麻見和史 「凍結事案(コールドケース)捜索班 時の氷解」(文春文庫)
最愛の妻にガンで先に旅立たれてしまった捜査1課の刑事・藤木靖彦は、そのショックからナカナカ立ち直れずに休職し、現在は捜査1課所属ながら、未解決事件を扱う部門へと異動していた
三鷹市のとある家で長男が階段から落ちて死亡する事故が発生し、家の中を捜索すると冷凍ショーケース内に凍ったまま保存されていた父親が発見されたッ![]()
捜査に参加した凍結班のその後の関連調査により、今回と酷似した冷凍ショーケースに遺体が保存された事件も明るみとなり、捜査は一気に沸騰するッ![]()
背後に見え隠れするデートクラブらしき存在に接触を図るが・・・
心の傷が癒えない中年刑事とソノ仲間達による、シリーズ3![]()
毎年、年明けに刊行されるシリーズで今作で早くも3作目となるが、主人公は妻に先立たれショックが癒えないまま、バリX2の捜査1課から未解決・所謂「凍結事案」を専門に捜査をする部署への異動となった、50歳の普通のおじさん・藤木
その痛みに耐え、徐々に慣れつつある独り暮らしの中、今回も非常に特殊な痛ましい事件を捜査するコトとなる
業務用の冷凍ショーケースなどを販売する会社の社長が、商品であるショーケース内に冷凍されて死亡していたという事件で、ソレについて事故死した引きこもりの息子が処理に困った・年金を不正受給する為に工作したモノと直ぐに判明したが、藤木らの捜査により別の場所で同様の若い女性の冷凍保管遺体が見つかり、更に他の場所でもッ
更に背後には怪し気な倶楽部の存在がッ
というモノ
加工された異様・異形な遺体・というのは麻見の「十八番の展開」で、今作・というかシリーズでも継承されており、ソコに長年未解決となっていた事件が絡み・・・
特に今作では背後に蠢くデートクラブの存在があり、凍らされ保存されていた若い女性との関連はッという点が見所で、潜入を謀り凍結班の紅一点・石野が接触しようとするが・・・のハラドキな展開が待ち受けている
また、冴えない只の普通のアラフィフオヤジである藤木が、妙な「モテ期
」に突如突入かというなシーンも面白い![]()
その辺りの進展具合も次作で楽しみにしていたい![]()
「蝶の力学 警視庁殺人分析班」(講談社文庫)
不動産会社の若き社長が自宅で惨殺され、夫人が誘拐されるという事件が発生し、早速「無敵のイレブン」こと警視庁捜査1課11係りが臨場する
と、遺体の喉が切り裂かれソコに青い花が突き刺されているという猟奇的な事件であった
間髪入れず、大手新聞社に犯人と目される【クラスター16】なる者から犯行声明と次の犯行への警察への挑戦状が届けられるッ![]()
誘拐され行方不明の夫人の捜査に懸命となるが、またしも同様の手口・態様で遺体となって発見される
如月塔子は、同じ班の鷹野と共に憎っくき犯人を追うが、遂に矛先は警察そのものにも向かってきて・・・![]()
シリーズ7作目は原点回帰とも取れる、サスペンスフルで刺激的な仕上がり
’15にノヴェルスで刊行された後、’17に文庫化されている
シリーズが長くなると、読み手側のコチラ側としてはキャラに愛着が湧いてくるし馴染むし推しキャラも出来るのだが、一方でマンネリ化はど~しても避けられず、似たような展開になりがちだ
ソコを如何に発展・変化させ、コチラをソノ渦に巻き込むのかが作者の腕の見せ所だと思うかと言って余りにも急激だったり無茶な方向へ行こうとすると、ソレ迄読者の反感を買うコトもあり、トリックを捻りだし唸らせるのを年1回《必ず》しなくてはならないし、人気作家ともなると同様のシリーズを他にも手掛けているので同時並行しながら書き分けて行かなくてなならない訳だ![]()
その点、今作では変化も取り入れながら人気を得た初めの頃のテイストをブラッシュアップさせながら取り入れているのは実に![]()
麻見の特徴・得意とする「シリアルキラー」との対決・傲慢かつ不適で不快な劇場型犯人・そしてヒロインである塔子と、コンビとなる筋読みの鷹野とのコンビ&班の個性的なメンバーの活躍処など、読みポイントがたくさんある良作に仕上がっていると思う![]()
増々次が待ち遠しく楽しくなってくるのだが、そんな作家作品シリーズに出会えたのは実に幸運だと思っている![]()

