米澤穂信 「栞と嘘の季節」(集英社文庫)
図書委員の堀川次郎は、返却本の中に栞が挟まれたままであるコトに気付くが、同じく委員で友人の松倉詩音が、押し花として挟まれているのが猛毒の<トリカブト>であると告げる![]()
密かに持ち主を探し始める二人であったが、同級生で【とてつもなくキレイ】と評判の瀬野さんに栞を奪われた上に焼き捨てられてしまうッ![]()
モヤモヤするモノのコレで幕引き・と思われたのも束の間、男性教師が中毒症状で倒れ、事件の連鎖が続き、学校中で倒れる者が続出する事態に・・・
誰が何の為に
そもそも栞はいくつあるのか
そしてそれを持つ者は![]()
アオハルな高校を舞台に繰り広げられる≪図書室ミステリ≫のシリーズⅡ
米澤らしい、高校生と高校が舞台のアオハルなミステリのシリーズ2作目![]()
*1作目は’21の7月刊行でココでもUpしている
八王子の高校の図書委員の松川は、ごく普通の男子なのだが、信頼がおける感じの風貌と言動により頼まれ事が多いタイプで、松倉はCoolなイケメンだが皮肉屋で大人びた感じ
という一見正反対な性格なのだが、それ故に気が合い、一緒に図書委員を務めている
今作では、返却本の中に挟まれていた1つの栞を中心にストーリーが始まり進んでいく
問題は押し花加工されていた栞の中身が猛毒のトリカブトであるコト・写真コンクールで金賞を獲った作品にトリカブトが写っているコトで、そこら中に・と言う訳ではないが、トリカブトは日本中に自生しているし、特別な加工などを必要とせずに人命を奪えるとあって、発見した堀川&松倉のコンビは謎を追うが・・・
ソコへ「とってもキレイ
」と称される同級生の瀬野さんが絡んできて、更に問題が複雑化していく内に、遂に被害者がッ
と言うのが大まかな内容
今作では始まりが図書室&栞と本に関するスタートではあるが、著作であったり本そのものの問題ではなく、あくまで高校生ならではの生活・生き方・アイデンティティにスポットが当てられていて、最後の嘘が捲れ、本当の真実が表面化した時の驚きもあり、センシティヴでナイーヴな高校生の内面を描いた、よく出来たミステリとして仕上がっていた![]()
コレは次の3も楽しみとなって来たゾ
・・・いつかは分からないけどネ![]()
ヒキタクニオ 「こどもの城殺人事件」(角川文庫)
青山の路上で発見された刺殺体は、近所の名門校に通う、評判のイケメン&成績優秀な優等生・原田聡吾17歳だった![]()
恋人の敷島亜子は動揺するも、彼が凶悪犯罪に加担していたとの情報を得る
食い違う同級生たちの証言に困惑するが、聡吾の親友から、警察の捜査の妨害をする様に支持をされるッ![]()
聡吾は、ソノ親友との幼い頃からの約束を守る為に死んだと言うのだが・・・
切ない動機と冴えが光るどんでん返しに息をのむ青春ミステリ![]()
本作はH28に書き下ろしで刊行された作品
ヒキタはデビュー作の「凶気の桜」からして、10代のピり付いたナイーヴな若者を描いたおり、その若々しい感性は年齢を凌駕しクリエイターという職業ならではの輝きを見せていた
その後もそ~した系統の作品がメインだったのだが、結婚→奥様の妊娠・出産を機に、方向転換してホノボノ系のアットホームな面を押し出して来た![]()
のだが、今作はソノ前のモノで、非常に独特のピリX2とした都会に住む住人ならではの世界観が舞台となっている
青山の名門校に通う人気実力共に抜群な「リア充」な高校生が刺殺体となって発見されるのだが、恋人の亜子が独自のルートで真相を探るにつれ、今迄知らなかった・知らされてなかった裏の顔が明らかになるにつれ、彼女が動揺し混乱していく様は、大人なコチラ側には辛いモノがあり、更にソコに絡んでいるオトナ(893と呼んで下さい
)の巧妙な薄暗さとキツさが更に染み込んでくる・・・
アッと驚く最後の真相も、エピローグで語られる後日も、非常に辛くサラサラとした寂寥感が襲ってくる![]()
ミステリとしても面白さもありつつ、舞台背景に怖れを抱かせる様な、そんな仕上がりとなっている![]()

