長浦京 「プリンシパル」(新潮文庫)

 

長野の女学校で教師をしていた水嶽綾女は、「チチキトク」の電報を受け、急遽東京へ戻るコトに・・・帰郷の列車内で敗戦の報を告げる玉音放送を聞く

時は、昭和20年8月15日 太陽が高く暑く眩しい日であった

そしてその夜、父親が帰らぬ人となるが、ソレが綾女にとって地獄の日々の始まりとなった

古くから渋谷界隈を中心に縄張りを持つヤクザ・水嶽組が実家であり、3人の兄は出征・もしくは精神に異常を来しており、跡目を継ぐのは綾女しかいなかった・・・

仕方なく、一時的な措置として女親分となったが、戦後の混乱期に於いて、平穏な日々は訪れずに、常に命を張った暴力が待ち受けていたッメラメラ

襲撃・報復・権謀術数に、政治家や占領軍たるGHQとの裏取引に明け暮れ、いつしか綾女は、希代の「女悪党」となっていったドクロ

価値観が一変し荒廃した東京を舞台に描く、修羅の道を歩まざるを得なかったピカレスクノワール雷

 

 

実家の稼業と父親のヤクザの血を嫌い、教師の道を選びながらも、遂には一家の為・慕う子分たちの為・そして名目上は生活に困窮する縄張り内(シマウチ)の人達の為と独り納得させて、4代目の女親分として水嶽(ミタケ)組を率いるコトとなってしまった綾女の、昭和20年の敗戦の日~占領から脱却し独立・復興に進む昭和30年までの激動のDecadeを、表と裏を混ぜながら描いた弩級のピカレスクもので、壮絶過酷残虐な描写がコレでもかッと続く

メインの水嶽組はフィクションだが、関係者や敵対者などで様々な人物が登場するが、モデルは容易に特定でき、ソレら現実の人物との対比を思い浮かべるのが面白いグッ

*吉野繁美・籏山市太郎・竹岡義雄・美波ひかり・・・などなどetcウインク

法も秩序も敗戦によりなし崩しとなり、戦地帰りの無鉄砲モノや暴れ狂う三国人などを相手に、コチラも無法は元より残虐な報復で迎え討ったり、もしくは戦中に秘蔵した戦略物資を横流し莫大な富を手に入れ、ソレを更に政治家やGHQに廻し利権を手中にし権力に与し、更に力を蓄えるなど極道の見本となる様な手口があるかと思えば、芸能や物流・土地の売買や斡旋・インフラ整備などの表の稼業にも精を出し伸し上がっていくなど、終戦直後の混乱期ならではの様を見事に描いている

モチロン、一方で敵対勢力の攻撃も激しく、何度も綾女は危機に陥るが奇跡的な執念でソレを乗り超えていく・・・ソノ壮絶さも読み処の1つパンチ!

作者の長浦といえば映画化もされた「リボルバー・リリー」(講談社文庫)だが、ソレに負けず劣らずの・いや以上のバイオレンスが今作内では炸裂しているッ炎

 

 

赤川次郎 「セーラー服と機関銃」(角川文庫)

 

ちょっぴり勝気な、でも可愛らしさ満点の女子高生の星泉は、いつも忙しく海外を飛び回っている商社マンの父親との二人暮らし

でも友達もいるし、泉を慕い憧れているファンクラブの同級生3人組に囲まれ賑やかに過ごしている しかし、帰国したばかりの父親が事故死に見せかけられ≪殺されて≫しまったッ泣

しかも、秘かに時価2億円ものブツを隠しもったまま?

おまけにパパの愛人を名乗る不思議系の美女・真由美さんと言う人も現れてガーン

更にさらに、ナンと組員僅か4名のおんぼろヤクザの組長を襲名するって・・・??

一体ナンなのよッ爆弾

突如、嵐の様な混乱騒乱に巻き込まれた普通の女子高生女親分が大活躍をするライトなタッチの新たな時代のミステリ音譜

 

単行本の記述はないが(そもそも出てるのかも)、文庫の初版はS56の10月で、↑のはS57の2月の13刷目のモノという、爆発的なHit作

ソレも当然で、主演は時代を時めく<角川3人娘の長女・薬師丸ひろ子>主演で映画化され、当時にTV版のドラマも放送されており、得意の≪カドカワ・メディアMix≫により、お茶の間のTVで流れまくっていたからだ

ナニを隠そう、私はひろ子のファンでドーナツ盤も持っていた

で普通は映画を観るとかブロマイドを買うとか、アイドル雑誌に行く所を、私はきっちり「原作本」に奔るって辺りが、面目躍如たる・というか現在の姿が既に垣間見られるというか・・・なのであるグラサン

今作と、も1つの原作本 眉村卓の「ねらわれた学園」(角川文庫)が、ほぼ初の小遣いで購入した文庫であって、カバー表紙は大分痛んできてはいるが色落ちはせずにナンとか持ちこたえている 43年もの年月が経っているにしては頑張っていると思う

内容については・・・まぁ~も~イイっしょウインク 

でも大乱歩→横溝→高木・清張と続いてきた日本推理界で、後に佐野洋・清水一行・森村・夏樹などが紡いできたのだが、新たに時代を反映した明るく爽やかなライトなタッチのミステリが誕生したという、赤川の功績は果てしなく大きいハート

やはりドチラかというと暗めで社会の闇や家庭の不和などが描かれたり、大仰なトリックを配した本格派などとは全く違う路線で、若者や女性が気軽に手軽に楽しめるジャンルにならしめた・というソノ先駆者たる赤川についてはもっと語り継がれるべきなのではッ!

と思ったりもする

とか言いながら・・・そんなに赤川、読んでなかったりするんですけどネてへぺろ

 

映画のDVDと、土浦の古本屋で掘り当てた当時の写真集

 

 

今回は共に「女組長誕生星」ってコトで

まぁ~内容もキャラも正反対ですけどネ爆笑

 

で最後はモチロン、コレらを聴きながら流しながら今回は・・・バイバイ