大山誠一郎 「ワトソン力(りょく)」(光文社文庫)

 

警視庁捜査1課の強行班に所属する若手刑事の和戸栄志(わとそうじ)の班は、事件解決率10割を誇る

精鋭揃いの中、和戸だけは飄々として性格も風貌も至って普通で、とてもじゃないがバリバリの刑事には全く見えないショック

そんな彼が、帰宅途中に何者かに襲われ拉致されたッ雷 犯人は目的は一体ッ??

閉じ込められた部屋の中で、彼は過去に関わった事件の中に犯人がいると推理し、回想を始める・・・

ダイイングメッセージ・雪に閉ざされた部屋・バスジャック車内での殺人・・・

本人は鋭くはないが、周りに居合わせた人達の推理力を飛躍的に一時的に向上させる特殊能力・人呼んで『ワトソン力』の持ち主の、<多重推理解決モノの連作短編ミステリ>キラキラ

 

 

少し前に他の方のブログで紹介されていて、その後コメントもお送りした気になってた作品

先月の「仕入れの際」に棚で見かけて、「こりゃ~も~直ぐ買いだらックラッカー」となった1冊で、シャーロキアンの端くれの片隅にいる者としては、スルーできない

実際に中で語られる事件の数々はホームズ譚とは関係ないし、主人公がホームズマニアでもなく、犯人がそ~でもないのだが・・・

でも和戸が「根っからの脇役・助手」キャラであるのが面白いし、ソコこそが作者の工夫であるのが実にグッ

本人は何も解決はしないが、周りが勝手にドンX2と眠っていた推理力を発揮し始め、推理合戦を始めるのも楽しいし、所謂ミステリ界に於ける【多重推理モノ】になっているトコがOK

このスタイルも古くからあるし、人気を得いてたりするので、ホームズもの+古典的世界を合体させたアイディアの勝ち・といった感じの作品

また作中で語られる事件も、古典ミステリ作のオマージュとなっているトコもNice

シリーズ化されているとのコトなので2も楽しみですナラブラブ

また表紙カバーイラストのテイストが実に和戸っぽい

宮部の「杉村三郎」シリーズもこの方が書いていたが、両方のキャラに実にマッチしてますスター

 

 

北原尚彦 「ジョン、全裸同盟へ行く」(ハヤカワ文庫)

 

コンサルティング探偵のシャーロック・ホームズと、その相棒で医師のジョン・ワトソンの元には、今日も不可思議な事件の解決を求める依頼人が訪れている

一目見ただけで、依頼人の素性を言い当てる小気味いい推理に気分を良くしていたのだが・・・

「頼んだぞ ジョン!」

裸体に拘りがあるという依頼人が入会していた『全裸同盟』から、退会通知を受けたソノ理由を探って欲しいというのだ!?

かくして、ジョンはネイキッドとなり潜入捜査を開始する羽目にッガーン

21世紀のを駆け回る名探偵と相棒の八面六臂の活躍を描く、現代版シャーロック・ホームズのパステーィシュ譚合格

 

「ミステリマガジン」に掲載された5編に加え、新たに1編を書き下ろし纏められ刊行されたが’14のコト

始めに元になっているのは聖典であるドイルのホームズ譚なのは当然なのだが、本書は更にイギリスBBCが制作放送したドラマ『Sherlock』のパステーィシュとなっているというコト

つまり、本家の分家の更に分家と言う、少々ややこしい作品で、分家のパスなのに元ネタは本家にある・という・・・えーん

なので聖典を知っていれば楽しく、更にドラマを観ていればもっと面白いという構造で、シャーロキアンにとっては2重にも3重にも美味しかったりする音符

BBCドラマ版も、ベネディクト・カンバーバッチ&マーティン・フリーマンのW主演作は、放送後直ぐに世界中で好評を博し人気となっている *モチロン私もDVDとコミカライズを持っている

作者の北原氏は、現在の国内に於けるシャーロキアンの第一人者と言ってもイイ程の方で、こうした作品もあれば、関連モノの蒐集をしており、ソレらを集め纏めた本もある *モチロン、私も何冊か持ってます

ソチラの方もいつか関連で紹介出来たらな・と思っている

 

コチラは『Sherlock』のコミック版 作画の方の筆力は賞賛ですネ拍手