横関大 「メロスの翼」(講談社文庫)

 

東京で開催中の世界的な卓球大会に、急遽出場した中国代表の毛利翼(モウ・イーリー)が、大健闘を見せ勝ち続けていた

TV中継のスタッフは、毛のシャツの背中に小さな≪≫が縫われているのを見つけるッ

中国人選手が何故、日の丸を・・・疑問を解消すべく動き始めると

母親から虐待され、文字通り生死の境を彷徨った小さな男の子

所謂、スクールカーストの天辺で得意がっていた男子

東京から、事故の為に引っ越してきた車椅子の天才子役と歌われた美少女

3人の絆の全てが明らかになる時・・・感涙必至の「現代版走れメロス」

 

 

一応「ミステリ」と呼べる範疇の作品ではあるが、まぁ~トリックというか展開自体にはソレ程の謎はなく、筋の大抵は読めるのではあるが・・・ソレでもストーリーに惹き込まれ、一気に読み進め読了させられた作品となっつている

既にココでも何度もUpしているし、最近はドラマ映画化されたシリーズがあったり、本屋大賞を獲ったり、ナカナカの人気っぷりで、デビューが先ず乱歩賞からなのでジャンルとしては「ミステリ」ではあるが、よりドラマチックな&エンターテインメントよりな作風へと移行しており、文章も平易で読みやすく、人気が⤴⤴なのも納得なのである

で今作では、更にソノ風味が強く、現在行われている卓球の大会の模様と過去の出来事が平行して描かれ、徐々に謎が明らかになっきて、昔に関わりがあった人達が時間が進むにつれ関与し始める辺りは、新しい手法って訳ではないがソレでも感動してしまうのは・・・うぅ~ん、私も年を取った・ってコトなんですかね 

ってか逆にココまで来たら、こ~なってほしい・そ~ならなきゃ嘘だらッという願望が素直に叶えられるのが嬉しかったりする

過去の出来事の舞台はシゾーカ市の清水区(ってのは未だに馴染めないけど)となっている・・・が、ホンとは清水でなきゃいけない理由はなく、ただ単に横関がシゾーカ県民だ・という理由によるモノと思われる

卓球もシゾーカでは盛んで、メダリストも多数産み出しているが、主なトコは西部の方の・特に磐田辺り ジュビロがあるしモチロンが一番ではあるのだが、ソコにすると展開上上手くいかないと踏んだからなのか

清水でもモチロン一番はで次が野球・決して卓球は盛んではないのだが、却ってそれが作者の狙いと一致したのかもしれない

まぁ~やっぱ県民としちゃ~、舞台がシゾーカであれば嬉しかったりするんですけどネ

 

 

「チェインギャングは忘れない」(講談社文庫)

 

護送車が襲われ、5人の受刑囚が脱走したッ

ソノ日、シングルマザーの早苗は守谷SAで記憶喪失の青年・修二と出会い、成り行きで行動を共にするコトになり、早苗と息子の航平は不思議な雰囲気のイケメンとの交流を深めていく・・・

一方、池袋署の刑事・神崎と黒木は、連続殺人鬼<サンタクロース>を追っていた

やがて、無関係と思われた2つの事件は交錯していく時、チェインギャングたちが動き始める

過去と現在を繋ぐ、驚愕&爽快な真相を描く、ヒューマンミステリ

 

単行本が’11で、文庫化が’14となる、横関にとっては乱歩賞受賞~3作目となる作品

デビュー作の「再会」は読んでいるし、ココでも前に関連としてUpしているが、実は2作目は読んでいない が、何故か3作目からは再び買い、読みだしているので今回はコレを

↑でも書いたが、ミステリとは言え決して「トリック派」とは言えず、エンターテインメント色が強いサスペンス風味が持ち味で、以降~現在までの作品もそ~なっている

なので肩肘張らず、気軽気楽に楽しく読み進められるし、Edでは「大」とまではいかないが「どんでん返し」に工夫と凝らし、かなり読み手側であるコチラの希望というか、「こ~なってほしい」と思う展開が、割と素直に描かれるので心地よいまま読了できたりする

ソレがまた気分良かったりするのである 強烈な裏切りは意表を突かれる様な衝撃はないものの、中に穏やかなモノが流れるのである

今作では、襲撃された護送車から逃れた5人の受刑囚と記憶喪失のイケメン青年・シングルマザーのトラック姫の早苗という奇想天外な組み合わせと、一方で刑事の神崎と黒木という【K2】コンビが、連続殺人犯を追うという正統派の警察モノが描かれるのだが・・・

モチロン、この2つのストーリーは結末に向けて関係してきて絡み合い、そして怒涛のEdへと進んでいく

コノ突飛な、無関係と思われる2つの出来事の繋がり具合の妙を楽しんで欲しい作品となっている