池井戸潤 「俺たちの箱根駅伝」(文春文庫・上下)

 

かつては強豪として名を知れていた明誠学院大学だが、近年はシード権獲得はモチロン、本選出場すらも叶わない古豪と呼ばれる有様で、今年の予選会も「僅か10秒」が足りずに予選落ちとなってしまい打ちひしがれる、キャプテンの青葉隼斗に更に悪い知らせが届く

長年監督を務めていた諸矢が急遽、退任するというのだッガーン

しかも公認には、≪伝説のランナーでOBの甲斐真人≫が就任すると言うのだが、巨大商事会社に就職し、すっかりスポーツ界から・陸上界から・そしてランナーとして遠く離れ経験のないと言うのに・・・

一方、毎年の年明けの2日と三日のお昼に全国中継をし、名物となっている大日TVの総合プロデューサーの徳重は、内外からの様々な圧力に苦しんでいた・・・オエー

「お正月の風物詩」として馴染まれ楽しまれている『箱根駅伝』を巡る、アツいドラマを描く渾身のスポーツエンタメ上下巻虹

 

 

多分、皆さん、今週は散々色んな番組に宣伝で主役の俳優や出演者たちがバラエティに出ていたので、今週末からドラマが放送されるのはご存知だろう

東野が去ってしまった現在、作品は当然だが映像化の方でも池井戸がイニシアティブを握るというか、占めていくのではないだろうかニヤリ

近年の作品は悉く映像化されHitしているし、ナンなら埋もれていた過去作も掘り起こされたりしている

で今作は説明不要の「お正月の名物・風物詩」で、100年以上にも渡ってお茶の間を・そしてココに熱き滾る青春を燃やして来た若人が紡ぎ、織りなして来たドラマがある『箱根駅伝』が舞台となっているDASH!

ココ数年はシード権獲得はおろか、予選会も突破出来ずにいた明誠学院大学が舞台で、主人公のキャプテンの青葉隼斗は、「僅か10秒ガーン」の差に泣き、とうとう卒業となってしまった上に、信頼厚い監督の諸矢が突如の辞任・更に追い打ちをかける様に新監督として、かつては≪伝説のランナー≫として名をあったが、今は門外漢も甲斐真人が就任するという・・・

部員たちも、ナニかとコ五月蠅いOB達が騒然とする中、甲斐は《関東学生連合チーム》の監督としてデビューすると言うのだッびっくり

連合チームのメンバーに選ばれた隼斗だが、チーム内はギクシャクする上に、甲斐がぶち上げた目標は「上位3位以内」というとんでもないモノだった

騒然とする関係者や、各大学から選ばれたランナーたちは困惑するが、徐々に・・・

というのがメインのストーリー

も1つも流れとして、中継を担当する大日TVの総合プロデューサー・徳重も混乱の中にいた

上層部から「テコ入れ」として、芸能界の大物の事務所所属のお笑いタレントを、局のスタジオで喋らせるという提案をするゲホゲホ

しかし、伝統ある・そして先輩たちが築き上げてきたアマチュア精神に則ったスポーツ中継を、安易にバラエティ化していいのかと悩む姿が描かれ、コチラが別軸の柱となっている

と、ココまで長々と書いたがコレが上巻の主な展開となっている

そして下巻の方では、スタートの号砲が鳴り響き、アツい闘いの模様が通して描かれている

個々のランナーの背景を盛り込みつつ、レースは続いてく・・・果たして結果はッ!そして隼斗は甲斐は諸矢は徳重はッアセアセ

も~すっかりベテランとなり、人気作家の地位を確立した池井戸だけに、ソコら辺りの書き分け・盛り上げ方は熟知しており、だからこそ人気を得られたのだろう

ストーリーテリングのテクは冴え渡り、特に下巻は興奮して一気に読み進めていた

またエンタメものであるので、推理やら動機やらトリックなどに頭を巡らせる必要もない為、すんなりすっきり物語に没入出来たし、ある意味予想通りではあるのだが、感動であっつたり爽快感を充分に味わえたキラキラ

 

基本的にスポーツを観るのは大好きだし趣味でもあるのだが、駅伝やマラソンはあんまり・・・で、過去にも熱を入れて観戦したコトは殆どないのだが、サスガに来年はしっかりと観ようかな

後、ドラマの方も最近はチャンと観るコトが少なくなってきているのだが、今回は先ずは大1話を観てみようかな 一応予約はしてあるんでネウインク

 

 

「株価暴落」(文春文庫)

 

全国展開をしている巨大スーパーの一風堂が、連続爆破されると言う凶悪事件が発生したッ爆弾

犯行声明文には、一風堂のやり口を批判糾弾する内容があり、企業テロが示唆され、株価は暴落した下矢印

メインバンクである白水銀行の審査部の坂東は、巨額支援要請を巡り、企画部の二戸と激しく対立するッメラメラ

一方で捜査をする警視庁の野猿刑事の元に入った1本のタレコミ電話は、犯人と目される男の父親が、かつて一風堂の強引が出店が切っ掛けで業績不振に陥り、ソレが原因で自殺の追い込まれていたというのだが・・・

果たして犯人は?狙いは一体??そしてメインバンクの執った方針は!?

緊迫感溢れる金融サスペンス

 

本作は’04に単行本化され、文庫化が’07 ↑のは翌年の2刷目のモノで、例によって「BO」で購入している

池井戸は、乱歩賞作でデビュー作となった「果つる底なき」(講談社文庫)から読んでいて、大抵の作品は新刊で購入していたのだが、その後は全部は追いきれなくなり、数冊は知らぬ間に刊行されていて、「BO」で見かけた際に補充していたりした

やはり既に皆さんご存知の様に、池井戸はK大→三菱銀行という超エリートコースを歩んできた方で、大人気となった「半沢直樹」シリーズ(文春文庫)も、元のタイトルは「俺たちバブル入行組」というタイトルだったし、タイトルまんまのバブルのど真ん中をイケイケで過ごしてきた方

その後は、こ~して作家業へ転身したのだが、乱歩賞作然り・半沢然り・メインは自身が体験してきた銀行を舞台にした金融ミステリ&サスペンスものであった

ココで何度もUpしている高杉良や黒木亮などの作品郡もそ~なのだが、ある意味「命の次に大切なモノ札束」を預かり転がして運用して鞘を稼ぎ儲ける金融業には、ドラマがイッパイ詰まっている

なので仕組みであったり内部であったりを熟知していると、「ネタ」は幾らでも転がっているという訳で、今作も、そ~した知見体験を元に描かれた作品

ただ、まだコノ時点で彼はBreakしていた訳ではないのだが、注目はされていて、今作も人気を得ていた訳じゃなく、モチロン映像化などの影もない頃ではあるのだが、2刷目が掛かるというコト自体が、徐々に人気が評価がアップってきていたという状況だった表れだったと思う

まだ盛り上げなどのテクは充分ではなかったかもしれないが、充分に読ませる出来に仕上がっていたと思うウインク

 

というコトで今回は、今話題の池井戸の新作(&ドラマ)と、Break前の萌芽時代の佳作をUpしたパー