横関大 「戦国女刑事」(小学館文庫)

 

警視庁捜査1課の5係は、係長の織田信子の元、お調子者で気さくな木下秀美・思慮深い切れ者の明智光葉・しっかり者で頼れるベテラン柴田勝代などが揃い、高検挙率を誇っていた

ソコに加わったのは、辛抱粘り強い大食いの徳川康子

ほぼX2違法な手法に潜入捜査・部下たちにはパワハラ三昧な信子だが、ソノ手腕・強権・仕返しが怖くて捜査に精を出しているDASH!

捜査1課には、他にも今川や上杉・武田や北条などの有力な係長がおり、日々お互いが鎬を削りながら、松永1課長の座を狙い争っているッ

信子の野望は只1つッ警視庁を統べるコトなのだ

日々、起きる事件に意欲を燃やし、部下をこき使う姿が愛おしい・・・戦国異世界ミステリ

 

 

と、まぁ~肩に力を入れて根詰めて読む・感じでは全くなく、時間や暇がある時にペラX2とながら読み進めるのに相応しいライトな連作短編集

モデルは・・・説明不要ですナ 全員が女性に置き換えられてはいるが、基本キャラも御存知の感じで、ソレに故事を乗っけて遊んでいるという作品

形式としては「コロンボ」「古畑」の枕詞がすっかりと定着した『倒叙形式』となっていてソノ辺りは楽しめるが、でも「びっくり」と驚く仕掛け・トリックがある訳じゃないが、ソレでも凡百でもない・と言った辺りがミステリ作家としての矜持といった所かアセアセ

 

ただこの「戦国時代」・・・シゾーカ県民富士山としては常に悔しい想いを抱えさせられている

地元の雄・本当は「全国覇者の第一有力候補」であった義元が、序盤早々に信長に撃ち負けて舞台から去ってしまったのが残念でならない

完全完璧な『引き立て役』なのであるネガティブ

まぁ~後に家康が天下を獲り、隠居後コッチへ帰ってきたとか、浜松で雌伏の時を過ごしてたんだから県民も同じだらッと少し気恥ずかし気に胸を張るしかないのがナンとも・・・なのである 400年程の時が経とうともソノ気持ちは変わらなかったりするのよねぇ~泣くうさぎ

 

 

清水義範 「やっとかめ探偵団」(光文社文庫)

 

中部東海地方の大都市にして「大いなる田舎」(作者談)名古屋の中でも下町に位置する中川区にあるお菓子の「ことぶき屋」がある

ソコの女主人・波川まつ尾(74歳)は、頭の回転が速く覚えが良い・更にはカラっとした気風で変な拘りも偏見も一切ないという、非常に人柄が良いのであるグッ

だもんで、常に店は小学生から、夜には銭湯帰りの若者が立ち寄ったりして忙しく、ソノ上近所のお婆ちゃん連中がひっきりなしに立ち寄り盛況なのである

そんなある日、近所のお爺さんが刺殺されるという大事件が発生したッガーン

早速、まつ尾婆ちゃんはご近所連中と、愛知県警唯一とも言える東京人刑事の鷺谷と共に難事件に挑むッ

「名古屋のミス・マープル」コトなつ尾の明晰な推理頭脳が冴えるシリーズの1stキラキラ

 

本作は’88に書下ろしで刊行されていて、↑のは’93の7刷目のモノ

清水を始めて読んだのは’94の時で、「蕎麦ときしめん」(講談社文庫)だったのだが、ソレ迄読んでなかったジャンルのだったコトもあり、一気にハマって新作・過去作と集め出した

その中の1冊で、表紙にもある通り≪長編ユーモア推理小説≫とある様に、とにかく先ずは探偵のキャラが秀逸で、「ミス・マープル」も真っ青の推理力を持つ駄菓子屋の女主人・波川まつ尾婆ちゃんが素晴らしい

年寄りらしい変な拘りや偏見が一切なく、カラッとして気風に分け隔てのない性格をしてるのが気持ちE~拍手

舞台は名古屋の下町・中川区で、ナゴヤ球場があるトコがソノ場所である

と言っても、も~今の若いコらには分からないだろうし、昭和の終わり頃なので≪昭和風≫が漂っていて、私らの世代にはど真ん中だし、ノスタルジーを感じさせてくれるトコもまた

モチロン凝った捻くり廻したミステリではないが、しっかりとした展開が続くし、まつ尾さんだけでなくご近所のお仲間婆ちゃん連中のキャラも楽しいラブ

そして擽りの存在として鷺谷が登場し、名古屋にいながら名古屋弁が喋れずに疎外感を味わっているトコがナンとも可笑しく、「大都会の大いなる田舎」の面目躍如足るシーンが思わずウインクとなっている

この後もシリーズは続き、随分と楽しませてもらった飛び出すハート

巻末には三遊亭円丈師匠との名古屋対談のオマケもついている

 

*個人的には122p~の名古屋人刑事との「ドラゴンズ談義」が爆笑だった

星野やモリミチを腐し、山内・近藤・中をdisり、濃人や杉下を少し褒める・・・

って、よっぽどの通にしか通じないってソレ笑い泣き