柚月裕子 「教誨」(小学館文庫)
埼玉に住む吉沢香純とその母親の静江は、遠縁の死刑囚・三原響子から、身元引受人に指名され、死刑執行後に東京拘置所に赴き、遺骨と遺品を引き取った
響子の故郷であり事件現場でもある青森の本家が、断固として受け取りを拒否したからであった
狭い田舎町のコト、只でさえ事件で町を騒がせ大混乱に陥れた彼女を、昔は地主として大いに権勢を誇った名家としては、骨となってからも存在そのものも否定したのだ![]()
幼い我が子を近所の川に投げ入れ、その後、ナンら関係のない近隣の女児をも絞殺したとして逮捕起訴され、地裁に於いて死刑判決を受け、控訴もしなかった為、刑が確定していたのだ
執行後、教誨師である住職の元を訪れた香純は、何故彼女がそんな事件を起こしたのか疑問に思い、彼女の心に潜む深く暗い闇に迫ろうと考えた
今際の際に残した響子の最期の言葉「約束は守ったよ 褒めて」の意味とは一体・・・![]()
「毒親」と称された女性死刑囚の心の裡に迫る、哀しみの犯罪ドキュメント
今日は天気が悪く、電気を点けて撮ったら、偶然にも表紙イラストの顔の部分が光ってしまったのだが・・・ソレが逆にナンか効果的な感じとなったのだが![]()
そんな不穏で不安に気持ちにさせたのが今回の作品で内容であった
当時世を騒然とさせた実在の事件をモデルとして、死刑判決を受け、10年もの期間を囚人として拘置され、執行を受けた犯人の響子の揺れる心の裡の闇と、親類縁者の中で最も近場にいるというコトを受け、遺骨と遺品の受取人となってしまった香純が、最期の言葉の意味を探るサスペンスものとなっている
子供の頃、たった一度だけ故郷での法事で遭遇しただけの二人だが、何故か感じるモノがあり、何故彼女はそんな鬼畜の所業をしてしまったのか
狭い田舎町で噂が駆け巡り、古い因縁が未だに色濃く残る所で、苦心しながらも徐々に真相に近づき始める香純
狭い拘置所内で、日々を後悔と夢想の中を行ったり来たりを繰り返す響子の心境のパートが交互に描かれ、濃く暗い霧が少しずつ薄れていき、先が見えそうになってくる書き方は、サスガに上手さを感じさせてくれたのだが・・・
やっぱり題材とテーマが漆黒なモノなので、スッキリ爽快に・と言う訳にはいかない作品であり、読後感も同様であった![]()
が、まぁ~ソレが柚月の持ち味ですからね・・・![]()
大塚公子 「死刑執行人の苦悩」(角川文庫)
「何故、こんなメに遭うのか・・・」
ソレは最期の瞬間まで、死刑囚の脳裏を離れないというのだが、ソレだけのコトを社会で犯したからである
死刑制度の執行を、される側とする側の心の裡を、丁寧な取材と豊富な資料を基に丹念に書き上げた、労苦と苦悩の衝撃的なドキュメント
『その日』まで、独り独房にて恐怖に震えながら待ち続ける死刑囚![]()
仕事として『ソレを』しなければならない刑務官![]()
改めて死刑制度の是非を問う問題作![]()
’88に先ずは単行本が創出版から出ており、その後角川でH5に文庫化・↑のは15刷目となるH9のモノ
とまぁ~初版からソレだけ年月と刷が重ねられているというコトで、例によって「BO」を棚ブラしていた時に見つけた1冊
刊行からかなりの年月が経っているが、世界的流れとして「死刑制度の廃止」が叫ばれている・・・
が、未だに世界各地で廃止には至っていないし、モチロン
に於いても同様である
所謂【国家による殺人】を許容してイイのか 冤罪の可能性はないのか 執行後に取り消しが出来ない制度は・・・
と、今も様々な意見議論がなされているが、結論は出ていない
今作は、死刑制度について・実際にボタンを押す執行官の苦悩・己の罪を悔いて素直に応じる者と最後の最期まで暴れ反省の欠片も見せない者など、死刑に関わるあらゆる事項について取材し書かれた1冊となっている
*私見ですが・・・
私個人的には「死刑制度」には賛成・というか至極当然の刑罰だと思っています
ドコかの近隣の独裁者の御気分や、一党が独裁で以って管理支配してるトコと違い、ちゃんと裁判を行い、上訴する機会も与えらてるし、そもそも裁判中に自分の意見を述べるコトも出来る訳で、「罪と罰」以外の思惑が入る余地はない訳で、その上で刑が確定してるんであって
自分が罪の重さ・殺めた人と遺された家族のコトを思えば、自分が同じメに遭っても当然だと思っています
+最近の判決の甘々な部分にも納得はいかないですネ![]()
一人なら無期・二人以上だと死刑が視野に入る・ってナニ![]()
命の貴重さを数で判断するなよッ
と思っています
++死刑廃止→終身刑というのもどうかです![]()
結局、生きて二度と娑婆には戻れない・と言う判決なので、コレは死刑と同じじゃないですかね 引鉄やボタンが強制的に押されないだけで
また加害者に悔い改める機会を・とか言うけど、じゃ反省して悔い改めたら被害者が還ってくるの
被害者家族の心に安寧が戻るの![]()
単なる「お為ごかし」にしか聞こえないんだけど![]()
などなど、あくまで私見でした![]()

