森詠 「彷徨う刑事」(コスミック文庫)

 

蒲田署の刑事で強行班の係長を勤める北郷が奉職した目的は只1つだけだった

19年前、管内で発生した運送会社5人殺害強盗事件の犯人を捕まえるコトだけで、被害者の中の当時高校生・吉原沙織は北郷と付き合っていたのだった

時効となってはいたが、自身の悔恨と亡き恋人の無念を晴らす為に、非番時には密かに独り捜査を進めていた時、とある事件で逮捕した容疑者が、アノ事件の関係者の弟であったコトから事態は急に動き出すッ

背後に潜む闇の中にいるのは誰だッそして沙織の命を奪った憎っくき奴に仇討をするのだッ

悩み葛藤する独りの刑事の、執念の捜査を描く警察ミステリ

 

 

うぅ~ん・・・「コスミック文庫」って、書棚じゃ見掛けて入るけど今までに買ったコトあったかなぁ~?そして森は・・・かなりのベテランだけど今までにはど~だっけかなアセアセ

と、ナンか「個人的にお初」だらけとなった今作だが、警察小説であり孤独の中にいる一人の刑事を描いたHB的な内容でもあるミステリ

19年前に発生した5人殺人事件は既に4年前に時効が成立しているが、蒲田署の警部補・北郷は、物語の初っ端から多摩川を勝手に越境し、ナンら連絡もせずに川崎で逮捕劇を演じるなど、組織の一員であるあるものの、独自の哲学・というか目的の「為だけに」刑事を続けている

従業員3名と、アルバイトの女子高生2名が残酷にも射殺され、現金や荷物などが奪われる凶悪事件が発生し、その内の吉原沙織は当時、北郷と付き合っていた大事な大切な人だったのだラブラブ

ソレが訳が分からない内に殺されしまった・という非業に納得できない北郷は刑事となり、時効が成立しようとも、犯人を突き止め制裁を加えようとしているピリピリ

その為、↑の様な刑事としては許されない行動にも出ており、直属の上司などの「ウケ」はよくないのだが、陰ながら応援し支えてくれる上司がいる為、ナンとかなっていたりする

そ~した「見る目のある上司や仲間」がいるので、北郷は普段の仕事はキッチリと勤めながらも「本来の別件」に注力出来たりする環境があると言うのトコがナンともグッ

そ~した日々の中、遂に過去の事件の尻尾を執念で探り当てた北郷は、闇に葬られた事実に近づき、犯人と対峙するッ!そして最期に見せた北郷の判断はッ!?

とクライマックスでの壮絶な闘いが描かれ、カタルシスが訪れる

決してP数は多くはないが、さすがベテラン作家だけあって「読ませる術」を持っていて・というかそ~したテクが無ければ、作家稼業を長くは続けられないんだろうなぁ~と、思わせてくれた仕上がりだった拍手

多分、古い作品なので「次」はなかったとは思われるが、もしあったなら・・・北郷と部下の新人女性刑事・青木とのラブラブな展開とかがあったらと思わせる

だって絶対、奈那ちゃん、北郷のコト・・・イエローハーツっしょ

 

本作は’15に角川文庫として刊行されていて、ソレの再編集版

なので本作内では「殺人事件の時効は15年」という刑訴法が活きている時代に書かれているというのもポイントの1つですネ上差し

 

 

大沢在昌 「眠たい奴ら」(角川文庫)

 

バブル時代には「闇の紳士」として活発な経済界の地下を蹂躙し、組織に莫大な貢献をした経済ヤクザの高見だったが、その後はしょぼくれ逆に巨額の損益を組織の負わせて、今は追われる身となり、地方の温泉街にひっそりと逃げ込んでいる

その街にブラリと現れた大阪のハグレ刑事・月岡には、ある目的があった

奇妙な偶然で出会った二人は、惚れた女の為・闇を牛耳り暗躍する地元政治家と新興カルト教団らとに闘いを挑んだッパンチ!

共にナンの援護もない一匹狼たちの、孤独で壮絶な勝負を描いたが震えるHB乙女のトキメキ

 

本作は先ず’96に毎日新聞社刊で単行本化され、’98には実業之日本社にでNovels化され、後に角川でH12に初版が・↑のはH14の8刷目のモノ

当然(ウインク)例に寄って「BO」で購入している 時期は覚えてはいないんだけどネ

700Pにも迫る大Volな作品で、鄙びたコレと言って特徴がない、田舎の温泉街が舞台となっている

主人公は二人・一人はかつて「経済ヤクザ」として大いに幅を利かせていた高見

もう一人は大阪府警の刑事で、独断が過ぎてハグレ者となっている月岡

偶然出会い、共通の目的を持っていると知った二人は、お互いが同時に惚れた女の為に奇妙なタッグを組み、地元に蔓延る闇の住人達との闘いに挑むのだが・・・ハート

スマートでハンサムな外見の高見は実際に頭は切れるし度胸も満点

一方、大阪のおっちゃん然とした月岡は、見た目まんまのオヤジなのだが実に執念深く、喰い付いたら離さない喰えないキャラとしていて、コノ好対照な二人がタッグを組み、地元の政治家・ヤクザ・警察(タラー)・そして最大の問題が新興宗教の2代目争いという、巨額の札束が動く騒動が持ち上がっており、ソコに食い込もうと目論む輩が蠢いて・とカオスなシチュエーションとなっている

その中を、ひっそり且つ大胆に画策する凸凹コンビの活躍と結末は如何にッドンッ

と、HBな世界を堪能できる仕上がりとなっている

 

・・・ただ1つ「イチャモン」を付けるのならば、月岡の関西弁がど~にも、ねぇ~ぼけー

ナンか「とってつけたようなポーン」感じが否めないんですよ

他作でも関西・オーサカの舞台のがあり、作中で「関西弁による会話劇」が書かれているんですけどネ 

コレ「ネイティブ」の方が読んだら、どないやろッはてなマークてコトですワ

って、シゾーカの人間が簡単に「関西弁」使こ~たら、本場の方々の怒られますがな笑い泣き

 

と今回は「ハグレ者」が主役のミステリと言う括りでUpしてみましたグラサン