞>を受賞しており、前年の【第19回~】に於ける「心では重すぎる」に続いての受賞となっている *コノ賞は協会云々とは関係なく、あくまで「内輪での」お話しでですウインク

既にこの頃には『新宿鮫』シリーズの大ブレイクによって「大家」となっていた大沢だが、益々筆が乗って踊って来た感じがし、本分であるハードボイルドの世界観にドップリと浸らせてくれるのである

先ず、主人公の葛原のキャラが 過去の事件により指名手配されており、国家から自分自身が逃れているのだが、シノギは他の訳ありの人を言われた処へ・安全圏へと連れて行く「逃がし屋」をしている

当然、シノギの最中は緊張・緊迫の連続で息つく暇もない程なのだが、ソレが故に葛原自身が「生きている実感」が感じられるのだろう 危機一髪の状況が彼にとっては日常で、スリルの中に身を置いておかなければ逆に安心出来ない・という厄介な性格をしている

客は全員が訳アリなので、追手側も一筋縄ではいかないし、モチロン合法的な手段などは講じてくれないと来てるので、常に緊張感と暴力が傍に常駐(爆  笑)している

そんなスリルが上下巻700pOverに蠢いているのが堪らないッグラサン

平凡な退屈な日常を送っている・過ごしている、平和大好きな庶民の我々を物語の中で興奮させてくれる作品の1つとなっている星

 

今回の「関連」では大沢にした

佐々木でまだUpしてないのもあるが、作品の「似具合(ナンだそりゃ)」からしてコチラにした

大沢も、未だ挙げてないのがたくさんあるんでネニコニコ